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資料2~アスンシオン帝国、マキナ教、後宮、宮女メイド

・アスンシオン帝国

挿絵(By みてみん)


 アスンシオン帝国はエステル川、エニセイ川水系流域を中心に勃興した古い帝国です。

 首都は同名の都アスンシオン。現皇帝はリュドミル・シオン・マカロフです。


 ラグナ族が建国し、一時期はオビ海流域や隣接するアム川、シル川周辺までを支配する大帝国でしたが、次第に勢力が衰え西部、南部、南ウラル半島の領土は失われ、最盛期よりも半分近く領土が減っています。

 北部のタイミィル地区は遠隔地ですが、現在も帝国が保持しています。


 気候はやや寒冷の高緯度地域ですが、オビ海は南西のアラル海から強い暖流が流れ込んでおり、帝都周辺は豊かな水源、広大な平野地域、そして農業に最も適した肥沃な黒土チェルノーゼムと相まって耕作が盛んで人口も多いです。


 政治形態は、皇帝に忠誠を誓う貴族と、市民がいる封建的な制度です。

 貴族は位階によって、公爵(デューク)伯爵(コンテ)子爵(ヴィス)男爵(リッツ)と分かれており、貴族として立場が認められた者には、姓の前に爵姓がつきます。


 立法は、貴族院と市民議院の二院議会制で、帝国の法律である“啓蒙の法”を定めています。

 貴族院は、貴族だけが参政権を持つ議会で、公爵と伯爵には自動的に議席が与えられています。

 市民議院は、帝国に国籍を持つ市民が参政権を持っています。

 有権者の数は段違いですが、貴族院は市民議院と対等の権限を持っています。また、帝国では皇帝が大きな権限を持っており、行政を行う大臣は、議会の推薦で皇帝が任命します。

 皇帝と大臣、貴族院と市民議院の関係で行政と立法を行う政治形態です。


 軍隊は、常備12個師団と、普段は別の仕事をしていて必要な際に召集される予備12個師団の兵力があり、さらに有事の際の徴兵法があります。1個師団は2万~3万です。


 特殊兵科では、航空騎兵連隊、法兵連隊の整備が進んでいます。諸外国の特科と比べてとりわけて優秀とも弱いともいわれません。


 帝国は多種族国家で、複数の異種族が住んでいます。領内にはヴァン族自治区、カウル族自治区、アヴジェ族自治区の三大異種族の自治区があり、他にもバサラ族、チャクラ族、ムラト族、ノスフェラトゥ族、タイキ族、フラウ族、ナーガ族、メロウ族が住む居留地があります。


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・マキナ教


 理性の神として、デウス・エクス・マキナを主神として信仰する宗教です。略してマキナ教といいます。

 彼らは、啓蒙教徒とも呼ばれ、啓蒙の原義である「光で照らされることくらきをあきらむ」、要約すると、理性によって世界を認識しようという考え方です。理性を人間が神から与えられた唯一の世界を認識する能力だと説き、世界は理性によってのみ理解、認識できると説いています。

“啓蒙の法”とは、理性的に定められた法律のことで、皇帝から国民まですべてがこの法に従っています。よって、君主主義や議会制度も法によって定められています。

 マキナ教では、その教義や、冠婚葬祭のルールなどすべてが理性による“啓蒙の法”によって定める方式を取っています。


 理性を尊ぶので、理性を失うようなことを禁止しています。特に酒類は理性を失わせる“悪魔の水”として忌み嫌われています。もちろん、理性を奪うような薬物の類も同様です。

 また、理性的な刑罰を推奨し、私闘や感情的な処罰を戒めています。個人的な憎しみの感情に拠る復讐は肯定されません。


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・後宮

挿絵(By みてみん)


 アスンシオン帝国の後宮は、存在自体が皇帝の権威の象徴のひとつとされています。隣接する政庁と合わせた施設としての規模は帝国内でも最大級のもので、現在は約2000人もの妃と宮女メイドが暮らしています。アスンシオン帝国の後宮に宦官はいません。

 後宮と政庁はかつて、都市の西方を守るために建設された、巨大な城壁と深い堀を有する強固な要塞でした。この要塞は防衛施設としてその機能を十分に発揮していましたが、その都市が首都として定められた後は、周囲に広く市街地が発展したため要塞は大規模な改修を受けて、南側が政庁に、北側が後宮になりました。


