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第十回「秀吉の危機」

(ナレーション)「その頃、大坂城で太閤となった秀吉様は、官兵衛がいないといいやー、楽だしーとかぼやきながら、黄金の茶室でちこちこ買い直したばかりのウィンドウズ10をいじったりとかしていたのでございます…」


「さて、人質を送ったから家康殿からメールが来てるかな、っと。…ってあれ!誰だ、わしのパソの待ち受けいじったのは!三成、お前か三成!」

(三成、秀吉に頼まれたアイスフラッペをお盆に載せたまま、澄ました顔ですすっと寄ってくる)

「何をおっしゃいますか、私が殿下のパソコンを勝手に開くなど人聞きの悪い」

「人聞き悪いじゃないよ!実際、勝手に開いただろ!なんなんだよ、このイタイ待ち受けは?」

「号泣魔法少女マジカルののたんがなにか?」

「すでに罪悪感ゼロかよ!しれっとしやがって。わしはお前をそんな子に育てた覚えはないぞ!?」

(三成、それでもしれっと話を続ける)

「マジカルののたんは使い道の判らない魔法の使い道を聞かれて、ガン泣きするんですよ。また、その泣いた顔が萌えで…あっ、この待ち受けもほっとくとカワユスな泣き顔になるんです☆」

「知るか!死ぬほどどうでもいいわ!くそう、どうしてくれるのじゃ!ここにはこの間、官兵衛に盗撮して作ってもらったお茶々様のスクリーンセーバーが入ってたのだぞ!」

「そんなもの持ってるのお茶々様に見られたらドン引きされますよ。殿下、よくお考え下さい。例えば二次元なら実在しないから、そんなことは起こらないのです。リアルにいないなら、寧々さまだって嫉妬しないはずです。秀吉様、時代はこっちです!」

「そっちへ行ってたまるか!とんでもない方向へ天下人を導くなよ!こんな待ち受け入れてたら、違う方向でドン引きされるじゃないか…あれっ、三成、お前ここにあったフォルダもないぞ?九州にいる官兵衛からもらった報告データが入ってたやつがあったろ?」

「削除しましたよ。どーせ盗撮動画でしょ?」

「違うよ!…いやまあ、そうかも知れんが、あいつ一応仕事はちゃんとやるんだよ!まだ保存しただけだったのに…あれっ、メールもない!?」

(全部消したのは三成なのだが、完全にスルーして自分の話を続ける)

「いつか申し上げようと思っていたのですが、やつは危険です。捜査当局からもそろそろ睨まれていますし。殿下、あまり官兵衛殿を信用なさらない方が」

「勝手に人のパソのデータをいじるお前に言われたくないよ!三成、確かにあいつは危険思想の持ち主だし犯罪者だし嫁には指名手配されているが、仕事はまともな男だ。あいつはな、長年苦楽をともにし、もはや血肉を分けた同志じゃ!嫁にいじめられてるところも一緒だし、あいつとはイロイロ話が合うのだ。たとえ捕まっても、わしが保釈金を出してやるわい!」

「へー、あーそーなんですかー」

(官兵衛との熱い絆を力説する秀吉。しかし三成は、秀吉のパソコンで勝手にアニメ動画を再生してて全然聞いてない)

「大体官兵衛殿は殿下の御威光を使って、やりたい放題なんですよ。経費で変なもの買うし、公の場でちちしりふとももとか連呼するし。そもそもそんなにおっぱいが大きいのがえらいんですかねー」

「何を言うか!巨乳は基本だぞ。まさかと思うが三成…お前っ」

「そのまさかですよ」

(ニタリと笑う重傷過ぎる三成に愕然とする秀吉)

「要らないと思いませんか…女性の胸に膨らみなど!そんなものがあるから、官兵衛殿のような輩が現れるのですよ!これからはちちしりふとももではなく、ナイチチずん胴こそ天下に覇を唱えるべきなのです!」

