3.日常①
護衛兵の日常。
次の日、僕は勤務することにした。回復魔法のおかげで8割方回復できている。
部屋のシャワーを浴びて隊服に着替えたら、ノックの音がした。
ドアを開けた。
「今日は勤務できるのか?」
レイラだった。相変わらず目つきが怖い。でも、昨日よりは少しだけ目が優しくなったような気もする。
「ちょうど支度が終わったところです」
「なら、ついて来い」
「はい」
僕は部屋を出た。
着いたのはソフィアの書斎だった。
「おはようございます」
「おはよう、レン。昨日はお疲れ様でした」
「いえいえ、大事な訓練ですから」
「基本的に、我々がするのは姫の身辺警護だ」
レイラが説明してくれる。
「姫の側で、姫をお守りすることが仕事だ、」
「はい」
「後は、慣れて覚えろ」
「はい。よろしくお願いします」
「よろしく頼む」
レイラが“よろしく”と言ってくれた、僕は驚いたが嬉しかった。
部屋の隅で控えているシュウにも、
「よろしくお願いします」
と言った。シュウは頷いただけだった。
ユーリにも挨拶をした。
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「昨日はありがとうございました」
「いえいえ」
僕も部屋の片隅に控えた。
「レン」
しばらくしてレイラに声をかけられた。
「はい」
「背筋を伸ばせ」
「はい。すみません」
どうやらたるんでいたらしい。慌てて背筋を伸ばした。だが、僕は元々が猫背なのだ…。
「レン!」
背筋が曲がる度にレイラに叱られた。
お金をもらえるのだから仕方ない。とにかく頑張ろうと思った。
レイラに言われた。
「今日の仕事の後は私に付き合え」
「はい」
嫌な予感がした。
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