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愚者5~約束された平和⑥

 帝都に続々と部隊が凱旋してくる。


 帝国軍の騎兵隊を指揮するドノー伯は、国王アルプ・アル・スランなどの生命の安全を保障する条件で降伏を受け入れ、彼らを帝都に護送した。

 既にアカドゥル渓谷を奪還し、帝都に戻っていた市民兵達は、彼らを歓呼の声で出迎えている。


 そして、最後に帰還する皇后アンセム。

 シル川の渡河地点を守って敵将を討ち取ったという戦果は新聞報道もされており、その市民人気は凄まじい。さすがに皇太子の母なので公に呼び掛けたりはしないが、広く“鮮血の姫”という渾名は広まっていた。


 彼は、皇帝レンに戦闘結果を報告するとすぐに後宮に戻る。

 そして、自室には彼にすぐに甘えようとする子がいた。アンセムは、シンデレラから我が子を受け取ると、優しく抱きしめる。


 だが、不思議なもので彼はその状態を10分も続けると飽きてしまう。

 彼の仕事は山積みされていた。男性精神の彼は、そちらを片付けることが気になって、我が子を抱くことを優先することが出来ない。

 アンセムは、再びシンデレラにその子を預けると、メイド長の執務に入って次々と仕事をこなしていった。

 マイラは男のコンドラチェフの身体なので後宮には入らない。コンドラチェフはマイラの身体でも、工兵士官なので、戦後処理の仕事が大量に残っていた。


 彼のいるメイド長室を、ドノー伯とローザリア卿が訪ねて来る。

 もちろん、ドノー伯とローザリア卿がそのまま後宮に入ってきたら不自然だが、ドノー伯は妹の第8妃プリムローザ・コンテ・ドノーの身体、ローザリア卿は姉の第38妃アンネ・リッツ・ローザリアの身体なので、違和感はない。

 もっとも、ドノー伯は女の身体でも態度がでかいので様子は変だ。


「ヴォルチ伯、まったく大したものだよ。たった1500程度の兵力で10倍の敵を倒したんだからなぁ」

「ドノー伯も、自分達より数が多い精鋭のフルリ族の軽騎兵隊を撃破したと聞いています。私があなたの役目を負っていても、それはできませんよ」

「実はそれ、ほとんどカウル族に手伝ってもらっていてね。皇帝陛下の手回しさ」

「私の前に現れた敵も、陛下の策で既に死に体でしたよ。戦う前から追い詰められていた。もはやこちらの陣地に突撃するしか選択肢が無かったのです」


 アンセムは、敵将について考える。

 彼の前に現れた敵は、これまで戦功を積み重ねた手練れの騎兵だったのは間違いない。だが、戦略的に追い詰められて、その機動力を活かすような戦い方ができなかった。

 自分の得意な戦いに持ち込み、相手に得意な戦いをさせない。戦術の基本であるが、それはやはり哀れでもある。


「しかし、本当に凄いな、あのルーファスの先生は。我々が100万の兵力で1年もかけて無様に負け続け、さらに東の大国にも攻められて、衰亡寸前だった情勢を、たった一か月でひっくり返してしまうんだから」


 アンセムはドノー伯の意見を聞いて、頷かざるを得ない。

 確かに、女神シオンの奇跡はあった。だが、あの現象は、一兵も、一発の法弾も、たった一粒の麦米も産み出さない。

 極論すれば、帝都の人々の考え方が変わっただけである。それだけで、これだけ鮮やかに未来を替えられてしまったのだ。


 もちろん犠牲はあった。市民兵を突撃に使ったので被害は出た。正規軍もタシケント市、カラザール市に対して積極攻勢を取らせたので損害も出た。だが、軍事的に見れば軽微な損失である。

 アンセムも軍人であるから、今回の作戦で皇帝レンが使った人命や資材の消耗を批判する気になどなれない。むしろ名将として尊敬し、同時に畏れている。

 だが、ドノー伯の隣にいる、アンセムの身体のエリーゼよりひとつ前に入宮した娘の身体を使う士官は、彼とは違う考えを示した。


「そうかな? 私は、ただ勝てばいいというものではないと思うが。戦い方があまりに卑劣ではないか」

「ほほぅ、ローザリア卿は、前の陛下のお気に入りであったから、今の陛下では不服というわけだな」

「まさか。少なくとも伯爵よりは、彼の事を良く知り、敬意をもっているよ」


 ローザリア卿は、皇帝リュドミルに近侍している貴族で有名だった。従者ではなく、弟分として可愛がられていたのだろう。

 そして、今の皇帝レンはローザリア卿の第13師団に所属していたよく知った人物なのである。

 ローザリア卿は、今回のレンが起こしたクーデター、人生の略奪行為、卑怯な作戦が気に入らないのだろう。


「私だって、国家と皇家へ忠誠を誓っているさ。だが、ローザリア卿と違って、リュドミルという個人の人格については、なにも特別な感情は感じていない。さらにいえばレンという個人の人格についてもだ。国家と皇家が救いになればそれでいい。今後ともその考え方は変わらんよ」


