※挿話ーーそれぞれの想い③
ジェーン。
その次の夜はジェーンが来た。
「隊長」
「ん?」
「すみません」
「何が?」
「私だけ初めてじゃなくて」
「そんなこと気にしたこと無いで」
「本当ですか?」
「気にせんでええよ」
「気にします」
「じゃあ、元気な子供を産んでくれ。それでいい」
「はい!」
「元気になったか?」
「はい。楽しみが出来ました」
「そうか」
「楽しみと言うよりも“生きがい”です」
「そうなん?」
「私達は武人です」
「うん」
「いつ死ぬかわかりません」
「確かに」
「だから早く子供を産みたいです」
「なあ」
「はい」
「これから、僕の代わりにドラゴンに乗るか?」
「隊長は?」
「馬でいい」
「どうして私がドラゴンに?」
「死ぬ確率が低くなるやろう?」
「そんなのはダメです」
「アカンの?」
「今まで通りでいいです。生き残ってみせます」
「それでもええけど、苦しくなったらいつでも言えよ。ドラゴンと代わるから」
「わかりました」
「でも、ジェーンも強くなったな」
「最初に会った時と比べてですか?」
「うん。最初、僕に腕試しを挑んできたんだったな」
「恥ずかしいから忘れてください」
「わかった。忘れる」
「隊長」
「ん?」
「好きです」
僕はジェーンを抱き締めた。
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