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4.風向き①

ユリウスの登場。ソフィアの立場。

ある日、リーから12名全員に対する打ち合わせがあった。


「明日は賓客が訪れてくる。西国のホヨウの大貴族ユリウス様だ」

「またかよ」

 シュウが言った。

「レン以外はよく知っているだろうが、おそらくソフィア様にお会いになるだろう。もしくはソフィア様を伴った謁見になるかもしれない」

「またか」

レイラが言った。

「皆、失礼の無いようにしつつソフィア様をお守りするように」

一同、沈黙している。

「明日の勤務からするとシュウの班の時にソフィア様とお会いになる可能性が高い。シュウ、いいな」

「わかりました」

「以上だ、解散」


 僕にはよくわからない話だった。

「要するに、隣国からの賓客が来るから粗相の無いようにってことですか?」

レイラに聞いてみると、

「そうだ」

と、不機嫌そうに言われた。


 翌日、リーが言ったとおり、ユリウスの国王イサークとの謁見にソフィアも立ち会った。

 僕の感想として、ユリウスは嫌みのあるタイプだった。平民を馬鹿にするタイプだろう。顔もブサイク、高貴な育ちの割には品が無かった。要するに、僕の第1印象は最悪だった。

 

 一通りの挨拶を終えて、ユリウスが国王に言った。

「ソフィア様はますますお奇麗になりますね」

「おう、そうかそうか」

「せっかく来ましたので、ソフィア様ともお話する時間を頂きたいのですが」

「うむ、構わん、構わん、そうすればいい」

「お許し頂きありがとうございます」

「ソフィア、失礼の無いようにな」

「わかりました、お父様」

「今はまだ、なかなか会う時間が無いであろう」

「今は?」

 ソフィアが聞き返した。

「いやいや、先のことはわからんがな」

「では、自室におりますので」

 ソフィアが自室に戻った。勿論、僕たちも同行する。


 やがてノックの音がした。

「どうぞ」

「失礼しますよ、ソフィア様」

「お座りください、お茶をいれます」


 途中、

「護衛兵がいると話しづらいですな。護衛兵を下がらせませんか?」

と、ユリウスから提案があったが、

「この者たちは私と一心同体です」

と言ってソフィアが頑張ってくれた。レイラの目つきが怖かった。


 ユリウスはかなりの時間、ソフィアに話しかけた。ソフィアはどんどん無口になっていった。

 

 そして、ようやく帰った。


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