 ドノー伯の考え方ははっきりしている。

 国というものは誰の物なのか、誰が何の力によって皇帝なのか、それを考えれば、ドノー伯のいうことも道理である。


「それでも、私は人生の乗っ取りが正義あるやり方だとは思えない。奇跡なんてものに頼るやり方は、きっと奇跡によってもっと大きなものを失うような気がしてならないが」

「ローザリア卿は出来る男と聞いていたのに、マトロソヴァ伯のように、心配性になったようだな。国難は去った。それでいいじゃないか」


 結局、この二人は、性格的にお互い相いれないようである。


「そうそう、カウル族のニコレという娘から、皇后様宛に手紙を預かってきたよ」

「ニコレが……?」


 アンセムはドノー伯から手紙を受け取った。タチアナや、ソーラがいなくなってしまった以上、親しい者の去就は当然気になる。


「ところで、ヴォルチ伯はこれからどうするのだ?」


 ドノー伯は急にアンセムに尋ねた。


「私は、陛下に今回の帝国の損害からの復興。そしてシオンの“奇跡”によって奪われた身体も含めて、それらを元に戻していただけるようお願いするつもりです」

「前向きな意見だ。さすがは、“鮮血の姫”様だ」

「それはどうも」

「だがな…… その、元に戻すという件で困ったことがあってだな…… その件で皇后様に相談に来たんだ」

「困った事ですか?」

「実は、私もローザリア卿も、後宮の妃の身体だから勝手に後宮の外に出てはいけないと命令されてしまったんだ。なるべく元の状態を戻すなら、それは当然の対応なんだが…… なんとかならないものだろうか」


 つまり、彼らの身体は妃なので後宮に閉じ込められてしまったのである。


「それは…… 万一のことを考えれば仕方がないのでは」


 彼らは、男として当然、後宮から外出したい。だが身体は後宮の妃で、“啓蒙の法”で外に出てはいけないと決められている。

 今まで外に出ていたのは、一時的な臨時法による措置である。戦争が終わったので、それは使えない。

 だから、彼らはアンセムに外出許可を貰えるよう頼みに来たのである。男であれば自由に外出できるのが彼らにとっての“元に戻す”ことだった。


 しかし、皇后はこの2人の男の要求をあっさりと却下した。


****************************************


 皇后アンセム・コンテ・ヴォルチさまへ――


 まずはご戦勝おめでとうございます。

 皇后さまの活躍、遠くマーワラーアンナフルの地でもお聞き及んでおります。


 後宮の皆様に大変な危機が起こった事、とても心配しております。

 今すぐにでも、みんなの下に馬で駆けつけたいけれど、私にはシオン様の奇跡をどうする事も出来ません。


 それに、正直に言えば、私は後宮でタチアナやソーラ、そして他の妃達にとても劣等感を抱いていました。

 カウルとラグナはやっぱり違います。

 私は、みんなに可愛がられていたけれど、それはカウルが、奇妙で珍しいからで、けして女としての美しさを認められていたわけではありません。


 男と女は違うのかもしれないけれど、カウルとラグナも違う種族です。一緒にずっといると自分がとても情けなくなってしまいます。


 私は、もう後宮に戻りません。

 帝都や後宮の暮らしはとても贅沢で楽しかったけれど、やっぱり私達カウルの居場所ではないと思います。

 私はここで、新しい族長のバアトル兄様に従い、兄様が決めた相手と結婚します。


 また、私達の力が必要な時は、帝国の為にいつでも参上いたします。

 皇后さまも、マーワラーアンナフルにあるカウル族の居留地へぜひいらしてくださいね。


 マーワラーアンナフル、カウル族自治区族長バアトルの妹ニコレ――


****************************************


 アンセムは、ニコレからもらった手紙を見て考える。


 少なくとも、ニコレはムラト族にされてしまった妃達に対して、それほど「可哀そう」とは思っていないようだ。

 大陸一美しい種族とされるラグナ族と、半遊牧生活を送るカウル族、同じ人間種で遠目にはそれほど変わらないように見えるが、内情は全然違う。


 カウル族の男性は平均身長は150cn程度、ラグナ族の男性は180cm。

 そしてラグナ族の女性は美しいことで知られ、スタイル抜群で、髪も豊か、若いうちは肌にほくろやシミは一切ない。

 対して、カウル族の女性は、髪は暗い緑で、見栄えを良くするためには、肌のケアは必須、また胸は大きくならず、無理に食事をすると太る。そして、生理というH属の女性特有の体質もあるらしい。

