3.日常⑥
訓練あるのみ。
僕は交替勤務でソフィアの身辺警護をして、仕事が終わってからシュウに剣の手ほどきをしてもらった。シュウもレイラも同じ班なので、それが可能だった。
「レン、まずは腕力を鍛えろ」
シュウに言われた。
「はい?」
「その大剣を少し重いと感じるだろう?」
「はい」
「だからスピードが少し落ちる」
「僕の目標は、スピードとパワーの両方を備えた剣士ですので」
「だから、その剣を重いと感じないくらいに鍛えろ」
「はい」
「腕力は自分で鍛えろ。後はダッシュだ」
「はい」
「高速でのスタートダッシュ、それからの動き方については教えてやる」
「はい、ありがとうございます」
シュウは良い先生だった。
そして、僕がシュウとレイラに魔法を教える。僕も初級から中級までしか扱えないのだが…。
「風と火の扱い方を教えてくれ」
「はい」
「私にも教えてほしいのだが」
レイラは少し照れくさそうだった。
「はい、一緒に教えます」
これは、結構ハードだった。勤務の後の鍛錬が連日続くと疲れる。だが、シュウもレイラも休まずに来てくれる。僕も頑張らないといけないと思った。
レイラとシュウは上達が早かった。戦闘センスのある人は短期間で習得できるものなのだろうか?
僕が1番上達が遅かった。腕力の強化に時間がかかった。それでも、自分が少しずつ強くなっているという実感は沸いた。
「レン、頑張ってるみたいですね」
ある日、勤務中にソフィアが言った。
「これからも微力ながら精進します」
「ふふふ、どれだけ強くなるか期待していますよ」
「ありがとうございます」
同じ班のシュウとレイラとユーリが微笑んだ。レイラと訓練をすることも増えた。ユーリはおおらかな性格のようだ。これから、ユーリの世話になることも多々あるだろう。機会があれば雑談でもしたい。
「私も特訓に混ぜてもらえませんか?」
ユーリの方から特訓に参加したいと言い出した。
「あなたは回復魔法が専門では?」
「強いにこしたことはありません」
「確かに、それでは、よろしくお願いいたします」
「あらあら、全員になったわね」
ソフィアが笑った。
僕とレイラとシュウとユーリ、4人での勤務後特訓が日常になった。
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