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陰陽術の使い方  作者: 総督琉
陰陽師編
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第3話 鬼の森

 護衛たちを振り切った俺は、安堵の笑みを浮かべる。だが俺は疲れていた。


「大丈夫ですか?」


 くうせんは優しいので、俺に気遣ってくれる。くうせんの優しさは、母上を思い出してしまう。

 俺はくうせんに心配させまいと、強がりを言う。


「もちのろんだぜ。先に進もう」


 俺たちは結構遠くまで来ていた。とりあえず護衛から奪った式神を召喚する。くうせんは心配そうに召喚された式神を見ている。もし危険な式神だったら戦闘になるからだ。

 だが俺はそんなことなど気にせず、召喚された式神たちに名を聞く。


「名を名乗れ」


 二人の式神は名乗る。


「めがねと申します」


「花姫と申しやす」


 めがねは、ただ眼鏡を掛けてるおっさんにしか見えない。花姫は和風の着物を着て、可愛らしい子供の様だ。


「今から俺がお前らの主だ」


 怖い。逃げたい。襲ってきたらどうしよう。やべーよ。召喚しなきゃよかった


 そんな言葉が頭の中を何度も過る。


「これほどまでの妖力があるとは」


 めがねと花姫は感心していた。何に感心しているのかは、政宗とくうせんには分からないことだった。


 だが、周囲を見渡した花姫は驚いたように口を開く。


「それよりもここは鬼の森やがな」


「鬼の森?」


 鬼の森は名前の通り、鬼が根城としている森だ。


「夜になればここら一帯は、鬼で溢れかえります。」


 もう日が落ちてきてる。耳を澄ませば鬼の足音が聞こえてきそうな恐怖が周囲を錯乱する。


「急いで、喰われるで」


 花姫は皆を急かさせる。俺たちは必死に走る。そこでひとつの古い家を見つけた。

 インターホンでも押そうかと思ったが、時間もないのでドアを開け、静かにお邪魔する。


 家には……誰も…いない?


「これでひと安心やわ~」


 花姫は窮地を逃れたと思っているのか、玄関で仰向けに倒れた。だが、俺とくうせんは違和感を感じ取っていた。

 玄関には靴が一足も無く、家具もほとんど無い。普通ならありえない。


 何か…怪しい。


 だが気づくのが少し遅かった。鬼の足音とともに、俺たちが逃げてきた家が壊れた。

 そこに5メートルはあろうかという鬼が、家を壊して入ってきた。肩に金髪の男を乗せている。他にも3メートルほどの鬼の集団がこっちへ来る。


 俺たちを嘲笑うかのように、鬼の肩に乗っていた男が喋る。


「初めまして。夜鬼(やき)と申すんだが、とりあえず死ね」

今回の式神


・めがね

………オッサンのような見た目だが強いぞ。霊器は銃。


・花姫

………和風の着物を着ている子供。霊器は扇子。


霊器解説


霊器とは幽霊が自由に出せる武器等のこと。

霊器は様々で剣や銃、鳥や水など様々だよ。

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