資料8~エルミナ王国、師団と連隊、言語、ハイサイソックス&ハイサイブーツ
・エルミナ王国
エルミナ王国はシル川とアム川流域一帯を領域とする王国です。
この地区は温暖で水源豊かなので大陸でも有数な肥沃の大地となっており、この実り豊かな地区を指しマーワラーアンナフルという別称があります。
王都はアイダール湖畔の都サマルカンド、現国王はオストラゴス・フォーラ・コーカンド三世です。
独立を主導したのは、ラグナ族別派のランス族です。彼らは、ラグナ族が最も優れた種族なので世界を導くべき存在である。というラグナ族第一主義の思想を持っており、多種族国家となったアスンシオン帝国の政策に反発して独立した比較的新しい王国です。
しかし独立したといっても、アスンシオン帝国との関係は深く、王族同士の血の繋がりや経済、文化面などでも交流関係は強いです。
逆に言えば交流が深いからこそ、権益が対立しやすく、両国の間では大小の抗争が絶えません。
政治的にはアスンシオンに近い封建体制です。貴族の位階は太守、騎士しかありません。太守は少ないですが、騎士は国内に多くいます。特色として女性でも王や太守、騎士になることができます。
立法は、騎士達によって開催される議会が担っています。議長は国王が務め国内の法や裁きを決めています。この会議は、騎士同士の権利に差はないので、円卓議会と呼ばれています。
太守は都市などを治めていて、独自の太守令を出す事が出来ます。太守でも騎士でもない市民に参政権はありません。
騎士は仕える太守を自分で選択し、財産や参政に関する権利が保障されています。彼らは自分の意志で自律した判断で行動できるため、エルミナを構成する騎士は国家の基盤になっています。よって、エルミナ王国は騎士の国という別称もあり、ランス族のランスという名称は、騎士が主に持つ象徴的武器から来ています。
軍隊は14個師団がありますが、内部の編成はアスンシオンとは違います。
エルミナ王国には、“陽彩”という特殊能力を持つ娘達だけで構成された“聖女連隊”という部隊があります。
“聖女連隊”はエルミナ王国の持つ最強の兵科としてその名を大陸中に轟かせています。
また、騎士身分の者達で構成された騎兵部隊も有名です。
他に法兵連隊や航空騎連隊も持っていますが、このあたりはアスンシオンと似たような感じです。
シル川下流域はアスンシオン帝国、シル川上流域はハイランド王国の領域です。
アラル海、カスピ海と繋がるサリカミシュ湾に港湾を持ちますが、海軍はほとんどありません。
西の隣国ティルス王国はラグナ族別派のティルス族の単一民族国家で、商業主義の海軍国なので、農業主義の陸軍国であるエルミナとはそれほど国益を争う事とはほとんどありません。
ヘラート川を隔てる南の多種族国家のファルス王国とは、昔から仲が悪いです。アスンシオン帝国は多種族国家といっても政権の運営基盤がラグナ族による国ですが、ファルス王国はラグナ系のトルバドール族であるものの、混血が進んでいて純粋なラグナ族系統とはいえなくなってしまっているためです。
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・師団と連隊
本作の世界では、師団や連隊、軍事的な用語が我々の時代のものとはやや違う場合があります。
まとめて用語を解説します。
「師団」
単独で作戦行動を行える国ごとに指定された単位です。動員される都市単位で第一、第二と編成されます。
本作の世界に軍団という単位はありません。
「連隊」
同一の兵科で構成された都市での訓練学校の単位です。本作の世界では、連隊は人数の単位ではありません。
たとえ10人しかいなくても兵科が同じで訓練されている単位が同じであれば、連隊と呼ばれます。
都市単位の場合が多く、連隊ごと師団に加わる場合は、その連隊の呼称をそのまま使う場合もあります。
※“聖女連隊”は、全員がエルミナ王国の王都サマルカンド市にある聖女連隊学校で教養されている部隊ということになります。
※カラザール歩兵連隊は、カラザール市にある歩兵学校で教養された9000人の歩兵部隊です。その連隊ごと第10師団に所属しています。
「旅団」
本作の世界での戦闘団、または独立で戦闘可能な混成団です。師団の下に戦闘団として編成されたり、師団に付随して作られることもあります。
文化的な共通性から、同一の種族だけで構成された異種族部隊を旅団として扱う場合があります。
師団は国が指定した都市を基準とした独立で作戦行動を行える部隊、旅団はそれとは別個に作られるその他の独立で作戦行動を行える部隊です。
※カウル族旅団は60000人おり、通常の師団より人数が多いですが、都市を基準とした単位で編成されたものではない独立部隊なので、カウル族旅団なのです。
