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陰陽術の使い方  作者: 総督琉
天空の妖怪城編
34/161

第34話 式神

 俺を殴ろうとしていた百々目鬼阿修羅の拳は消滅していた。


「何!?」


 妖怪の王は驚いていた。百々目鬼阿修羅も同様だ。そして百々目鬼阿修羅の体がどんどん凍っていく。


(けだもの)よ」

「その汚い手で我が主に触れるな」


 雪女と影女が百々目鬼阿修羅に退けをとらず、戦いを始めた。


「雪女。影女。お前ら何をしてるか分かってるのか?」


「私たちはもうあなたの仲間じゃない」

「私らの主はこの陰陽師です」


 妖怪の王に雪女と影女は反逆する。


「ありがとう 」


 俺は嬉しくなり、心の奥底から湧き出す感謝を身に染みて感じていた。


「いえいえ」

「こちらこそありがとうございます」


「ヴぉオオオオ」


 感謝し合っている間にも、百々目鬼阿修羅が影女に殴りかかる。


影入(かげいる)


 影女が影の中に入った。

 百々目鬼阿修羅の拳は空を切り、お手本と思うほどの空振りをする。

 その隙を見逃さず、雪女は攻撃を仕掛ける。


雪狼(ゆきおおかみ)


 雪女が手を合わせ、百々目鬼阿修羅に向かって雪で造った狼を飛ばした。百々目鬼阿修羅は足で蹴るが雪狼が足で弾け、百々目鬼阿修羅の足が凍る。

 百々目鬼阿修羅はバランスを崩し欠けるが、体勢を整える。


「これで右手と左足を封じた」

「百々目鬼阿修羅よ。案外チョロいな」


 雪女と影女の猛攻に百々目鬼阿修羅は耐えきれなくなっていた。


「ヴォオオ……ヴォヴォ……」


 百々目鬼阿修羅はもうくたくたで倒れる寸前だ。


「そもそも体が耐えられなかったか」


 妖怪の王はボソッと呟いた。

 もう負けると判断したのか、妖怪の王はどこかへ消えていった。


「どこへ行く?」


「黙ってろ。紫天狗(むらさきてんぐ)大和大蛇(ヤマトオロチ)。あいつらを殺せ」


「はい」

「シャアアァァ」


 紫色の天狗と髪の毛が蛇の男がどこからともなく現れた。


「陰陽師。行け。あいつらは危険だ」


 紫天狗と大和大蛇はまがまがしいオーラを漂わせていた。いかにも強者って感じだ。

 多分まともに戦えば死ぬ。


「十二夜叉大将か?」


「陰陽師。分かってるなら逃げてくれ。俺も十二夜叉大将の一人だ。だから殺りあえない相手じゃない」


「でも……」


 俺は戸惑いを隠せないでいた。それを見かねた土蜘蛛は、ある行動に出る。


「もろい地面だな。風魔の霊符の用意をしとけ。"土落とし"」


 土蜘蛛は地面に手を当て、地面を溶かした。すると俺たちは天空に浮く城から落ち、空に丸投げされる。雪女と影女も一緒だ。


「やばい」


 気づいたのは空に投げ出されてから十秒後のことだった。


 (腰にあるはずの霊符の袋が無い!)


 俺たちは天空から地面に叩き落とされる。


「終わった……」

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