「こっ、ここにも修羅が…」

(自分の側近には救いようのない変態しかいないことに気づき、膝が笑う秀吉)

「わし、天下人辞めていいかな?(涙声)…」

「辞めては困ります!殿下、天下の偉業はむしろこれからではありませんか!日本のアニメ界はワールドワイドになりつつあるのですよ!豊臣政権の手で日本を世界に覇を唱えるアニメ立国にしなくてどうしますか!まずは手始めに国内の巨乳派を一掃し、ナイチチずん胴の二次元世界を世に知らしめるのです!」

「アニメ好きな人にも巨乳好きいると思うんだけど…」

「無駄に賢くならないで下さい。リアルになくて2Dにしかないもの、それこそ年齢不問、永遠のつるぺたなのです!手始めにヒンヌー教を国教に定めましょう!来る海外派兵も明や朝鮮ではなくナイチチ共和国に攻め込むのです!ねーえ、いいじゃないですか~殿下ぁ~官兵衛殿も好き勝手やってるんだから、三成の言うことも聞いて下さいよぉ~」

「お前最後、本音がダダ漏れじゃないか…」

(なりふり構わず駄々っ子してくる三成に、それ以上返す言葉もない秀吉)

「そんなこといいますけどね、殿下!殿下だって二次元の影響を受けてますよ!殿下がご執心のお茶々様だって、アニメ世代ど真ん中ですよ!二次元を勉強しないと、あの方とお話しできなくなっちゃいますからね!」

(まさか、と取り合わない秀吉。しかし、物影から包帯まみれの女が覗き込んでいるのを発見してぎょっとする)

「そっ、そこにいるのはまさかお茶々様!?」

「クククク…我が前世の宿敵、魔猿王(まえんおう)デガルドヒヨシ、現世でも我を陥れようと悪辣な謀議をこらしておるな。こたびは燃やさせぬ…もはやこの城は燃やさせぬぞ!古の魔王の血によって永の(うまい)から目覚めし我が邪気眼を喰らうがいい!」

(くわっ)

「なっ、なんかポーズとってる?!デガルドヒヨシってわしのこと?!燃やすってこの城、わしが建てたんだけど!?大体なんなんだあれは!?」

「中二病に決まってるでしょう。茶々様は殿下に会ってないときはいつもあんな感じなんですよ」

(愕然とする秀吉。しかし怪しげな邪気眼のポーズを取る茶々の悪夢は、まったく消えない)

「茶々殿は二十歳だぞ!中二病とやらは中二しかならないのではないか!?」

「またまた無駄な知識を。茶々様の場合は特別です。殿下、あなたが二回も茶々様の住んでいるお城を落としたりしたからですよ。ベルセルクばりのダークファンタジーな体験を経たばかりに、茶々様の中二病は年々重くなって…」

「ククククク…僕の伯父上は第六天魔王だからね。二十歳にして、永遠の中二病ですがなにか?」

「自覚あるんだ!?」

「茶々様ともなると普通の中二病の人が体験できない経験をしちゃってますので」

「わ、わしのせいでか。困ったな…しかし、ああなったらどうやって会話すればいいのだ!?」

「もはや普通の会話では無理です。まあ、見てて下さい。オラクルチャチャ様、お久しゅうございます。前世の私をお忘れですか?」

「貴様はジブノランダー伯か!久しいな。見よ、我が邪気眼に籠もる忌まわしい前世の記憶を!小谷のお城が真っ赤に燃える動画がアップされておるわ!」

「もはや邪気眼設定すら支離滅裂ですな…」

「キャラがぶれてるなーと思っても逆らってはいけません!ノッて下さい!ほら早く架空の王国とか魔法とかアイテムとか出して、もっと設定を広げてあげて!」


(一時間後、アニメ狂の二人にいじられまくり、黄金の茶室で独りすっかりメンタルが折れている秀吉)

「…にっ、逃げたいっ、田舎に帰って百姓に戻りたい…もう変態どもの相手は疲れた…」


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