20.同盟⑦
ベアトリーチェ、動く。
同盟は成立した。
僕達はすぐにカルデアに帰った。
すぐに会議に呼ばれた。ソフィアもいた。
「ベアトリーチェ様がテオドールとご結婚なさった」
リーが言った。
「どこでですか?」
「ノア地方だ」
「それで?」
「東部のギデン地方を奪還すると表明された」
「ちょうどいいんじゃないのか?我々が西、ベアトリーチェ様が東」
「問題は、我々がベアトリーチェ様の下につくかどうかだ」
「我々エラン軍はずっと国のために単独で動いてきた。今更下につくのは納得がいかないな」
「それに、目撃者の話では、陛下とエリザベス様はベアトリーチェと王都を脱出したはず」
「それで陛下とエリザベス様が行方不明というのは納得できない」
「そもそも、陛下は後継者をまだ決めていなかった」
「ソフィア様が女王になってもおかしくない」
「我々は我々でこれまで通り単独でやっていこう」
「という皆の意見ですが、ソフィア様のお考えは?」
「私は姉と争うなどしたくありません」
一同、静かになった。
「ですが、今、ノアに行って姉と話すこともできません」
「北のノアとミナミのエラン、その間に王都、ミキヲ、ギデンがありますから、敵に阻まれて通れませんね」
「ですから、これまで通りの方針を続けます」
「そうこなくっちゃ」
「姉も私も国に良いことをするなら、それで良いと思います。それぞれ、ギデンとミキヲを奪回するならそれが国のためです」
「そうだ!そうだ!」
「それからでしたら、姉と話すことも出来るでしょう」
「陛下とエリザベス様のことも訊いてください」
「もしかすると、姉ということで王位は姉にあるのかもしれません。そうなれば、私達が勝手に行ったイロハとの同盟も、同盟とは呼べずただの共闘になるのかもしれません」
「……」
「ですが、私はあえて同盟と呼びます。姉に反対されても」
「私達は皆、ソフィア様こそ王位にふさわしいと思っております」
「ベアトリーチェ様と戦っても構いません」
「気持ちはありがたいですが、穏便に話をするつもりです」
「ということだ。予定通り、イロハの援軍が来たらすぐに西部を奪還する!」
「おー!」
僕達は一致団結した。
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