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資料4~ヴァン族、アヴジェ族、タイキ族、オーク族

・ヴァン族 R.urthr var.vanadis

挿絵(By みてみん)


 ヴァン族はオビ海周辺の島嶼、湖岸地帯に住んでいるR属の人間種です。ラグナ族と同じR属ですが、ラグナ族ではなく、別の種族です。

 ヴァン族の男性は身長2メートル近い巨体であるのに対し、女性は子供並みに小さい体躯をしています。同じ種族であるにもかかわらず、男女の大きな体格差がヴァン族の最もよく知られた特徴です。


 男性の性格は体格に似合い、力持ちで攻撃的です。

 その巨躯と攻撃的な性格から他種族から極めて恐れられています。ただし、彼らは同種族の女性に対してはとても優しく、自らの家族を守り養うために働き、守るために命を捨てて戦うといわれています。

 女性は、少女のように小柄で、腕力は低いのですが、機敏でしっかり者が多いです。戦いの際には男女とも斧が得意です。

 彼らは体格的な都合で馬と相性が悪いです。男性は体格が大きすぎて、耐えられる馬が存在しません。女性は逆に小さすぎて乗りこなすのが難しいようです。


 ヴァン族は環境に強く健康的です。他の種族よりも食欲旺盛で食糧をより多く消耗する事が挙げられます。

 林業を得意とし、船やリアカーなどの木工製品の建造や使用を好みます。斧が得意武器であるのも、林業が得意なことと無関係ではないでしょう。商業は得意ではないですが、都会生活をする場合は体格を活かした運搬業を担うことが多いようです。

 島嶼に暮らしているだけあって、泳ぎが達者な物が多く、遥か古来より海洋によく進出している種族です。


 ヴァルキリー族時代の終わりごろからオビ海に進出し、流通が発達した当時、ヴァン族の名は海賊という意味で呼ばれていました。

 アスンシオン帝国の傘下に従属した現在では、少なくとも帝国に従うヴァン族達は海賊行為をしていません。


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・アヴジェ族 R.kama=mara var.avje

挿絵(By みてみん)


 アヴジェ族はかつて南方地帯に住んでいた人間種で、濃銀色の髪に濃い肌色をしています。

 彼らはR属のカマラ系種族の一派で、南方での戦乱を避けてアスンシオン帝国に移住してきました。


 体格は普通の人間と同じぐらいですが、男性は腕力の高い者が多く、強靱で生命力が高いです。女性はやや身長が高く、活動的な容姿でやはり生命力に溢れています。

 彼らは男女共に熱しやすく冷めやすい情熱的な性格をしており、特に暑さに強い者が多いです。


 アヴジェ族の男性は、喧嘩っ早く剛勇で、身体を鍛えている者が多いです。種族的に生命力と腕力が高く、武器は剣を得意としており、傭兵などの仕事を好みます。

 女性は扇情的で魅力が高く、胸が大きい事で有名で、都で様々な妖艶な仕事を行っています。


 彼らは元々住んでいた場所が熱帯地域なので、衣服に関しては男性も女性も文化的に露出度が高い衣装を着ています。

 味覚は辛党です。料理はカレー、タンドリーチキンなどのスパイスの利いたインド料理が好物です。

 アヴジェ族は男女とも性格が短気なので、直情的、性的な衝動に走りやすいのには注意が必要です。


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・タイキ族 geostationary-qubit

挿絵(By みてみん)


 タイキ族は北方のツンドラ地帯に住んでいる種族で、外見上から一応人間種とされています。分類する場合はT属という呼称がされ、彼らを人間種に分類する種族分類学者もいますが、欄外とするべきと主張する学者も多いです。


 男女とも透き通るような白い肌と、クールな表情を持ち、男性は比較的長身、女性は小柄な体格です。

 タイキ族はとても勉学に熱心なことで知られています。誰もが高い技術を持っており、計算能力に関しては他の追随を許さないほどに優秀で、記憶力が極めて良く、広い知識を持っていて、分野を問わず博学です。ただし、精神的な分野が得意でも創作的な活動、特に芸術などは苦手です。


