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資料5~航空騎兵、法兵、アスンシオン帝国の貴族制度、バスケット

・航空騎兵

挿絵(By みてみん)


 空を飛ぶ能力を持つ馬、ユニコーンに跨る空飛ぶ騎兵です。


 空を飛ぶ馬、というと羽ばたくための翼の生えた馬を想像しますが、本作の世界(ドミネイト)では少し違います。ユニコーンの羽は外付けの皮膜であり、骨格と筋肉によって翼を羽ばたかせるような飛翔能力はありません。


 ではどうやって飛行するのかというと、法兵が使用する法弾と同じようなエネルギー発生装置である、法力エンジンを羽に備え付け高エネルギー結晶(マテリア)を燃焼させることにより、その噴出させたエネルギーの推進力で飛翔します。

 つまり、一気に加速して慣性で飛行するのです。この加速と慣性による滑空によって飛ぶので、ジェットというより、ロケットに近い機構といえます。


 法力エネルギーの制御は極めて難しく、ユニコーンはPN回路と同様の能力を持っていてそれを行っているといわれています。ユニコーンだけならそのまま飛行する事が出来ますが、騎手を乗せて目的を持って飛行する場合には、騎手が制御する必要があります。


 ユニコーンの騎手には、“ヴェスタの加護”に守られた者、つまり処女しかなることはできません。

 理由は、このユニコーンのPN回路と同調させ制御するために、処女の持つ“ヴェスタの加護”が必要だと言われているからです。

 ユニコーンは全て雄で、人間の若くて美しい娘が大好きです。彼らが乙女を好むのは、単にそういう性格だから、という説もあります。


 維持や運用には極めて高コストの兵種ですが、飛行能力は偵察、奇襲、連絡と様々な局面で極めて有用な兵種のため、各国とも部隊ごとに独自の名前をつけた少数精鋭の部隊として運用しています。


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・法兵

挿絵(By みてみん)


 本作の世界(ドミネイト)には火薬がありません。

 マメ科の根に共生していたαプロテオバクテリア綱リビゾビウム目の空中窒素固定菌が進化し、空気中に進出して多様に変化したために、不安定な窒素化合物はすべて無菌状態でないとその科学的性質を維持できないようになってしまいました。

 火薬は窒素化合物です。火薬に蓄えられているエネルギーは全てこの進化した窒素固定菌によって、燃焼反応を起こさない物質に変えられてしまうのです。


 火薬がない代わりに、“真珠”、“琥珀”、“翡翠”と呼ばれる高エネルギー物質(マテリア)が存在します。これらは化石燃料時代の宝石類とは違う物質で、それぞれ海中、植物中、地中の微生物が合成、結晶化させて貯蔵した物質です。


 法兵はこの高エネルギー物質(マテリア)から精製した法弾を使用して、自身の体内にある|PN回路《polynitrogen cycle》で燃焼、制御する事で、法撃を行う事が出来ます。

 この火力は凄まじく、戦場において極めて強力な存在です。そのため、各国とも法兵連隊を整備し、さらにこの高エネルギー物質(マテリア)やPN回路を専門に研究する学問、魔法物理工学が存在しています。


 PN回路は先天的な才能による部分が大きく、さら運用の際に金属製の物質の着用を嫌います。

 また、PN回路は、燃焼に関しては女性の方が強いといわれていますが、制御に関しては男性の方が優れているともいわれており、魔法物理学者の間でも意見が分かれています。


 本作の世界での法撃の火力は、金属製鎧で武装した兵士を薙ぎ倒すほど極めて強力ですが、誰でも使えるわけではありません。また法弾の供給量もそれほど高くないので、物理兵器である弓や弩が現役です。そしてそれに対抗するため金属製の鎧や盾も現役です。

