表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰陽術の使い方  作者: 総督琉
陰陽師編
7/161

第7話 夜が明ける

 俺は意識を戻す。すると周りには鬼の死体が転がっていた。だが夜鬼の死体は無かった。


 やがて夜がふけ朝日が出てくる。くうせんの死体が魂に変わっていく。めがねと花姫の死体も魂に変わっていく。俺は魂たちをもって帰ることにした。


 門をくぐるのは容易いことではなかった。式神が三人とも死んだのだから。


 まず出迎えてきてくれたのは護衛二人だった。俺は頭を下げて謝る。そして自分の犯した罪を話す。


 護衛二人は何も言わず父上の元に案内してくれた。


「よく帰ったな、政宗よ」


「ごめんなさい、父上。……くうせんを……死なせてしまいました。」


 俺は地に頭をつけ、涙を溢しながら謝る。


「この若輩者が」


 父上は叱りつける。長き沈黙が流れたあと、父上は静かに口を開く。


「くうせんを生き返らせたいのなら、我が申すことを成してみよ」


「生き……返る!?ぜひ、ぜひ、お願い……します…」


 俺は泣きながら頭を下げた。


 生き返るんだ。くうせんが。俺の大切なくうせんが。

 もう母上のように誰も死なせたくなかったから。だからくうせん。俺は君を生き返らせる。

 それに約束しただろ。お前をこれからも笑わせ続けるって。だから俺はどれだけキツイ練習でも、君を取り戻す。


 平等院政宗。行け。進め。俺ならやれる。俺だからやれる。行くんだ。平等院政宗。


 俺は自分を鼓舞し、死んでしまったくうせんを生き返らせるために、父上から与えられる試練をこなす。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