 カウル族のニコレからすれば、ラグナ族の女性達の中で暮らしていることは、とても苦痛だったのだ。


 ムラト族とカウル族は同系統のH属の人間種である。体格や髪の色などの違いはあるが、身体的、生理的特徴はあまり変わらない。

 カウル族のニコレからすれば、ラグナ族がムラト族にされたからといって、それで可哀そうとは思えないのだろう。


 アンセムは今回帝都で起こった出来事について考えさせられる。

 不幸に思っている人もいれば、そうは思わない人もいる。

 なにが大切かを考えれば、少なくとも、帝都が瀕死の窮地から救われたことは重要な事に違いない。


 皇帝レンは、それを与えた。

 だが、それでも腑に落ちないことがある。


****************************************


 帝都では、壮大な戦勝式典が行われていた。


 ファルス国王アルプ・アル・スランは、その式のプログラムの中、先の停戦条約を結んだ同じ席で、自ら屈辱的な条約を結ばされることになる。


 この若く壮健な国王は、左右に宰相アル・マリク、大将軍アル・タ・バズスを並ばせ、そしてその後ろにそれぞれの妃、ミトラ、アナーヒタ、エラハーを従えて、堂々とした態度でこの調印式に臨んでいる。


 アスンシオン側の新聞社は、今までの苦難を噛みしめると共に、敵地でも勇壮な敵国の王を讃えた。


 実際のところ、条約の内容は最初に締結した条約とあまり変わっていない。

 大きな追加事項は、ファルスが保有するエルミナ王国に関するすべての権益をアスンシオンに譲渡することだけである。


 ただし、捕虜の数が段違いだった。以前の条約では捕虜の数だけアスンシオンが金を払うことになっており、おそらく、帝国軍は20万以上の兵が捕虜にされていただろう。

 だが今度の戦いによって、それを帳消しにする捕虜を得たのである。

 それでも帳消し程度、賠償金が取れる程ではない。ファルス側はエルミナの勝利で得た戦果を全て不意にしてしまったが、国王を含めて主力が全て捕虜になってしまったという大敗から鑑みれば、条約の内容はかなり譲歩しているものといえる。


 調印が終わると、皇帝と国王は握手を交わした。


「じゃあ、アルプ・アル・スラン陛下、よろしくね」

「……わかっていますよ」

「了解です」


 アルプ・アル・スランの後ろにいた、妃のミトラはなぜか「了解」と頭を下げた。


「ちょっと、リーフ。妃が了解はないでしょ」

「あ、そうだった」


 アルプ・アル・スランの妻ミトラは舌を出して照れを隠す。

 ファルスの美しい国王妃がするには、かなり奇怪な姿である。


 締結式は問題なく終了し、国王アルプ・アル・スラン達の身体、ファルス軍の幹部は帰国の途についた。


 確かにこの条約内容は、ファルス側にもかなり配慮した内容である。

 だがその内実は、ファルスから全てを奪い尽す恐ろしい伏線が仕込まれていた。


****************************************


 ファルス王国は、エルミナ王国を属国にする条約を結んでいる。そして、アスンシオンとファルスの条約では、その権益をすべてアスンシオンが引き継ぐことになっていた。

 つまり、エルミナはアスンシオンの属国になる。


 調印式の後、別室に現れたのは、サマルカンド市を奪還した騎士長、プレイス・ナイツ・バンクレインである。

 政庁の謁見室で、彼を皇帝レンやエルマリア王女の身体を使う旅団員のゲイリー、聖女連隊の身体が出迎える。


「このたびは、エルマリア王女の皇帝陛下へのお輿入れの件。エルミナ国民を代表し祝福を申し上げるとともに、アスンシオン帝国、皇帝陛下を我が王国の管理者と認め、国民一同、臣従することを誓います」


 バンクレインは、騎士の誓いを立てる。エルマリア王女の身体や、聖女連隊の面々は冷ややかな顔で見ていた。いや、年頃の娘がするとしてはかなり異様な表情だろう。

 理由は、簡単である。

 彼らは1年前ムラト族旅団だったとき、劣等で醜い異種族ということで、サマルカンド市にすら入れてもらえなかったのである。

 それが、この豹変ぶり。呆れていると言えるのかもしれないし、優越感に浸っているかもしれない。もっとも、ムラト族の男達からすれば、“聖女連隊”の身体を自由に出来るという事は大きな愉しみだった。

