15.血戦⑨
奮戦。
「死体部隊だと?」
数千人の白装束の部隊がゆっくりと歩いてくる。
「足を狙え!」
僕はドラゴンで先陣を切った。
僕は死体部隊の中央に突入した。火を吐き、腕を振り回し、蹴りまくった。踏み潰したりもした。可能な限り暴れた。屍体が本当の死体になっていく。
ミラーやセリアも斬り込んできている。だが、首を落としても動く死体に苦労する。
ミラーもセリアも足を狙っていたが、ジェーンやマリアは苦労している。馬上で剣を振るっても足になかなか届かないからだ。
「ジェーン、マリア、無理はするな」
「はい」
「わかりました」
ミーのドラゴンとライのドラゴンも大暴れしていた。僕達は死体部隊を圧倒できていた。
「このまま押し切るぞ」
「おう!」
そこへ、前衛のモンスター軍団が戦列に加わってきた。
「モンスターが来たぞ」
ミラーが言った。
「私の隊で押さえ込みましょうか?」
セリアが言った。
「ドラゴンがいないと苦戦します。私が行きます」
僕が言った。
「では、頼むぞ」
ミラーが言った。
「ジェーン、マリア、モンスター部隊を倒すぞ」
「わかりました」
「レン隊、モンスター部隊へ」
「突撃」
モンスター部隊の方が数が圧倒的に多い。ドラゴンがいるとはいえ、僕達はすぐに苦戦を強いられた。
「レン殿!」
「エイミー殿?」
「私達もモンスターと戦います」
「助かります」
エイミーの5千人が加わったことで、かなり戦闘が楽になった。
僕達はかなり善戦していたと思う。
だが、数が違った。ドラゴンがいても、広い戦場の全てをフォロー出来るわけではない。
僕達は少しずつ押され始めていた。
敵将を討ち取れば勝ち目もあるのだろうが、将軍格が存在しない戦場だった。
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