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資料13~レナ族、バイエル族、ティルス族、アテナ族

・レナ族 R.ragna var.rena

挿絵(By みてみん)


 レナ族はラグナ族と同種族の諸派です。アスンシオン帝国東側のレナ川流域にレナ王国を建設しており、種族の名称もここから来ています。


 外見的特徴はラグナ族に似ていますが、男性は青色、女性の髪の毛は銀髪です。レナ族は紫派のヴァルキリー族との混血種族で、服色に紫色を好みます。

 また、レナ族女性の髪色は、その力を継承した“女神アルテナ”の影響によるものと言われています。ですので、女性の髪の毛だけが銀髪になっています。

 レナ族はヴァルキリー族との混血の影響か、女性が産まれる割合がとても高く、男性より4倍程度多いです。そのためレナ族では一夫多妻制です。

 国民のほとんどがピュアリティ・リンゲージ教、略してピュア教徒です。家族愛主義、郷土主義、慣習主義的な考え方を持っています。


 レナ族で特筆するべきは、その強力無比な“女神”の特殊能力でしょう。

 この力によるものか、レナ族は打撃、法撃の攻撃の威力が上昇します。特に法撃能力の上昇値は驚異的な値となっており、ヴァルキリー族との混血によって、元々強力なPN回路を持つ者が多いレナ族では、さらに強力な火力を有し、レナ族の法兵連隊である“女神連隊”は大陸一の火力と恐れられています。

 この“女神”の力は男女とも使えますが、“ヴェスタの加護”のある女性の方が火力上昇の割合が4倍程度大きいです。

 レナ族はヴァルキリー族との混血がもっとも上手く進んでいる種族で、ほとんど全ての女性がヴァルキリー族血脈を受け継いでいる為、“ヴェスタの加護”持ちの女性は、さらに“女神”の火力が加わるので、接近戦闘において女性でも男性と対等に戦えます。


 レナ族の持つこの“女神”の力は、強力無比な力ではありますが、大きな弊害もあります。彼らは、その力の代償として“側索硬化の呪い”という死に至る恐ろしい病も受け継ぐことになりました。

 この呪いは、30歳から40歳までの間にほぼ発病し、1~2年以内に必ず死亡してしまうという進行型の神経性疾病です。レナ族と混血すると、この呪いをほぼ確実に受け継いでしまうので、レナ族は種族達から呪われた種族と忌み嫌われています。

 レナ族の力は確かに強力無比ですが、支払っている代償も決して小さくはないのです。


 レナ族の男性は熱血漢の冒険好きな者が多く、若いうちに自分の村を離れて旅に出ることが多いです。

 彼らは命知らずの冒険家であり、勇者として帰ってこられる者は僅かです。レナ族は一夫多妻制ですから、鍛え上げられて帰還した男は勇者として5~10人のレナ族の娘を妻としています。

 レナ族の女性は、夫や兄弟の不在を堅実に守り、村で子供達を育てながら暮らすことが多いです。寿命が短いレナ族、親は子供が大きくなる前に死にますので、兄弟の扶助が欠かせないのです。

 交易の為に都市を作りますが、生活基盤はあくまで農村にあり、素朴な服装を好みます。


 レナ族の戦い方は火力主義であり、法兵、航空騎兵、歩兵ともにすべて高い攻撃力を持っています。ただし、やや不器用なので、弓は苦手です。

 戦いのやり方も、美形で銀髪の美しい容姿に似合わず豪快で力任せです。盾での防御や、陣地戦のような戦い方を好まず、法撃で蹴散らして、大剣の火力で一気に粉砕する戦法を好みます。彼らの短期決戦主義は、レナ族の寿命が短いことも影響しているでしょう。


 短い人生を懸命に生きる「女神の国」、レナ族はそういう宿命を持つ種族なのです。


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・バイエル族 R.ragna var.beyer

挿絵(By みてみん)


 バイエル族はラグナ族と同種族の諸派で、髪の毛が明色の紫色である事を除けば、体格や外見はラグナ族と同じです。

 現在の地名でいうバイカル湖、本作の世界ではバイエル湖の周辺に都市を創り、バイエル共和国を建設しています。

 彼らは極めて高度な文明を所持し、その都市の設備はドミネイトの世界では最高クラスです。

 バイエル共和国についてはそちらの項目を参照ください。


 バイエル族の処女は“雷都”という特殊能力を持っています。

 その能力は、雷系統の防御を張るというもので、文章にすると単純ですが、その分強力です。バイエル族にはこの能力を持ったものを集めた部隊、“雷帝連隊”という法兵部隊が存在します。

