おにぎり軍VSサンドウィッチ軍!〜昼食の陣〜
時は昼時。サンドウィッチ軍が塩むすび大名の領地へと侵略していた。
「殿! サンドウィッチ軍の奴等が予想以上に攻めてきています!」
「そうか……」
知らせを聞いた塩むすび大名は、窮地に追いやられていた。
この戦いでは既に長い付き合いだった、梅おにぎりや昆布おにぎり、おかかおにぎり達が敗北しており、精神的にも戦力的にも限界が近くなっていた。
「殿、大丈夫ですか?」
鮭おにぎりが心配してくれている。上に立つ者として情け無いな。
「正直に言って、大丈夫ではないな。戦力はほとんど壊滅している。残った兵で、たまごサンドやハムチーズサンド、そして我らには絶対に勝てないであろうあの、デザートサンドウィッチ集団……。忌々しい!」
「大変、大変です! 殿!」
「なんだ、何があった? 海苔の佃煮おにぎり」
「……ツナマヨおにぎりが裏切って、サンドウィッチ軍と合流! こちらに向かってます!」
「な、なんだと!」
ツナマヨおにぎりはわりと古参の仲だ。何故、彼奴が裏切りなんて!
「ど、どうしてサンドウィッチ軍なんかに……」
「ツナマヨサンドに、俺達は同じツナマヨだと言われそのまま懐柔されたようです。あの、裏切り者!」
「そ、そんな事が。そんな程度で、俺との仲を……」
目の前が真っ暗になる感覚が襲った。
ツナマヨおにぎりよ、あれだけ楽しくやっていたではないか!
「相手の武装がさらに判明しました。紅茶とコーヒーを主にして、牛乳やレモン、砂糖を用意して味変化もできるようです」
「勝てるわけがない! こちらには、今緑茶しかないのだぞ!」
ドンドンと悪化していく戦場、もう終わりなのか?
「おいおい、もう諦めてるのか? せっかく応援に来たのによ」
顔を上げるとそこには、たくあん大名とぬか漬け大名、浅漬け大名、そして。
「稲荷寿司将軍!? 何故ここに!」
「我々もこの戦いに参加させてもらおうか! たくあん達は元々お前達の援護する気満々だったぞ? 我らはおにぎりと共に有り! なんて叫んでいたからな。
俺はそうだな、確かにおにぎりではないが同じ米同士! それで良いんじゃないか?」
嬉しさで、涙が止まらない。この戦いはもう負けられない!
塩むすび大名は全員に大声で言い放つ。
「皆の者! これから全軍でサンドウィッチ軍を迎え撃つ! 奴等に、和みの力を見せつけてやろうぞ! 皆、緑茶を持て! 海苔をしっかり巻け! 全軍出陣だーー!」
皆様は今日はお昼、おにぎりですか?サンドウィッチですか?それとも……別の?