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ヘロ・イン・ザ・モーニング

作者: BJ

カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ・・


ぱっと潔く俺は目覚めた

時計の秒針の音だけがまるで俺の脳みそを刺すかのように頭蓋骨に響き渡る

何時だろう?

俺は窓の外に目を・・

あ、俺は漏秘根ヘロ、会社員、32歳独身の一人暮らしです

窓の外に目をやると外はもう薄明るくなっていた

今は五月だから恐らく5時あたりだろう

アラームが鳴るまでもうしばらく時間がある

寝よう

俺は再び目を閉じた


カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ・・


再び時計の秒針が俺の頭・・


「火のぉ〜用ぉ〜心〜カチッ、カチッ、マッチ一本火事のもとぉ〜カッチッ、カッチッ・・」


何だ、シロクマ君じゃないか、てっきり時計の音だとばっかり思っていたよ


「俺たちも絶滅の危機に晒されてるからな、これくらいの事はせんといかんのじゃないか?おかわり・・」


俺はおととい大型電気量販店から買ったばかりの炊飯ジャーのふたを開けワルサーP38を取り出すとおもむろにシロクマの眉間めがけてぶっ放した


「アッカイ〜ナミゥオ〜ケェヘ〜ヘテェ〜・・ルパンか君は!・・ぁあ〜あぁ〜こんなに血飛沫が・・何がシロクマだよぉ〜・・こんな真っ赤じゃ《と、その時》


ドンドンドンドンドッ!ドンドンドンドンッ!


「開けておくんなはれ!開けておくんなはれ!」


すぐさま窓に目をやると一人乗り型円盤を操縦するゾウアリクイによく似た宇宙人が恐らく中は腰掛けている状態になっているのだろう上半身だけを露出したままの操縦体勢で慌てふためいた顔で何度も我が家の窓ガラスを叩いていた


カチャッ・・


俺が窓を開けてやると転がり込むように宇宙人が円盤ごと雪崩れ込んできた


宇宙人はおもむろに己の股間の中から夏ミカンによく似た銃らしき物を取り出すとそれを闇雲に当たりかまわず俺の部屋中にぶっ放し始めた

レーザービームが稲妻のように俺の部屋中を駆けめぐった


やめろぉーーーっっ!!


ミノ、カルビ、ロース、センマイ、レバー

俺は昨晩の喰いかけのホルモンを思いっきり宇宙人に投げつけてやった


「何しよりまんねんなほんま、ビックリするやおまへんか、見せもんちゃいまっせほんま」


あんたこそ何だよ、ビックリすんのはこっちだよ!人の部屋無茶苦茶にしてさぁああっ!


「あんたなぁ、このあんたらが地球っ言うてるこの惑星なぁ、俺ら第三者から見て大変なことになってもうてるでしかし。緑、無くなってもうてるよっちゅう話やがなほんま。温暖化やらなんやらかんやらでもうさっぱりわやでっせ、あんたら人間の【欲】っちゅうモンスターがこの惑星を滅亡させてまうんでっせ、あ、ここに血だらけで倒れている虫の息のシロクマ君達も危ないんでっせぇ、ま、今もある意味危ない状態でっけどなシロクマ君(笑)」


なるほどそうだったのか・・

守らねば・・

この美しい水の惑星『地球』をなんとしても守らねば

で、教えてくれ宇宙人、この星の住人である俺達はまず何をやらねばいけないんだ!?


「アホーーーッッ!!そんなんワシに聞いてどないさらすんじゃボケーーーッ!!おのれのケツは己で拭かんかいカスーーーッッ!!君とはやっとれんわーーーっっ!!」


あ、ちょ待っ・・


宇宙人は速攻で朝日がのぞき出した東の空に向かって猛スピードで飛び立って行った


何かを始めねば・・

アプローチせねば・・

アクションを起こさねば・・

ムーブオン

ムーブオ・・


シコシコピッピィーーーッッ!!シコシコピッピィーーーッッ!!シコシコピッピィーーーッッ!!


起床のアラームが鳴りだす

俺はその目覚まし時計めがけバズーガ砲をぶっ放すと続けざまに窓に駆け寄り窓越しにあたり構わずバズーガ砲をぶっ放す


俺は目覚めた


壊すこと

そう、この美しい地球を救う手だては人間自ら造り上げた文明を自らの手で破壊すること

そう悟ったのだ


パトカーのサイレンが

消防車のサイレンが

救急車のサイレが街中に鳴り響く

自衛隊のヘリコプターが飛び交い

装甲車がうねり走る


それをしり目に『地球防衛軍』と刺繍されたタスキをかけた俺は、白馬にまたがり颯爽と戦火の街を駆け抜け、勤務年数10年目のあまり愛着のない職場へと向かうのであった


            


                〓END〓



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