31
明月ちゃん!助けて!
慌てた私は、妹を抱いて雪山の定国公府の温泉別院に入った。
私の乱入に、明月ちゃんはかなり驚いた。
「どうしてここにいるの?」
「妹と相国寺で北国の人に拉致された。彼らの目的はおそらく私たちを使って宮廷の人質を交換することであった。いま、母も父も、私たちをあせっているに違いない。私たちが脱出したことを彼らに伝えていただけますか?」
明月ちゃんの顔色が悪くなった。
「人質?それが私の従兄だと知っていますか。あなたのお父さんは、私の従兄を危険にさらし、私の父を恥さらしにしていたのです。それでもあなだに助けて欲しい?」
彼女は手伝う気がないようだ。そんなときこそ冷静に。
「じゃ、お邪魔してすみません。私はすぐに妹を連れて離れます」
実はできれば、ぬるま湯を飲みたいです。しかし、林明月の態度から見て、彼女はもう私を友人とは思わない。ここにいても時間の無駄だ。
「待て。このままあなだを行かせるわけにはいかない。まあ、人質を交換するのはいい考えだ。あなだの父が北国と私の家族に災いをもたらしたのだから、黙ってはいられない。あなたはここで待っていて、私の従兄が交換されるまで。それはあなたのお父さんのためにもなる」
やばい。誰かに拉致されたのが、定国公府の意志だったとすれば、今私わまるで羊が虎の口に入ったようなものだ。
彼女は背の高い侍従たちを呼んで私たちを取り囲んだ。
「人質はおとなしくしていれば傷つくことはない。あきらめたほうがいい」
人を脅かす暗い面を見た。
「そっち。あなたの妹はどうしたの?」
「薬物され意識を失った。これはお定国公府の手段ではないか?私に聞きに必要はない」
「ありえない。私の父はあなたの父のように卑怯ではない。子供に悪いことをするなんて、こんなひどいことは、できない」
林明月の怒りの表情を見て、彼女が言ったのは本当だと思う。拉致は定国公府とは関係ない。
「私たちを拉致するのは定国公府の考えではないか?」
「もちろん違う。父は北国の皇室と血縁関系にあり、帰国後ずっと監視されていた。何か行働があるとすぐに発見されてしまい、ありえない」
「私たちをここに閉じ込め、宰相府に知らせない。そうすれば、私たちを拉致した犯人の味方になるのではないか?父を巻き添えにすることを恐れないのか?」
「あなたは客の身分に私の別院へ入って、私にはあなたを強要しないですよ。宰相府を知らせて?戸外の地面には雪が積もっていて、馬車も使えないのに、どうやって宰相府を知らせてでしよ?私は善意であなたを引き止めただけだ。私のいとこが自由になるまでここで待ただけですよ」
どうしよう、早く父と母に連絡しないと……
「あなたの従兄を北国から宮廷に運んだのは、あなたの父だったでしょう。あの時は人を助けないで、今になって何をするつもりですか?」
「あの時それは皇帝様の命令た。ところが、従兄は囚人車の中に閉じ込められ、街で庶民に辱められ、宮廷に入れられるとは思わなかった。これは当初の言い方とは全然違う。そもそも宰相は、従兄を招きに来たいと、父への手紙で言っていただけだった。宰相が私たちをだました」
「違う。败戦国の皇子を人質として、それわ停戦の条件の一つだ。その目的は相手の戦争予防。世間の知っている常識だ。あなたこそ、あなたのお父さんに骗された。あなたの従兄拘禁中の宮廷事は政治の意味がある。私たちの交換を通じて彼の自由に?この考えは甘かったのではないか」
林明月は私の質問に呆気にとられた。その勢いに乗ることにしよ。
「宰相府にはすでに男子の後継者がいて、私と妹は父にとって戦争を予防する手段を等価に交換する価値がない。私たちを交換用の人質にしても、役に立たない」
「いいえ。あなたは皇太子の婚約者ですから、交換する価値はある。あなたの安全が確認されない限り、宰相も皇帝も、北国の人に従兄を渡すつもりです」
そんなやり方は通用しない。私は素早く考えた。何が逃がす方法があるのか?
「正直に教えましょう。私を拉致した北国の人には、宰相府出身のスパイがある。つまり、実は私の父も皇帝様も、すべてを知っている。私、ただ小さい女の子はどうやて逃げ出したの?なぜ定国公府の温泉別院に逃げたのか。これらはすべて、偶然ではない。そやあでの目的は、あなたとあなたの家族、皇帝様への忠誠を試すことです。定国公府は、あなたの北国の従兄のために私を監禁し、人質交換を促進するのか、それとも皇帝に忠誠を尽くし、人質を自由にすることを放棄するのか。皇帝様わずっと心配していた。定国公府が忠誠か反逆かは、あなたたちの選択にかかっている」
林明月は私の言葉にひどく動揺した。
嘘をついた。そんな計画はそもそもありません。皇帝と父がどう思っていたのか、私にはわからない。しかしこの噓は、林明月の心を握りつぶすには巧みだと思う。
「あなたは出て行ってもよい、しかしあなたは決して皇帝の前で国公府の悪口を言ってはいけない。私はもともとあなたに何もするつもりはなかった。それに、従兄を交換することが反逆に等しいなんて、私にはそんな考えはない」
林明月は混乱に陥っており、言葉も論理的になっていない。やっぱりただ8歳な女の子ですからね。ちょっとびっくりしてあきらめた。
私たちを取り囲んでいた侍従は去っていった。宰相府に無事に戻ることができるように、林明月わ武術を身につけた護衛に私たちを守れると命じた。