 そのため政庁と後宮は広く深い堀と頑丈で高い城壁に阻まれ、通常に出入りする為には、政庁側から続く通常の南門と、生活資材を搬入する南東門の二か所しかありません。

 周囲を囲う城壁の警備は厳密には後宮の管轄ではなく、政庁警備隊傘下の後宮警備分隊の管轄です。

 後宮警備分隊は、政庁警備隊からはほぼ独立した組織で、隊員は全て女性で構成されており、隊員はほとんどが貴族や士官学校出身のエリートです。

 主な仕事は、後宮の警備や、人員や物資などの搬入出の検査です。


 この後宮は、先帝が皇太子の為に造営したことになっていますが、実際は先帝の皇后が1人息子の為に作らせたのが真実であるようです。


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・宮女メイド

挿絵(By みてみん)


 後宮内で妃の世話や運営、維持などの仕事を持っている女性達です。後宮は皇帝の他は女性しかいないので、彼女達が全ての職務を行っています。

 平民出身の者が宮女メイドとなります。ただし、皇帝のお手つきになって子供が出来た場合は妃に格上げされます。


 後宮の宮女メイドの担当は次の8つに区分されています。

 各担当別に、胸のリボンの色が分かれているので容易に判別できます。

 オールワークが黄色、キッチンが赤色、ランドリーが水色、パーラーがピンク色、チェインバーが橙色、ガーデナーが緑色、ボイラーが青色、ナースは白色です。


「レディメイド」

 個々の妃の専属メイド。侍女ともいいます。貴族出身の妃であるレディに付き人として付き従い、一切の身の回りの手伝いを行い、場合によっては、妃に対しての雑務の全てをこなします。

 常に妃と一緒にいることから、相性が第一に選定され、相性が合わないと別担当と交代されることもあります。


「キッチンメイド」

 料理担当メイド。もちろん料理が主な仕事で、調理場、食堂、食糧の管理を担当します。キッチンメイド内にも、皇帝の料理を作る係、妃の料理を作る係、メイドの料理を作る係りの順でランクが分かれていて、皇帝や妃へのコネ、知識と料理の腕前などで上位に来ます。

 キッチンメイドの一番下っ端が皿洗い係です。


「ランドリーメイド」

 衣服担当メイド。洗濯が主な仕事で、衣類の管理、修繕も行います。特に後宮ではドレスなどの高価な衣類の多く、衣類の洗濯や管理は難易度の高い重要な仕事です。

 ドレスの製作自体は後宮外の仕立屋から仕入れられる場合がほとんどですが、後宮で直接採寸などはできないので、妃などの体格に合わせてドレスを補正するのもランドリーメイドの仕事です。もちろん、キッチンと同様に位階の高い者の衣服を扱うランドリーメイドほど優秀な者が担当となります。


「チェインバーメイド」

 施設担当メイド。後宮内の部屋管理を行い、主な仕事は屋内の掃除です。

 後宮内は男性の手が入らないため、大規模な改築などではない場合は、施設の修繕程度は彼女達が行います。


「パーラーメイド」

 娯楽担当メイド。後宮内の娯楽、書記などの担当です。例えば菓子類の製作・提供や、皇帝や妃に対してお茶を配ったり、音楽、絵画、翻訳、踊り、遊戯、メイク、美容などの娯楽の総合的な援助、整備をする担当です。個々に得意な分野を持っています。


「ガーデナーメイド」

 庭園担当メイド。後宮内は全て屋内廊下で仕切られていますが、緑地が整備された庭園や菜園、ある程度の運動ができる屋外施設もあり、室内の廊下にも観賞用植物が飾られています。

 これらの管理、手入れをするのがガーデナーメイドです。庭の掃除、雑草の駆除も仕事のひとつ、植物ではないですが庭にある水池の魚の世話もガーデナーメイドの担当になります。


「ボイラーメイド」

 風呂担当メイド。主な仕事はもちろん風呂の管理です。風呂掃除はもちろん、湯沸かし、油脂、火を使ったランプの管理が彼女達の仕事で、特にボイラーの管理はメイドの仕事で一番の重労働といわれています。身分の低い娘達が割り当てられてしまうことが多いようです。


「ナースメイド」

 医療担当のメイド。主な仕事は医療と看護、そして子供の世話です。ナースメイドの中でも医学知識の豊富な者はとてもランクが高くなっています。

 ナースメイドの中で子供の世話をするものを特にシッターメイドと呼ぶことがありますが、現在の皇帝に子供はいないのでシッターメイドは配置されていません。

 ナースメイドだけは、黒いメイド服ではなく、白いメイド服を着ています。服の外観はまったく同じですが、服、タイツ、靴など黒い部分が全て白く統一されています。これはナースメイド特有の清潔感が必要になるためだといわれています。


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