親友と合流する
ログアウトして親友に電話する。何故か自分の部屋なのに妹の端末が置いてあるのはこの際気にしないようにして
僕は自分の端末を手に取ると幼稚園から関わりのある薄情な友人に電話をかけた
薄情な友人らしく一向に出てくれる気配がない
これで3回目だ、次で最後にしよう
そうしてもう一度同じ手順で電話をかけた。しばらくすると出たようだった
「依織か、なんだ?」
「なまえもみためもわからないから、さがせない」
「ああ、そっか、俺教えてなかったな…教えてたと思ってたんだけども。」
「おしえてもらってないよ」
「俺はリゲルっていう名前でやっている、暗殺者みたいな黒いフードの人だと思えばいい」
「あんさつしゃ?あさしん?」
「似たような奴かな、あと暗殺者とアサシン意味ほとんど同じだぞ。それで?依織の名前はなんだ?」
「すすき」
「すすき?」
「うん、すすきってなまえ、ひらがな」
「わかった。庭園集落にいるか?」
「うん。いるけど」
「わかった、そっち行くから待ってろ」
そう言って電話は切られてしまった。行くんだってさ。
よかったね。探さなくて済むよ。
僕は端末をテーブルの上に置くとベッドに上向きになってVRリングを起動させて目を瞑った
再び庭園集落スクルドにログインした。
「ただいま」
ギルドメンバーになる予定の2人は律儀に待っていてくれているようだった。
「で?結果はどうだった?」
最初に問いかけてきたのはヱメさんの方だった。
「こっちにくるって。」
確かに来ると言っていた、いる位置教えていないはずなんだけども
「そうか、よかったな。」
「うん。」
「それでよかったらなんだが俺らのギルドに入らないか?」
再び Lawlot のギルド申請が飛んできた。
ギルド LawLot に入りますか?
・承認
・拒否
僕は承諾を押した。
「こんごともよろしくおねがいします。」
「よろしくな」
「ああ、よろしく。」
そう言われて軽く頭を撫でられた。
しばらく3人でギルドの説明とか
ギルドチャットしていると黒い人影がこっちに走ってきた。
確かに暗殺者の様な風貌をしている。
「すすき」
「…リゲルか。」
「すすきをLawlotに入れたのか…」
「そうだ…」
リゲルは片手に双剣を構えているしヱメさんも薙刀を構えている。
薙刀って結構攻撃するのが難しそう
1番最初に反応を返したのはヱメさんだった。
なんか火花がちっているように見える
「なかわるいの?」
僕は首を傾げて2人を見上げる。
「ここではやめよう。すすきが気にするかもしれないからな。」
リゲルはちらっと僕に目を合わせるとそう言った。
「わかった」
「え?何?この2人に因縁でもあるのか?」
見ていてそう思うよね
僕の隣にいたシャトスさんも混乱していた。僕も同じような感じなんだけども
☆☆☆
初期庭園集落らしい、Lv.30帯が3人集ってると注目されてきたので逃げることになった
歩いてきた市場の道をもどって後ろにあるウィンドウから
「まずはレベ上げしないといけないな」
僕を抱き抱えているリゲルはそのまま走りながら考え込んでいた。
「初心者のレベ上げはまず海岸だろう。」
「海岸だよな、というか今のすすきのレベル考えるに妥当だよ」
どうやらやっぱりチャルート海岸が妥当らしい。1番最初のログイン場所でもある。
しばらく歩いてチャルート海岸に戻ってきた。
僕の装備は未だに初期装備の剣だから多分スラッシュくらいしかスキルは使えない
さっき剣のスキルを見たけどスラッシュと突きのみだった
おそらくこれが剣の初期スキルなのだろう。
「このげーむってれべるあげればすきるつかえるようになるの?」
僕は気になっている。というか答えてもらわないと不安にすらなる疑問を3人に投げかけた。
「ん?そうしなきゃ冒険できないだろ。」
御尤もで。
「大体5レベくらいあげればポイント制によってスキルの分岐かできるようになる、クラス分類がない分スキルが多いから武器とレベルの条件に合うのをセットすることで使える。」
ヱメさんからは割と使い方まで込みで答えられてしまった。
このゲームってどういう仕組みなのだろう。
とりあえず周りにいるトルルパーを1回狩ってみようと思った。
僕は剣を構えると初期スキルであるスラッシュを使ってトルルパーに攻撃した。
僕の攻撃は体力を半分削った。
最初だからだいたいこんなもので。ヱメさんとかその状態になると僕も強くなれるのかもしれない。
トルルパーは下を伸ばすと僕に攻撃してきた。
頭を叩かれたけど結構痛い。輪ゴムみたいな感じだった。体力は約4分の1程度削られている。
もう1回僕は構えたままの剣でスラッシュを繰り出した。
トルルパーは倒されたようで青い光を帯びて点滅するとアイテムを残して消えた。
滑る薄皮 x01
「初勝利おめでとう。」
「このげーむ、けっこうてきつよくない?」
「まあそうだな。」
「ベータだし正式版になれば調整辺り来ると思う。」
「これでもいいんだけどな。」
ヱメさん的にはこのままでもいいらしい。
僕にとっては初期の敵で体力4分の1くらい削ってくるのは結構辛い。
ホロウはまだ6分の1だったから大丈夫だったけどこのゲームは気軽にレベル上げれなさそう…
「1桁レベル帯は割とすぐ上がるからその不安もなかったことになるはず…」
「回数的にあと2回くらいじゃね?」
あと2回倒せばレベルは上がるのか。僕は再び剣を構えてトルルパーにスラッシュを繰り出した。
トルルパーはスラッシュを受けるとさっきと同じ攻撃をしてきた。
僕はトルルパーに向かってスラッシュをもう1度返した。
トルルパーはさっきと同じように点滅すると素材を落として消えていった。
滑る薄皮 x01
僕はもう1度剣を構えてトルルパーにスラッシュを繰り出した。
攻撃を受けたトルルパーはさっきと同じ攻撃をしてきた。
もう1回スラッシュを繰り出すとトルルパーは消えた。
滑る薄皮 x01
『すすきはLv.2にあがった。』
本当にレベルがあがった。
レベルが上がると体力回復もされるんだ。現在の僕の体力は22増えて122
さっき食らった限りでクリシープは120から131ダメージくらいだったはず。
クリシープに挑めるかといえば微妙なのでもう少しトルルパーを狩っていようと思った。
そういえばレベルが上がったといえばステータスも振らなきゃいけない。
にしてもステータスってどういう風に振るのが適策なんだろうか…
現在位置:庭園集落スクルド→チャルート海岸
TIPS:Lv.1のHPは100、SPも100。
HPはヒットポイントを意味する。体力です。
SPはスキルポイントを意味する。技力です。
スキルポイントはゲームによっては
MP、多分マジックポイント?呼ぶのもあるけど
マジックポイントは魔力。
つまり魔法系しか使えない気がして嫌なので
このゲーム内ではスキルポイントです。