3.日常④
飲み会で、リーからの苦言など。
「どうぞ」
とレイラが言ったのでリーは席に座った。
僕は立ち上がって敬礼しようとしたが、リーは、
「堅苦しいのは辞めよう、今は勤務時間外だ」
と言ったので、僕は着席した。
リーはウエイトレスに酒や料理を注文した。
「レン、入隊おめでとう。昨日はビックリしただろう?」
「正直、驚きました」
「我々のような武人は剣でぶつかった方が互いを理解し合えるんだ」
「そういうものですか」
「途中、4対1になったよな?」
「はい」
「気付かなかったか?」
「何をでしょうか?」
「あの4人は魔法を使わなかった」
「あ、言われてみれば…」
「魔法まで使っては瞬殺してしまうからな」
「確かに」
「あの4人が魔法まで使ったらどうなると思う?」
「考えるだけで恐ろしいですね」
「シュウと私も魔法は使わなかった。使っていたらどうなっていたと思う?」
「怖いです。言われてみると、魔法を使ったのはウェイさんだけですね」
「レイラも使っていないのだが…」
「私は魔法が嫌いなのです。隊長もご存じでしょう?」
「レイラさんはあくまでも剣だけで勝負したいんですね?」
「そうだ」
「新入隊員をいびるみたいなイベントだが、魔法を使わなかったり、こちらも考えてやっている。そのことは、わかってほしい。あれは自己紹介みたいなものだ。味方のレベルが分からないと戦いにくいだろう」
「そうですね、よくわかりました」
「それからな、レン」
「はい」
「自爆魔法はもう使うな」
「え?」
「我々の任務はソフィア様の護衛であって敵を倒すことではない」
「はあ」
「極端な話、ソフィア様を連れて逃げてもいいんだ。ソフィア様がそれで無事なら」
「はい」
「だから、自爆は禁止する」
「わかりました」
「何か分からないこととかあるか?」
「まだ勤務を始めたばかりで分からないことだらけですが…」
「そうだろうな」
「皆さんの魔法を見てみたいです」
「これから嫌でも見れるから安心しろ」
「はい」
「それにな、我々は基本的に剣士であって魔法がメインではないのだよ」
「わかりました」
その時、
「座っていいか?」
と声がした。シュウだった。
「どうぞ」
レイラが言ったので、シュウは着席した。
飲み会はまだ続く。
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