資料17~TS法、北極圏、ベース主義、マーメイドトップ
・精神入れ替わり特別措置法(通称TS法)
第1条 定義
この法律は、アスンシオン帝国内における“精神入れ替わり”現象において、その影響を受けたすべての者に対して適用する。
第2条-1 精神人格の社会権と財産権の承認
本法案における特段の例外(衣類、血族、特殊能力)がない限り、自己の認識する精神の人格について、その精神の人格が所有する社会権、財産権を適用する。
第2条-2 血族、特殊能力の取り扱い
ただし、血族(貴族)、身体に起因する能力など、身体がその社会権の根幹と成す場合は、その身体に宿る精神の人格に、その身体に係る社会権、財産権を適用する。
第2条-3 衣類の財産権
被服、靴、装飾品、その他その身体に着用して使用することを前提とする財産に関しては、その身体の所有者の財産とする。
第2条-4 不明者の取り扱い
精神の人格が特定できない場合は、その財産権にあってはその身体が相続するべき血族に対し、相続法に従い配分されるものとする。
第2条-5 補足
本条の達成に伴い、被対象者となり自己の社会権、財産権を喪失した者に限っては、その身体に係る社会権、財産権を適用する。
被対象者となって自己の社会権、財産権を喪失した者が複数いる場合、両当事者に同等の社会権を有し、財産権については等分するものとする。
第3条 被保護者等精神の取り扱い
精神の人格が法律に定める成人ではない、若しくは成年後見人対象者の場合(被保護者等精神)、その社会権(学業を受ける権利等)は精神の人格が有し、親権者(保護者)または後見人に関しては、精神の人格が定める親権者がこれを有する。
第4条 婚姻
婚姻については身体がどのような状態であっても、両者の自己の認識する精神の人格が以前から婚姻、またはそれに準ずる関係であった場合、これを認める。
ただし、両配偶者間における身体、年齢等の相違等、格別の理由がある場合は、一方の当事者の申し立てによって婚姻を継続しなくてもよい。
第5条 親族
親族については身体がどのような状態であっても、両者の自己の認識する精神の人格について、親族法に定められた親族関係を適用する。
第6条-1 精神資格、保証、当主
その精神の人格が所有する社会権として特定の資格(学位、免許等)があった場合、その身体がその使用に耐えられない場合のみ、その資格を停止する。
保証は精神の人格において有効とする。
貴族家の当主としての社会権は、その身体がその当主の血族に属する場合のみ認める。
第6条-2 肉体資格
その精神の人格が所有する身体に対して、年齢、性別、身体的特徴等に対する特定の資格があった場合(出産手当、傷病給付、老後年金等)、その身体に宿る精神の人格に適用する。
第7条 刑罰
犯罪等に係る拘留、懲役、死刑の刑罰を負っている者は、その精神の人格に対して与えられるものとする。ただし死刑は無期刑に減刑する。
罰金等における金銭的刑罰も同様とする。
第8条 男女の立ち入り領域
男女を分けて立ち入らせるべき領域(風呂、トイレ、更衣室)は肉体を基準に立ち入るものとする。
年齢10歳未満小児における立ち入り制限免除は、精神の人格の年齢10歳以上であれば免除しない。
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・北極圏
本作の世界の北極の氷は、我々の世界のベーリング海峡が閉じているため、温暖な太平洋と寒冷な北極圏で海水が混じることが無く、海氷がチュクチ海側(カナダ側)にかなり偏っています。
本作の世界のグリーンランド島は、緑島、その東の海を緑海といいます。この氷床で覆われた島も、氷はあまりなく、冬は寒いですが、夏は農業ができる程度には暖かいです。また、我々の世界の北大西洋海流の影響がさらに大きくなっています。
夏季は、東シベリア海付近まで解氷します。ネアズ海峡も問題なく航行できます。北極海付近も夏季は航行可能で、本作の世界も夏季であれば、北極点まで船で行くことが可能です。ただし、流氷が多いので危険な事に変わりはありません。
冬季は、タイミィル半島の西のカラ海まで通常に航海可能です。
ただし、冬季は流氷の影響大きいので、この付近の航行には熟練を要します。
バレンツ海は冬でも問題なく航行でき、アテナ族が勢力圏としています。
本作の世界の外洋航行技術は、ガレオン船など大型で長期航海も可能な性能の良い船が運用されています。
ところが、アテナ族やヴァン族などの海洋種族の勢力圏は、すべてこの北極圏に集中しています。大西洋などには進出できません。
理由は2つあります。
1つ目は、本作の世界には、B属海洋系種族が多数存在し、彼らが海洋を領土としているからです。
もちろん、航行できないわけではありません。我々が他国の土地には許可を得れば入国できるように、その土地の管理する海洋種族から許可を得れば領海を通行できますし、航行も可能です。商業目的で通行する場合も多いです。ただし関税をかなり取られます。
2つ目は、氷島と緑島、大陸を結ぶ線は海嶺があって水深が浅くなります。よって、深海が繋がっていないのですが、本作の世界の深海には恐ろしい巨大生物がいるのです。
これらは、水上を攻撃してくることがあります。B属海洋系種族の能力である程度は回避できますが、水中探知能力のない地上の人間ではとても敵いません。
このため、本作の世界の海賊は、常に極圏を勢力圏にしているのです。
極圏航路は、ユーラシア側の大国では、アスンシオン帝国、ローラシア帝国、レナ王国(夏季のみ)が利用しています。
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・ベース主義
ベース主義は宗教のひとつと考える者もいます。
個々の人間に対する平等主義で、個人の自由と権利を尊重しています。
男女平等、社会的特権の廃止、国家に拠る個人への干渉を可能な限り否定するなどを主としています。
特に本作の世界には数多の人間種が存在しますが、種族平等主義を掲げているのも特徴です。
ただし、どの人間種を人間と認めるかは派閥によって違いがあり、アスンシオン帝国のベース主義者は、オーク族やマリル族は人間と認めていません。
タリム共和国のベース主義者では認められており、この辺りには大きな違いがあります。
ベース主義者は、人間社会をピラミッド構造として捉えています。
社会活動を支えているのはピラミッドの底辺、つまり基礎の人々の経済活動であり、社会はこの基礎を構成する者達の意志によって決定されるべきだと考えているのです。
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・マーメイドトップ(髪型)
マーメイドトップは本作の世界特有の髪型です。長い髪を先だけで縛りまとめています。
髪の形がマーメイドの尻尾に似ているので、こう呼ばれます。
ムラト族を始めとするH属の女性は、髪のボリュームが足りないため、この髪型にはできません。R属、E属、B属、G属、D属の女性は、髪のボリュームがケタ違いに多く、成長途中で脱落しないため、この髪型に好んでする者もいます。
もっとも、マーメイドトップは、女性の髪型としては良く言えば活動的、悪く言えば先を結ぶだけの雑な髪型として知られており、髪型に拘るアスンシオン帝国のラグナ族の貴族が用いることはほとんどありません。
※イラストは、メロウ族の女性です。




