21.反撃⑤
ホヨウ占領。
トシとキヨマサがそれぞれ2つずつ首をぶら下げて降りて来た。
「国王センべー、討ち取ったり!」
「その息子達、3王子も討ち取った!」
2人は首を掲げた。
ホヨウ兵達が失意のために座り込んだ。
「これよりホヨウはイロハの国土となる!ホヨウの兵は投降せよ」
1人、また1人と剣を捨てるホヨウ兵達。
「おめでとうございます」
「いやいや、そなた達のおかげだ。感謝いたす」
「ホヨウの民が落ち着いて、本格的に統治するにはしばらくかかるでしょうね?」
「そうだな。だが、貴公等が王都を奪還するときには手伝うぞ。約束だからな」
「ありがとうございます。その時はよろしくお願いします」
勿論、セリアが通訳をしてくれている。
「今日、この王都は大騒ぎでしょうね」
「沈静させてから、イロハが占領したという事実を突きつける」
「しばらく、私達も手伝いましょうか?」
「おお、それは心強い。とくに通訳がいるのはありがたい」
「まずはホヨウの中で通訳ができる者を探さないといけませんね」
「そうだな」
「では、探させましょう」
僕は部下にイロハの言葉がわかる者を集めるように指示した。
すぐに十数人が引っ張り出させれた。
「これはありがたい」
「では、内政に関することはお任せします」
「任せておけ。この国がホヨウだったときよりも良い国にしてみせる」
「では、我々は敗残兵の対応や治安維持につとめます」
「そうか、頼む。これからいろいろ相談に乗ってもらいたい」
「私達で良ければ」
僕達は王都内に陣を張った。カルデア軍、イロハ軍、ホヨウ軍の兵士で王都は溢れかえっていた。
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