 法兵は金属製の鎧を着用できないため、弓や弩の攻撃に脆いという欠点があります。


 ちなみに、窒素化合物がないので窒素肥料もありませんが、本作の世界で植えられている穀物や果物などの類は、ほぼすべて空中窒素固定能力を持つ菌と共生しています。


 地球では酸素による革命がありましたが、本作にはさらに窒素による革命が起きているのです。


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・アスンシオンの貴族制度


 アスンシオン帝国には、貴族という世襲の身分制度があります。


 貴族は、皇家に忠誠を誓っている家柄という意味で、名誉であると同時に称号です。

 そのため家名の前、つまり姓の前に位階に応じた爵姓が付きます。

 帝国貴族の位階は4段階あります。


1.公爵デューク、紋章スペード

2.伯爵コンテ、紋章ハート

3.子爵ヴィス、紋章ダイヤ

4.男爵リッツ、紋章クラブ


 貴族家にはその位階を表す紋章があります。それはトランプのスートに対比しています。

 帝国の公爵家は、テニアナロタ、アティラウ、プルコヴォ、バイコヌール、カザン、ニコリスコエ、オムスクの7家しかなく、七公爵家と呼ばれ絶大な権力を誇っています。


 帝国の貴族の当主は男子しかなれません。名前を呼ぶとき、公爵は公、伯爵は伯、子爵と男爵は卿と敬称をつけます。

 貴族院には、公爵と伯爵には自動的に議席が与えられています。子爵と男爵の議席は、貴族の推薦数で決定します。推薦は1貴族家につき1つですが、具体的な選挙を行うわけではありません。

 貴族院には、付属機関として貴族審査委員会という諮問機関があります。

 これは、貴族の家督相続に認定や、重婚の認可、貴族の間のトラブルの調停を行う機関で、婿養子や正式な妻の子ではない庶子への相続の場合は、それが必要であるかどうかを審査します。

 貴族として皇家に対し、不忠な行動があった場合の裁定も、この貴族審査委員会が行います。

 当主は1人だけが相続します。生前相続はできません。

 貴族は当主からみて血族の三親等までと決められています。そこまでは一族として当主が財産の管理をすべて行うことが出来ます。

 一番問題になるのが従兄弟で、未成年のうちは当主の被保護下にありますが、成人すると貴族からは外れます。

 そのため、独立しなければなりません。ただし、極めて名誉ある貴族の場合は、分家が認められる場合もあります。


 貴族には、貴族特権があります。

 当主には、重婚が認められます。ただし、いくつかの条件があり、例えば男子がいない、妻に子供が出来ない、家督を残す必要のある程重要な家柄である、などです。

 貴族は相続税と固定資産税が免除されています。帝国は相続税がとても高く、貴族並みに権勢を振るう大商人でも、だいたい一代限りです。ですので、その場合は会社の資産にしてしまいます。

 貴族は広大な領地や資産を持っている場合があるので、その家柄と権勢を維持するためにこれらの優遇措置は必要だと認められています。

 帝国の男子に兵役義務があり、18歳から22歳の間、徴兵されて軍役に付きますが、貴族には兵役義務がありません。


 ただし、貴族家は、兵役の義務はないのですが、必ず誰かが軍役に付いていなければなりません。一族の誰かが軍人にならなくてはいけないのです。

 ですので、通常は、当主、そして次期当主候補は士官学校に入ります。


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・バスケット (娯楽)

挿絵(By みてみん)


 バスケットは本作の世界のスポーツです。我々の世界ではバスケットボールという名前で呼ばれているものと同じです。

 ルールもまったく同じですが、唯一違う部分は女性のユニフォームです。

 バスケットをプレイする女性は、チアガールという服を着ています。


 これは、黒い石板モノリスオブタクティクスを解析した時に、化石の文明時代にバスケットボールをプレイしていた試合会場のコート内では、女性は皆このチアガールを着ていた事が判明したことによるものです。

 そのため、本作の世界の住人は何の疑いもなく、女性はチアガールのユニフォームがバスケットをプレイするための伝統的な服装だと考えています。


 アスンシオン帝国でバスケットを好むのはヴァン族とラグナ族です。男女とも複数のチームがあり、子供達の間でも盛んです。

 これらの種族以外では、あまり人気がありません。

 もちろん、ヴァン族とラグナ族の男性は背が高く、他の種族はシステム的に不利というのは原因としてありそうです。

 ただし、これはあくまで平均的な話であり、他の種族のバスケットチームも少ないながら存在します。


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