「師団長」
師団の司令官です。
「師団参謀」
師団長を事務的にサポートするのが役目です。補給や武器、人員の管理など裏方の仕事が多くなります。本作の世界には会計係、人事係、監察係のような部署はなく、すべて参謀がやりますので職務は多岐にわたります。参謀長、副参謀長、参謀と複数の人数がいます。
「大隊」
師団の実働部隊である部隊です。1000人単位で、第○○大隊と呼称されます。12000人歩兵がいる部隊なら、第12歩兵大隊まであることになります。
指揮官は大隊長です。
「中隊」
100人単位の部隊です。兵科部隊の総員が1000人に及ばない場合、大隊が置かれずに中隊から始まることもあります。
大隊内でも大隊の定数が1000人の場合は第10中隊まで分割されて呼称されることがあります。
指揮官は中隊長です。
「小隊」
10人単位の部隊です。中隊の定数が100人であれば、やはり中隊の中で10に分割されて呼称されることがあります。実働部隊として前線で活動します。
指揮官は小隊長です。
「歩兵」
戦場で最も人数の多い兵科です。本作の世界では銃器がないので、武装は金属鎧と槍が多いです。
歩兵は弓を持つか、盾を持つかで選択肢が分かれます。弓を持つと盾が持てず、盾を持つと弓が持てません。
盾は防御に有効ですが、法撃に対しては無力です。逆に弓は法兵に対しても反撃可能ですが、近接時には使用できず弾数や熟練を要するのでどちらを選択するかは難しいところです。
この区分を明確にした場合は「装甲兵」「盾兵」「弓兵」「狙撃兵」などと呼ばれる場合もあります。
「騎兵」
馬を使用する兵科です。本作の世界でも極めて重要です。
「法兵」
法撃魔法を使用する兵科です。他項目の法兵を参照してください。
「航空騎兵」
“ヴェスタの加護”に守られた者達が運用するユニコーンに騎乗した乙女の部隊です。他項目の航空騎兵の項目を参照してください。
「工兵」
師団の陣地設営、道路、橋梁建設、もしくは敵のそのような施設の破壊などを行う部隊です。
「補給兵」
師団に補給、物資の輸送を担当する部隊です。
「衛生兵」
師団の医療、看護を行います。
「偵察兵」
監視、偵察と部隊間の連絡を行います。
「特科」
通常の部隊とは別に、各国には特別な種族や能力、装備で構成された特科部隊が存在します。
エルミナ王国の“聖女連隊”などは特に有名です。
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・言語
本作の世界で話されている人類の言語は、基本系統に関してはなぜか一種類しかありません。
この言語は“wiki”と呼ばれています。
様々な言語がごちゃ混ぜになっているような言語で、文化別に整然と区別されている、我々の文法からすれば酷く乱暴な言語のように思われるでしょう。
実際のところ、言語が混ざることはありえます。極めて長期間、人類全ての間で使用されている間に混ざってしまったものだと考えられています。
それは、おそらく「フィンブノーヴェルの冬」と地下宮殿で暮らしていた極めて長い閉鎖生活が関係しているものと思われます。
また、黒の石板による記述の言語である点も大きな影響を与えているでしょう。
ただし、系統は同じでも、文化によって語彙の使用頻度に大きな差があり、習慣も違うため、文化が違うと意思疎通はかなり困難です。
それは、会話の内容は一応伝わるが、細かい言語や習慣が違うため、細密な議論はできないということです。
本作「プリンセス・タクティクス」中でも、ラグナ族の帝国であるアスンシオン帝国の言葉が標準的に伝われていますが、ムラト族などは普通のラグナ族が理解できない単語を発する事があります。
しかし、それはあくまで、ムラト族言語ではなく、ムラト族用語なのです。
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・ハイサイソックスとハイサイブーツ(衣類)
ハイサイソックスとハイサイブーツは、本作の世界の女性が履く靴下と靴です。
どちらもミニスカートまたはミニタイトスカート、若しくはスリット入りのタイトスカートと合わせて着用します。
膝上のニーソックスやブーツよりもさらに深く太腿の中間以上まで丈があります。
この靴下または靴は、脚が細くて長くないとすぐにズレ落ちてしまうため不格好となり、脚の体型に自信のある女性しか履く事はできません。
ラグナ族を始めとした美形種族の数々はこの靴下または靴を容易に履きこなし、特に太腿を露出する必要がある航空騎兵では標準的な装備です。
しかし、履く人を選ぶアイテムですので、脚に自信のない場合、無理は禁物です。