 バイエル族には、B属地上長耳系であるバイエル=ラヴィ族という傘下種族がいます。男性のバイエル族を夫とし、主に地方で暮らして生産活動に従事しています。

 ラヴィ族のB属とR属は混血可能で、その場合はまずY染色体が優先、次にX染色体同士、つまり女性だとB属が優先となります。それゆえB属の女性はR属の男性を夫に選んでも形質を失いません。

 ラヴィ族は繁殖力が強いものの、力が弱く臆病で頭もよくありません。そのため生活基盤を簡単に奪われやすいのです。

 ラヴィ族は、自らベリアル族、バイエル族などの男性の被保護下に入って、その立場を守っているのです。


 ラグナ族のバイエル族は都会生活を好み、芸術好きで特に音楽や楽器の演奏を好みます。

 彼らの性格は、物事に対してクールかつ知的で、自らは危険を絶対に冒さない賢者タイプです。


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・ティルス族 R.ragna var.tyros

挿絵(By みてみん)


 ティルス族はラグナ族と同種族の諸派で、髪の毛が明色の水色である事を除けば、やや細身である事を除けば、体格や外見はラグナ族と同じです。

 アラル海とカスピ海を繋ぐカラクム半島にティルス王国を建設しています。都会型の種族で、華麗であることを信条とし、生真面目で堅実な生活を旨としています。外征や冒険等にはあまり出たがりませんが、カスピ海のマーメイド族と同盟関係にあり、精強な海軍を持っています。


 彼らは、人魚たちと関わりが深く、種族分類学者の指摘では、その血も混じっているようです。

 実際に、ティルス文化の伝承では、彼らの祖先は地上の人間と結ばれて人間になりたかった人魚であるとされています。


 武器は男女とも細剣を使う剣士です。歌唱が好きで、特にティルス族の歌い手は美声な事で知られています。


 ティルス族は多くが器用で、武器は細剣や弓の使用を好みます。金属の加工は苦手です。

 他に特徴的な文化として、彼らには料理への嗜好がほとんどなく、特に焼肉系統の料理はほとんど食べません。これも人魚の影響と言われています。

 ティルス族は青髪の種族が集まった、カクラム半島、コーカサス半島、カスピ海、黒海を領する青の連邦に所属していましたが、現在では独立しています。

 彼らの多くはデウス教徒で、マキナ教徒とは少し違う社会制度をもっています。


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・アテナ族 R.urthr var.athina

挿絵(By みてみん)


 アテナ族はラグナ族と同種族の諸派に含む説が有力ですが、実際は男性の遺伝子がヴァン族、女性の遺伝子がラグナ族の混血種族です。

 ヴァン族の中の海洋進出に積極的だった種族が、現地のラグナ族女性と結ばれて誕生したと言われています。

 彼らは、主に海洋を周回する海の民で、男性も女性も定住を嫌う大の冒険好きです。海の遊牧民という感じですが、実際は海賊という呼称の方が相応しいでしょう。


 アテナ族の体格は、男女とも橙色の髪の毛を持ち、男性はヴァン族、女性はラグナ族の特徴とほとんど変わりません。

 アテナ族の男性は巨漢で見た目通り怪力です。


 彼らには、変わった特徴があります。

 アテナ族の女性はなぜか、精神の考え方が男性です。性同一性障害というわけではなく、普通の男性のような思考を宿します。

 つまり、恋愛対象として女性を恋人にしたいと思っているのです。もちろん、女性の体で子供ができるわけではないのですが、彼女達は自分達の体が女性であることを不便だと思っているだけで、男性精神であることは別に不思議に思ってはいません。

 それではアテナ族はどういう風に繁殖しているのかというと、基本的には婚姻はせず、男女は男同士の友人、または男性の上下関係のついでのように性交し、子孫を残しているのです。

 男性精神のアテナ族の女性では、女海賊の頭目として活躍することもありますが、リーダーにならない場合は、独立して都会で盗賊になるか、世俗に堕ちるか、船に残る場合は、男のリーダーの“女として使える手下”になるしかありません。

 種族分類学者は、これは海上遊牧という男性だけの特殊な空間だけで生活した世代が続いたせいであると指摘しています。

 アテナ族の女性は、考え方が男性だからといって、男性的な服を着るというわけではなく、自分の肉体の価値を最大限活用しようと考えているので、華やかさはないものの、女性の衣装を着ています。


 アテナ族の一部の処女は“天使の弓”という特殊能力を持っています。

 その能力は、弓の射撃力を高めるというもので、彼女達の弓矢は非常に遠くまで届きますし、そして強力です。彼女達の細腕からは信じられないほどの威力の矢が放たれます。

 ただし、アテナ族で“天使の弓”を持つ者は、混血により大きく衰退しています。また、男性思考で貞操観念が乏しいので、失われることも多いでしょう。

 この能力の有無にかかわらず、男女とも長弓が得意で、海上での戦闘でよく使用します。

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