※挿話ーーそれぞれの想い⑥
シー。
その次はシー。
「僕のどこを気に入ったの?」
「姉様から聞いていませんか?」
「聞いても教えてくれへんかった」
「いろいろあるのです」
「例えば?」
「他人のために自分が傷つくことを怖れないとことか…」
「そういうところを見守ってくれているのなら、俺達、結構合うかもね」
「私達、合いますか?」
「かもしれない。でも、僕は良いところがあまり無いからなぁ」
「そうでもないですよ」
「例えば?」
「戦闘中、いつも周囲に気を配ってくれるところとか」
「部下を見守るのは当たり前ちゃうの?」
「そうでもないですよ」
「そうかな?」
「レン様は戦闘中じゃなくても気を配ってくれます」
「それって、普通の人間関係の話とちゃうか?」
「そうでもないですよ。気配りしてくれない人も多々います」
「まあ、上司と部下って上下関係やから下の者に気配りしない人もいるかもね」
「部下がどれだけ頑張っても、どれだけピンチでも放ったらかしとか」
「そういう人もいるんやな」
「そういう人の方が多いです」
「でも、ロウは違ったやろ?」
「はい、強いし格好いいし、気配りもしてくれました」
「僕はロウには勝てないから」
「そんなことないですよ」
「ロウは学生時代から恰好良かった。いい奴だった。モテてた」
「でしょうね」
「僕は全くモテなかった」
「それは不思議ですね」
「どうして?」
「レン様も格好いいですよ」
「ほんまに?」
「はい。自信を持ってください」
「ありがとう。嬉しいよ」
「私はレン様を好きになったんです」
「誰よりも?」
「はい、誰よりも好きです」
僕はもう一度言った。
「ありがとう」
女性陣は皆が笑顔で、僕は随分癒やされて励まされた。そしてソフィアをはじめ皆に感謝した。
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