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14.戦争⑧

ロウの悲劇。

 ロウとシンヤは、ギデン城まで後2日というところまで来ていた。ロウの1万人とシンヤの3千人、そしてロウにはドラゴンがいる。ギデン城が待ちわびている援軍だった。


 ロウとシンヤはロウのテントで飲んでいた。外は激しくないが雨が降っていた。

「シンヤは卒業してから何をしていたんだ?」

「と言うと?」

「卒業後すぐに軍隊に入ったわけではないだろう。編入もしていなかったしな」

「いろいろしていた。忙しかったんだ」

「とはいえ、同期で力を合わせて敵と戦えるのはいいことだな」

「将軍と3千人長の差は大きいがな」

 シンヤはグイと飲んでグラスを空けた。

「そんな差はスグになくなる」

 ロウもグラスを空けた。

「そうかな?この国では俺は認められない気がする」

「死体を操る魔法はまだ使っているのか?」

「ああ。以前より同時に扱える死体の数は増えたぜ」

「だが、死者を冒涜するようで痛々しい技だな」

「それだよ。俺は認められないんだ。この国では」

「その考えは飛躍していると思うが…」

 ウッ…。

 ロウが胸を押さえた。言葉が出ない。

「効いてきたか、さっきお前がトイレに行ったときにグラスに毒を入れておいたんだ」

「……」

「何故って?お前の死体を持っていけば俺も将軍になれるからだよ」

「悪いが、回復魔法では治癒しない毒だから」

「スグに楽になる。もう少しだ、もう少し…」

 最後に、ロウは血の塊を吐いた。それきり動かなくなった。

「さてと」

 シンヤはロウの死体を大きな革袋に詰めた。紐を持ち、引きずるようにして運んだ。


 馬に乗ったところで、当番の兵士に聞かれた。

「シンヤ様、こんな遅い時間にどこへ?」

「ロウに言われて、一カ所偵察に行ってくる。近いからスグに戻る。詳しい話はロウに聞いてくれ」

「はい、わかりました」

「では、出て来るぞ」

「お気をつけて」


 ロウを入れた革袋を馬に乗せて、馬でシンヤは野営地から姿を消した。


 惨劇に気が付いたのはミーとシーだった。

 ロウのテントに血の塊が残っていて、ロウもシンヤも姿が無かった。


「私はドラゴンで王都の指示を聞いてくる。シーはここにいて」

「わかった」


 ミーはロウのドラゴンに乗って王都へと飛んだ。

 残されたシーは不安でたまらなかった。

 部隊の一部を使って捜索隊をだそうかとも思ったが大事にしたくないのでやめた。


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