表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰陽術の使い方  作者: 総督琉
陰陽師編
5/161

第5話 ごめんね

 くうせんは鬼どもを首をはねる。一つや二つどころじゃない。既に10体は殺している。それでも鬼は減りはしない。


「くうせん…」


 俺は間違っていた。このままじゃ……くうせんは……死ぬ。


 何もできない過去の俺を嘲笑うかのように、俺は一歩一歩少しずつ歩き出す。

 くうせんは驚いた様子だった。


「ダメです、来ては」


 くうせんに止められても尚、俺は進む。もう二度と失いたくないから。あんな思いはしたくないから。


 過去の過ちが脳裏に浮かぶ。


「政宗……助けて、助けてよ、……政宗」


 過去の幻聴が聴こえる。それでも俺は己を奮い立たせ、落ちている刀を拾う。


 もう失いたくないのなら。母上のように、死んでいく者を見たくないのなら。

 戦え俺。もう何も失いたくないのなら。大切な人を護りたいのなら。進め。刀を握れ。立て。己を奮い立たせろ。足を動かせ。


「くうせん。式神は盾じゃない。 式神にだって命はある」


 だから護るんだ。だから俺も戦うんだ。


「俺の大切なお前を、俺が愛したお前を、……俺は、護ってやりたいんだ。だから、共に夜鬼を倒そう」


 くうせんは微笑み頷いた。


「行くぞ、くうせん」


 俺は失いたくない。だからくうせん。死ぬなよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