初めての戦闘
とりあえずシュベルン草原を見渡すと向こうまで柔らかそうな草が広がっている。
空は雲ひとつない晴空で色鮮やかな青色。
そこら辺には可愛らしいクリシープとかいうモンスターがちらほらと。
可愛らしいけどさっきのトルルパーと同じくらい。
僕が乗る気になれば騎乗出来るかもしれない
もふるにはきっと従魔技能が必要なのだと思う…
それか不可能か、不可能だったら悲しい…
それ以外には何も敵は見えなかった。でもきっと向こう側に他の敵がいる。
クリシープはこっちに気付いていないようで目の前を悠然と通り過ぎて行った…
これゲートに入ってこないのかな…
そう持って後ろを見るとウィンドウは現れたがゲートは消えていた…
やっぱり消えるんだ…
戻れなくなりそうで不安だけど多分大丈夫だと思いたい。
そもそもベータ版らしいしそうなっても後で対処してくれるかもしれない。
というかこのゲーム…そのまま向こうまで行ったら街なのかな…
NPCは…右上に2人…その場所がどうも街っぽいような感じがする…
そうだ…僕は剣を構える。クリシープに向かって攻撃した。
これ他のクリシープに攻撃するとタゲられそうな気がする。
攻撃したクシリープは全体力の大体3分の1が削られていた。
クリシープの攻撃。攻撃からか後ろに下がると勢いよく僕に向かって体当たりしてきた
僕は周囲を見ていたからか避けられずに体当たりを食らってしまった。
120ダメージ、この数値は僕の体力を削り切るに十分の数値だった。
淡い光を出して僕は暗転した。
目が覚めると目の前には草原が広がっていた。
周囲にはクリシープが沸いているからきっとシュベルン草原なのだろう。
うーん…死んだ気がしない。けれども実際一度は死んだのだろうと思う根拠はある。
チャットには『クリシープに倒された』としっかりと文章表記されていた。
とりあえず、戦闘はどんな感じかわかったからこれでいいと思う。
そういえば薄情な友人に未だに名前伝えてなかった気がする…
VRといえど全年齢いてその全年齢が様々な姿で偽っているから…
このゲームにリアルモジュールなんてものは存在しないから見付けられない可能性もある
その場合、友人が悪いんじゃなくてこのゲームのシステムが悪い事になるけども
薄情じゃなかった友人はなんて名前にしたんだろうか…
というか前からやってるなら知ってる人は居そうだけど名前はお楽しみって言われたし…
教えてくれたって良いじゃないか。
やっぱり薄情じゃない友人は薄情なのかも知れない。
それはそうと目の前を遮ったふわふわのクリーム色の羊毛に再び手を突っ込んでみる
『めぇえ』という鳴き声と共に別の羊毛に突撃されて飛ばされて死んだ。
131ダメージ、さっき死んだ攻撃よりもダメージくらった…
気が付いたら草原、2回目の死である。
なんか近くで狩っていたっぽい上級者さんらしき人が馬鹿を見るような目で見ている…
まあ、馬鹿な事をした自覚はあるんだけども…
「こ、こんにちは…」
僕はおどけながらプレイヤーさんに挨拶をする。
プレイヤーさんは何も言わずこっちに近付いてきた
しばらくしてプレイヤーさんは僕の前で立ち止まった。
「こんにちは。」
僕より身長がずっと大きい。上を見上げる。
薄情な親友と身長が同等くらいで金髪緑目の美青年
ずっと僕の頭を撫でようとしては手を震わせながら戸惑っている。
なんか可愛らしい。と思った僕は馬鹿なのだろうか…
「こんにちは…」
「初心者さんかな…、俺はヱメっていうんだ。」
ヱメっていうんですか…
そんなヱメさんに僕は上を見ながら返答を返す。
「さっきはじめました…いちじかんくらいまえに…」
海岸歩いてただけだし大体1時間くらい前で合ってるような気がする。
時計表示ないからわからないけど
「うーん…何レベ?…」
「まだれべるはいちなんです…」
少し考える素振りを見せるとレベルを聞いてきた。
僕は真面目に質問に答える
「Lv.1は…ここの羊はちょっと辛いかもしれない。海岸のトルルパーを倒すといいよ」
真面目な顔で真面目なアドバイスしてきた。確かにクリシープは強いような気がする。
「ぼくは…ともだちとまちでまちあわせしてるので…」
「街か…案内したいのは山々だけど羊毛収集しなきゃいけないしな…」
少し悩むような表情をすると思い付いたようだった
「あ、俺らのギルドはいる?」
ギルド勧誘なんてそんな簡単にしていいものなのだろうか…
「ますたーさん…?」
「いいや、俺はサブマスだけどな。」
サブギルドマスターさんも勧誘権限持ってるんだ…
とりあえず入っておいた方がいいのかな…?
僕は警戒した態度を取る
こんな体に話しかけてくるのはロリコンさんではないかと。
僕は人よりも成長が少しだけ遅いからロリコンや誘拐犯には目を付けられやすい。
妹たちよりも僕の方が小さい子に見られるのも少なくない。
脳裏に嫌な記憶が蘇る。
けれどゲーム内なら誘拐される心配もなければ偽り切れば誰にも本体はバレない。
あまり身長が合わないと身体の方がついていけなくなるから変えてない。
「ろりこんさんですか?、であいちゅうはにがてなんで…」
「あぁ、警戒しなくていいよ、うーん…ギルマスに会いたい?」
「あってもいいけどまともなひとではなさそう…」
「まともな人だって。このギルド女子もいるから」
まさか此奴、心を読んだのか…?
それとも声に出ていたのか。
「そういえばこのゲームはキャラクター自由に作れるからな。ロリコンだったら美青年にしないよ、ロリコンだったらロリにするよ。」
一瞬大丈夫かなと思ったけど文章が危なっかしい…
「びせいねんでもろりこんのかのうせいはあるんですが…」
人類みんなにあることだ。僕は嫌な記憶から人の視線と警戒心には酷く敏感だ。
「信じてもらえない?」
『ラウル、羊毛狩りやめていいか?』
突然別の人の名前でてきた。おそらくギルチャと間違えたのだろう…
『間違った』
「らうる…ってだれ…です…?」
「ラウルはうちのギルマスだよ。」
そもそも羊毛は何に使うんだろうか。考え付く限り装備とかありえる。
「序にギルド入っていいってよ。」
突然、ギルド入隊の通知の音が鳴った
ギルド LawLot に入りますか?
・承認
・拒否
「とりあえずほりゅうでいいですか…」
「何時でもいいよ。」
僕はそのままギルド勧誘のウィンドウを閉じた。
現在地:シュベルン草原
ベータテストは何処かのゲームを参考にしました