22.ベアトリーチェ②
クラウディオ。
「王都を奪還したのね。ご苦労様」
最初に会話を始めたのはベアトリーチェだった。ふんぞり返っている。
「民のことを思えば、1日でも早く奪還したくて」
「まあ、あなたがやらなくても私が奪還していたけどね」
ソフィアの功績を認めないらしい。
「ソフィア様はミキヲ地方も奪還しました」
僕が口を挟んだ。
「私だってギデンを奪還したじゃないの」
「そうですが…」
「時間さえあれば私が全ての領土を奪還していたわ」
「そうでしょうか」
「まあ、民のことを思えば、早く全領土を奪還できてよかったかもね」
「どうやってギデンを奪い返せたのですか?」
「というと?」
「あそこはモンスターの数が半端じゃなかったはずなのですが」
「あなた達にドラゴンという切り札があるように、私達にも切り札があるのよ」
「それはどんな?」
「言いたくないの。切り札は見せると切り札にならないから」
「そうですか」
そこで、傍らの黒ずくめで仮面の男が口を挟んだ。ベアトリーチェの側近だ。
「偉くなったものだなぁ、レン」
「?」
「おれには全く気付かないんだな、同期なのに」
「お前は誰だ?クラウディオなんて知らないぞ」
「クラウディオはベアトリーチェ様がつけてくれた名前だ。元はクロウと言う」
「クロウ?クロウなのか?」
「レン、知っているのですか?」
ソフィアが言った。
「はい。卒業試験で学年2番だった男です。就職先は知りませんでしたが…」
「そう、学年2番。1番にはなれなかった」
「お前は手を抜いていたらしいじゃないか?」
「手を抜くさ。面倒臭い」
「ソフィア様、この男の強さはロウに匹敵します」
「ロウに?」
「まさかベアトリーチェ様にお仕えしているとはな」
「誰にも何も言わずに就職したからな」
「相変わらず手を抜いているのか?」
「仕事で手を抜いたりはしねえよ」
「ここは再会を祝う場ではない。後で話そう」
「そうだな」
僕は話を打ち切ったが嫌な予感がした。クロウの表情は仮面のせいでわからない。
「話を戻しましょう」
僕はクロウという存在を忘れるために話を戻した。
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