 ただし、彼らは、“陽彩”能力の源である、自分の身体の“ヴェスタの加護”を失ってはならないと厳命されていたので、今のところ最後までは出来ない。


「ところでバンクレイン殿。君は、何に忠誠を誓う? 国家? 王家? それとも、エルマリア王女かい?」


 皇帝レンはバンクレインに対して、そんな質問をした。


「私は、国家の安寧と、王家への忠誠の為に剣を捧げています。それはこの生涯、ずっと変わりません」


 バンクレインは、前を向いて答える。


「ふーん、じゃあ、ちょっと“彼女”に会ってみてよ」


 すると、その部屋に、縛られたムラト族の醜く中年太りした男が引き出される。肥満抑止酵素の働きで太らないラグナ族と違い、ムラト族は運動せずにカロリーを摂りすぎると簡単に太る。その腹などに脂肪がつき無精髭や様々な体毛を生やした姿はとても醜い。

 その男は、バンクレインの姿を認めると急に発狂したように叫び出した。


「バンクレイン、私よ! た、助けて! こんな身体にされてしまったのよ!」


 その男は、似つかない気持ち悪い言葉遣いで、涙ながらに話し始める。そして、エルマリア王女の身体の方を睨みつけた。


「わたしの身体がそいつに奪われたのよ! そいつは偽物よ! バンクレイン、早く取り返してぇ!」


 醜く太った男は、野太い声で涙を流しながらヒステリックに助けを求める。


「君に会いたいっていう人がいるから連れて来たんだけど? どうだい?」


 皇帝レンは微笑みながらバンクレインに尋ねる。

 だが、バンクレインは微動だにしない。


「ちなみにね。このエルマリア君は、町娘を襲った強姦罪で、既に“啓蒙の法”によって判決が出て懲役20年の強制労働刑なんだ」


 レンは涼しい顔で説明する。そして、その中年男をエルマリアと呼んだ。


「な、なによっ! この身体が勝手に動いたのよ! 我慢できなかったの! あんな淫らな格好で挑発した女が悪いんじゃない!」

「はは、レイプ犯はみんなそういう言い訳するよね。面白すぎて笑えるよ」


 結局、エルマリア王女は身体の要求に忠実な人間だった。

 王女であり“聖女連隊”の隊長という立場だったから、周囲の奉仕に甘え、戦争という殺伐とした現実から逃げ、生理的に嫌悪する醜い容姿の種族を見下していた。

 だが、それは、彼女が身体の生理的な要求には、絶対に耐えられない人間であるという証左である。

 その彼女が、性欲の溜まった男の身体にされてしまえば、こうなる運命だ。


「恐れながら皇帝陛下、私はこのムラト族の男と知り合いではありません」


 バンクレインははっきりと答える。


「なんでよっ! バンクレイン! 私を一生守るって、サマルカンドのウルベグ天文台で、約束したじゃないの! 騎士なら誓いを守りなさいよ!」

「自分を王女だと思っているなんて、彼は精神を病んでしまったのでしょう。“啓蒙の法”で裁かれるような罪を犯してしまった事、ぜひ彼にはその罪を反省してから、新しい人生を歩んでほしいものです」

「い、いやぁーー! こんな気持ち悪い身体いやよぉーー! バンクレイン、たすけてぇーー!」


 泣き叫ぶ、ムラト族の中年男。だが、男が女言葉で助けを求める姿は、可哀そうというより不気味という表現の方が相応しい。


「じゃあ、恩赦はなしね。彼女には、これからしっかりと刑に服してもらわないとね。それが法律だし。それにレイプみたいな犯罪は社会的に絶対許せないよな。自分が身体の欲望に負けてやった罪はしっかりと償ってもらわないとね。じゃあ、連れていけ!」


 皇帝が命じると、刑吏は男を連れ出そうとする。しかし中年のムラト族男は縛られながらも大声を出して、抵抗する素振りを見せた。

 だが、連行している刑吏の兵士は容赦しない。“啓蒙の法”ではすでに判決の出た犯罪者が、刑吏の指示に従わない場合は、実力行使による懲罰も認められていた。それも凶悪犯の場合は、より強い範囲でも認められている。

 彼らは、平然と彼女を殴り、蹴り飛ばし王女が一度も感じたことのない直接的な暴力による苦痛で痛めつける。

 そして、彼女は激痛で強制的に黙らせられ呻きながら蹲ると、そのまま引き摺り出されていった。


「いいのかい? 君はあの女に惚れてたんじゃないの?」


 皇帝レンは意地悪そうに聞く。


「私は、国家と王家の血筋に忠誠を誓っています。情緒的な恋など、ただの肉体的な欲求に過ぎません」

「いい返事だ。じゃあ、君をエルミナ王国の執政として、私の代理に任命する、うまくやってくれ」

「謹んで承りました」


 再び騎士の誓いをするバンクレイン。

 彼は敬礼すると去って行った。


****************************************


 こうして、帝国最大の国難は各地に巨大な爪痕を残して終わった。

 だが、帝都の人々、周辺国のラグナ族の人々は、将来に撒かれた恐ろしい危険な種の存在を知らない。


 本当の恐怖は、ここから始まるのである。

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