17.決戦前夜⑤
ライとカルラ。
居酒屋でライとカルラが飲んでいた。
「どうして俺と一緒がいい、なんて言ったんだ?」
「何のことだ」
「陛下からの恩賞の時の時の話だ」
「言葉通りだ」
「何だって?」
「お前がいないとつまらない」
「どうして?」
「本当に鈍いな」
「何が?」
「私の想いに気付いてないだろう?」
「想い?」
「私が何故いつもライの側にいると思う?」
「剣の稽古とか、飲みに行ったりとか?」
「好きじゃなければ誘わない」
「好き?」
「私はお前が好きなんだ」
「マジ?」
「気付いていなかったか」
「気付かないよ。ハッキリ言ってもらわないと」
「だから今、ハッキリ言った」
「どうしてこんな時に?」
「こんな時だからだ」
「?」
「今度の戦でお互いにどうなるかわからないからな」
「?」
「この想いを伝えないと後悔すると思ったんだ」
「なるほど」
「やっとわかったか?」
「わかった」
「それで返事は?」
「俺もカルラが好きだ」
「マジ?」
「片想いだと思っていた」
「なんだ、両想いだったのか」
「そうだな」
「レンがソフィア様と結婚するんだな」
「ああ、戦いが終わったらな」
「戦いが終わったら、私達も結婚しようか?」
「それ、いいな」
「じゃあ、約束だ」
「ああ、約束だ」
「いいお嫁さんになるからな」
「ああ、心配はしていない」
「レンみたいに側室をもつことは許さないぞ」
「しないよ。それに、レンだって好きで側室の話が出ているわけじゃない」
「そうなのか?てっきりレンは女たらしだと思っていたが」
「違う、違う。それほど女性に慣れていない。むしろ経験は少ないんだ」
「何故、経験が少ない?」
「男ばかりの学校だったからな」
「女子はいなかったのか?」
「いたが…とにかく女子は少なかったな。だから免疫がないんだ」
「現状では何人もの女をはべらせている気がするが」
「優柔不断なんだ。嫌とは言えないんだ」
「頼りない奴だな」
「ああ、頼りない」
「まあ、レンのことより私達のことだ」
「そうだな」
「戦場では私のことは気にするな」
「気にするよ。ドラゴンの後ろにいればいい」
「私は5千人長だぞ」
「それでも、必ず無事でいろ」
「わかった。お前もな」
ライもカルラもスッキリした気分で決戦を迎えられると思った。
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