第17話 酒天童子
俺の拳を酒天童子が流れるように受け流す。そして酒天童子は軽く俺の腹に蹴りを入れる。
俺は軽く後ろに吹き飛ぶが、倒れはしない。
「素早いな。酒天童子」
「お前の動きが読みやすいだけだ。その程度じゃ俺には、都市神を倒した俺には敵わない」
こんな奴に負ける訳にはいかない。
滅を繋げ酒天童子を滅する。滅を繋げ。繋げ。繋げ。
「滅鎖」
指から火が出て、鎖のように繋がれ空中を揺らぐ。俺は滅鎖を振り回す。
「滅の鎖の完成だ。当たれば死ぬぞ」
「脅しのつもりか。まだまだだな」
酒天童子はまた酒を取り出す。
「白鹿」
酒が形を変え白い鹿になる。白い鹿がこっちに突進してくる。
「させるかよ。滅鎖」
俺は白鹿を蒸発させる。形は変えてもやはり酒だな。
「百行飛び」
くうせんが飛ぶ。
「白刃微塵」
くうせんが酒天童子を粉々に斬った。かに見えた。
だが斬ったのは鬼だ。ただの鬼。酒天童子でもなんでもない。
その時、粉々に斬られた鬼の腹を貫通し、剣がくうせんに牙を向く。くうせんは空中にいる。万が一にも避けられない。
「木、"台"」
木の根をまとまらせ、大きな足場を作る。くうせんが木の根の足場を利用し、再び高く飛ぶ。
「白刃一閃」
くうせんの刀が酒天童子の体に傷をつける。左肩から右の脇腹にかけて。
すると酒天童子は怒り出す。酒天童子はまたまた酒を取り出す。と思うと酒瓶を割り空にぶちまける。すると酒が鳥の形に変わり空へ舞う。
「鳳凰美田」
空に飛んだ鳥達が、地面に降り注ぐ。
「嘘だろ」
さすがにこの数は避けられない。周囲を酒の鳥で覆われている。
「土、"三重壁"」
土をドームのようにし三重で自分達を囲み、くうせんはカグレを抱え土の中に入る。
「くうせん、来い」
くうせんが土の中に入るとともに鳥が降ってくる。土が悲鳴をあげているかのようにひびが入る。まだ止まない。
「このままじゃ……壁は壊れる」
「鬼殺し」
酒天童子が酒を割り土の壁に投げた。酒は爆弾のように辺り一面を吹き飛はし、爆発は止まらずこっちにどんどん周囲を破壊する。
「酒天童子め……」
俺の叫びは爆発音に掻き消された……




