第6話 ごめん
くうせんとともに夜鬼に刃を向ける。
「来い、陰陽師」
「「夜鬼」」
俺らは叫びながら夜鬼に突っ込む。
刀を構え、鬼の肩に乗っている夜鬼の頭上に飛び上がる。
「夜の宴を邪魔するでない」
夜鬼は笑いながらに言った。その時、くうせんの腹が夜鬼の持っていた刀によって貫かれる。
くうせん……
「くうせん」
俺は泣き叫び、血まみれになったくうせんを抱える。
「くうせん、しっかりしろ」
「ま……まさむ……」
くうせんの声が弱々しく、俺の名前を呼ぼうとしている。それでも言えない。
「死ぬな、くうせん」
「すまないな。お前を護る式神なのに」
くうせんは微笑みながら、俺に言う。
「もっと一緒に居てくれよ」
俺はお前をもっと笑わせたかったのに………
「短かったけど……ありがとう」
くうせんは最後に感謝を伝え、消えていく。これが愛する者を失う苦しみか。二度目だというのに、なんでこんなにも胸が痛いんだ。
「苦しいな」
「くうせん。……ごめんね」
俺は目からこぼれる涙たちをとめることが出来なかった。
これで俺も死ぬのか。
恐怖が僕の胸を引き締める。これが絶望という感覚か。
夜鬼が近付いてくる。
「もう……もうどうでもいい。俺は、キサマを殺せれば命など惜しくない」
そして俺は理性を失った。