 肉体的能力としては、極めて精緻な作業を行うことができるほどに器用ですが、肉体の敏捷さはありません。

 同じ作業を延々と続ける事ができる割に、体力には乏しく、いくら鍛えても筋肉や持久力は成長しません。またタイキ族はケガが治りにくいという特徴があります。

 冷気に対して耐性が高く、氷の上や雪の中を薄着で歩いてもまったく平気です。しかし、逆に暑さは極めて苦手です、特に熱は彼らの寿命や性能を大幅に縮める傾向があります。

 タイキ族は他の人間種が掛かるような病気にはひとつも罹りませんが、他の人間種が罹患しない病気を患う事があります。


 本作では、どの種族も男性の腕力が高く戦闘的なのですが、タイキ族は珍しく女性のほうが活発でより行動的であり、腕力や生命力も若干高く設定されています。


 彼らの血は白く、とても人間のものには見えません。また、痛みを感じません。戦いは好みませんが、どうしても戦う場合は自分を犠牲にするような捨て身の方法で戦います。


 タイキ族は肉体的に近親婚の弊害がないといわれ、彼らの文化では親や兄弟の結婚は当たり前です。理由はわかっていません。

 彼らは、見た目上は他の人類と同じように繁殖しますが、女性は“ヴェスタの加護”を持っておらず、PN回路も持っていません。


 多くの種族分類学者達は、T属が他の生物種の基本構成元素である窒素、つまりアミノ酸によるタンパク質ではなく、ケイ素による物質で出来ており、根本的な構造や材質が大きく違っているので、生物に似せて作られてはいるが、生物ではないという研究結果を出しています。


 タイキ族の食べ物は他の人類が食べられないものを食べます。分子構造の低いケイ素化合物、例えばガラスや砂などの特殊な物が好物のようです。

 彼らがアスンシオン帝国に居住を始めた時期は判明していません。帝国が出来る遥か昔、戦処女の時代でも極圏の乾燥地帯で生活していたといわれています。

 遥か昔に地下宮殿(バシリカ シスタン)に逃げ込んでいたという説もありますが、その証拠はなく、否定する学者も多いです。

 地下とは逆に、遥か天空に存在が知られていない空中宮殿があり、ここで暮らしていた者達が降りて来たと主張する者もいます。


 黒い石板モノリスオブタクティクスの記録を読む事が出来ることから、少なくともこの文明の建設や管理に関係していたのだろうという予測はされています。


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・オーク族 H.orc

挿絵(By みてみん)


 オーク族は、醜い顔、小柄な体躯、太った腹、土気色をした薄汚い皮膚を持つ男性だけの種族です。

 豚頭の怪物の名称がついていますが、頭部は豚ではありません。ただし鼻は潰れて口は大きく、頭は禿げ上がっており醜い獣、このような化け物の外観ですが、れっきとしたH属に分類される人間種です。

 本作の世界では醜い男、貧弱な男、そして食欲と性欲の塊の代名詞のように扱われます。


 オーク族は、その特徴として、極めて特殊な発生手段“雄性発生”という生殖方法を持っています。

 雄性発生とは、男性の精子だけの遺伝子で発生する生殖方法です。自然界ではシジミなどの一部の仲間で行われています。

 オーク族は最初から2nの精子を持っており、受精した後、卵子の遺伝子を追い出して発生を始めます。

 このため全ての人間種と交配可能で、全ての子供が自分の遺伝子で塗り替えられます。場合によっては、人間以外の種族、つまり動物や家畜などとも交配が可能になる場合があるようです。

 卵子内の他の細胞内器官はそのまま利用しますので、オーク族の遺伝子は極めて雑多で混沌としていると言われています。

 恐ろしい事に、オーク族の精子は、卵巣内で休眠中の卵子とも強制的に受精することが可能です。そして、オーク族の精子は非常に活発で、卵巣の壁を突き破って、卵巣に突入してしまいます。

 ですので、オーク族に汚された女性は、卵巣内で休眠中のほとんどの卵子と強制的に受精させられ、その卵子が持っている遺伝情報を捨てられてしまうのです。

 オーク族の胎児は子宮内で先行して発生した者が先に大きくなる性質があります。つまり多数のオークの受精卵が子宮内にあった場合、先行する者が順番に大きくなります。

 この結果、オーク族によって汚された女性は、ほぼ一生、オークの子だけを産み続けることになります。


 オーク族は出生して14日程度で見た目は大人になります。

 知能はとても低く、食欲と性欲の事以外はほとんど考えていません。また、発声器官が破損していているようで、上手く喋ることができません。

 アスンシオン帝国では人間と見做されずただの怪物ですが、タリム共和国では人間として扱われています。


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