18.決戦③
部分自爆の後。
「ミー、シー、出血のせいで目眩がする。なんとかならないか?」
「短時間でしたら目眩を起こさずにすみます」
「頼む。今はまだ、戦わなアカン」
「わかりました」
ミーとシーが自分の指先を剣で切った。ほんの少し血が垂れる。
「お飲みください」
僕は従った。
「では、魔法を」
「頼む」
3分くらいして、
「私達の生気を分け与えました。しばらくは大丈夫です」
シーが言った。確かに目眩が止まった。
「生気?」
「はい、私達の生命エネルギーです」
「それはまずいんじゃないか?」
「どうしてですか?」
「もしかして自分の寿命を削ってるんやないやろな?」
「…多少は」
「それはアカンで。僕のために命を削る必要は無い。僕は戦い方を考えるわ」
「私達は、それでいいんです」
「ありがとう、その気持ちだけで充分や」
「いえ、遠慮なさらずに」
「隊長のおかげで死体部隊は壊滅しました」
「本当か?」
見ると、死体部隊が全て糸の切れた操り人形のように倒れていた。
「隊長がシンヤを倒したからですね」
「そうか、やっぱり術者がいなくなったら死体部隊を止めることが出来たか」
「隊長の作戦通りですね」
「シンヤを倒しても死体部隊が動いてたらどうしようかと思ったけどな」
「これでだいぶん助かります」
「だったらいいんやけどな」
「では、ドラゴン3体でモンスター退治ですね」
「そうだな。戦闘再開だ。頑張って自分を守れよ」
「はい」
「特にシーはドラゴンに乗っていないから気をつけるように」
「はい」
「では、僕は前衛の中央に戻る」
僕はドラゴンを操り、元いた前衛中央部、モンスター部隊のど真ん中に着陸した。
死体部隊が全滅したので、かなり楽になった。
その時、敵の中陣が動いた。
騎兵を中心に、ドラゴンをかわしながら城壁に迫る。ドラゴンをスルーされてしまった。
レンは迷った。城壁まで引き返しても乱戦にドラゴンは使いにくい。味方まで巻き込んでしまう。
それなら逆に、こちらも前衛と中陣を無視して後陣を攻めるか?
少しの間、レンは考えた。そしてシュウと同じ結論に達した。
「ドラゴンは後陣へ突入!」
と言おうとした。
その時!
「敵が王都内に侵入しました!」
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