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宮廷の内部は金色に輝いている。ここの装飾品は前世に置いて、価値は億単位で計算されると思うと、触ってみたいという考えをやめます。私は頭を下げて父の足に従ってもっと深い部屋に向かって歩いた。あ、このじゅうたん、前世で歴史博物館で似たような写真を見たことがあります。
「宰相さまとお嬢様は、皇帝に安康を祈っています」
待っていた太監が宮殿の前に出て大声で宣言した。しばらくして、受付の太監が私たちを殿内に迎え入れました。この光景は、まるで時代劇のように私の前でリアルに演じられていて、不思議ですね。
父は他の大臣と交际ために、私を待っている部屋に置いて、そのままお酒を飲みに行きました。
皇太子妃候補の中で一番早く来た人のようです。母の話によると、候補者は十人ぐらいで、その中で一番有力なのは私と皇后の実家の姪と定国公府の令嬢の三人です。実は、小説に出てくる二人の記憶はなく、むしろ彼らの後ろの家族が、皇太子妃の位を得たことを恨み、最後に私を殺害した疑いがあります。
しかし、正直に言うと、小説は私にとって七年前に見たもので、ストーリーの大体の発展と印象的な部分以外は普通の人は覚えていないでしょう。だから、未来は誰が小説の花若琉を殺したのか分かりません。
待っている部屋に誰かが入りました。
「貴安、定国公府の林明月です」
美しい目をした女の子が私に挨拶しました。この子は、書香の家の出身の公爵令嬢です。彼女の立ち居振る舞いはとても優雅で、読書好きの雰囲気があります。年齢は私と似てすね。
「貴安、宰相府の花若琉です」
母の言いつけに従って、公爵令嬢に礼をします。公爵令嬢は家柄も地位も私の上にあります、マナーに間違いがあってはいけません。
「えっと、若琉ちゃんは礼儀正しいですね」
あ、若琉ちゃんとか、なんだか公爵令嬢と外見が違って話しやすいですね。親しみやすい性格のようで、よかった。
この時、また誰かが待つ部屋に入りました。
「あらあら、これは本の虫じゃないですか?」部屋に入る人はすごい勢いで居座っていました。本の虫?公爵令嬢のことですか?無遠慮にものを言うね。
「貴安」
公爵令嬢は冷ややかな反応を示した。
「ふん、相変わらず面白くないな人。おい、あそこの貧乏なやつ、お茶を入れてきてよ」
えっ?貧乏なやつは私のことですか?確かにその場にいる二人に比べて、私の服とアクセサリーは地味すぎ。でも、私は侍女ではありません。
「貴安、宰相府の花若琉です。お名前は分かりませんが、教えてください。」
「なんだ、お前みたいなやつが宰相府のお嬢様なのか?宮廷に入ってからずっと下を向いて、こそこそと周りを見ていましたが、何か怪しい人かと思いました。私、蕭雨だよ」
相手はとっくに私を見ているようです。蕭は皇后の実家の姓で、武将の旧家と聞いています。この人は皇后の実家の姪、皇太子妃の有力候補者であるはずです。しかし、その発言は標準的な悪役令嬢の言葉です。家で甘やかされているような気がします。これは前世から怖かったタイプで、思い切って彼女と友達になることを諦めましお。
ちょうどその時、外から宴会の始まりの鐘が聞こえてきました。
女性客たちは宴席で太后(つまり皇帝の母)に安康をあいさつすることになっています。そして今回は皇太子妃候補を見た場合ですので、私たち3人に献芸のコーナーを追加しました。つまり、皇太子妃候補の有力競争者は、ご臨席の皇室メンバーや宴席の賓客に才能を示す必要があります。この場合は前世のピアノ発表会を思い出させてくれました。
くじで公演に上がる順番を決める。私はなんと一番目の公演に上がった。この嫌な運。しかし、考えてみると、最初の公演の印象は一番弱いです。よく全部の公演を見てから、最初の公演は何だったか覚えていません。そして私の演出は、目立たない琴の演奏で、鑑賞性はあまり高くないです。琴は今世で学んだ技で、名門のお嬢様たちの必修科目の一つです。六歳の私が弾けるのは、琴の入門レベルの曲だけなので、皇帝の印象に残りにくいです。公爵令嬢の林明月が演じる才芸は中国舞踊で、皇后の実家の姪の蕭雨が演じる芸は武芸である。どちらも舞台効果の良い選択なの。よかった。彼女たちに引き立てられて平凡な私はこのまま皇太子妃の競争から引退しますならいいよね。
私が弾いているのは琴の中の基本曲「春江花月夜」です。私の古琴さんによると、この名曲は基礎の中の基礎であり、この曲を覚えたら他の曲を弾くことができるということです。つまり、入門曲ですね。間違えないように一年間練習しましたが、今は楽譜がなくても目を閉じて演奏できます。公開公演でも失礼のないレベルです。頭を空にして、筋肉を記憶させて自分で行動し、公演を無事に終えました。
舞台の下から拍手がわき起こる。多分その中は父に捧げるものだと思います。父は宰相ですから、出演してこそ応援する人がいます。
思いがけないことに、次の中国舞が出て、公爵令嬢は壇上で足をくじいた。その後の武芸の演技で、棍棒を振るった皇后実家の姪が不注意に自分を傷つけました。
宴会が終わった後、父は皇帝から恩賞を受けました。私の平凡な演出が意外にも出し抜けで会場のトップになりました。いらないですよ......