18.決戦②
決戦の続き。
東側では、僕、ミー、ライの3体のドラゴンが敵の前衛に突入した。
東側、ルフランの前衛は死体部隊とモンスター部隊。これを一掃しなければならない。
僕が中央の死体部隊を担当。ミーが右翼、ライが左翼でモンスター部隊を担当していた。
こちらでも、ドラゴンは無敵かと思う活躍をしていたが、とにかく戦場が広い。端から端までフォローするのは大変だ。
僕はミーに近づいた。
「ミー!死体部隊を操っている術者を特定できるか?」
「はい、やってみます」
少しして、ミーが言った。
「後陣の左翼だと思います」
「ありがとう」
「どうするんですか?」
「後陣へ行って術者を倒す」
「私達は?」
「予定通り、モンスターを一掃してくれ」
「はい」
「死体部隊はなんとかする」
「お願いします」
「ほな、行ってくるわ」
僕はドラゴンで宙を舞った。上空から後陣の左翼のテントを見つける。僕は敵中に下降した。
大きなテントの上に降り立つ。何人かの兵士が慌てて出て来た。
その中に、シンヤがいた。
「シンヤ!」
「レンか!」
「逃げれると思うなよ」
「こいつを倒せるか?」
現れたのは、ロウだった。僕はドラゴンから飛び降りた。
「ロウ!生きていたのか?」
それは“かつてロウだったもの”だった。
生気の無い皮膚、腐りかかった身体。僕は激怒した。
「何故、こんなことをするんだ!」
「死体は生きていた時の能力が高い方が強いんだよ。ロウの死体は強いぜ」
ロウ?が長槍をふるってきた。確かに、強い。だが、生きていたときほど強いわけではない。それに、僕も強くなっている。
涙ながらに、僕は瞬殺でロウを両断した。
「シンヤ!」
「あばよ」
馬で駆け抜けようとするシンヤ。僕は左手を伸ばした。シンヤの顔の近くまでしか手が届かない。
「部分自爆」
僕は左腕を爆発させた。シンヤは顔を血まみれにして落馬した。ルフラン兵がシンヤを回収する。蘇生されては困る。僕はドラゴンの背に乗った。
痛い。「痛い」と叫びたくて仕方がない。左腕の付け根からの出血が止まらない。僕はシンヤを追うことを諦めてミーのドラゴンの隣に舞い降りた。
「隊長!」
「部分自爆した。回復魔法を頼む」
「わかりました。シー、こっちへ」
「シーもミーも僕のドラゴンの背に乗った。2人で回復魔法を施してもらう。
3分とかからず、ぼくの左腕は蘇生した。痛みもひいた。
「シンヤにとどめをさし損なった、あいつはいつかまた来る」
「隊長」
「隊長まで死んでしまったら困ります」
「今は、今の戦いのことだけを考えましょう」
「そうやな」
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