表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ブルーローズ

宝石言葉は -純粋-

作者: RAVE

一族にとっては捨て駒。

切り捨てても、まったく、痛くない人材。


彼女にとっては友達。

不意にいなくなられては寂しい。


ただ一人だけのために。

彼女のためだけに死んでいく。

彼女さえ無事ならそれでよい。

ただ。


貴女あなたのそばに、いられれば。

それだけで、幸せ・・・で。


たとえ、僕が消えて。


なにか、別の生物ものに生まれ変わった、としても。


貴方あなたのそばに居たくって。



ただただ。



何気なく過ぎてゆく時間まいにちが。

本当に。

本当に幸せだった。




そう、あなたが。


あなただけが、僕にくれたのだ。



”幸せ”と感じる心。



”うれしい”や”たのしい”も。


”さみしい”や”にくい”さえも。




貴女にあって、はじめて知った。



あなたが。


僕に。



感情をくれたのだ。





僕の一族は、貴族と呼ばれていた。



公爵と呼ばれるくらい。


どれだけ偉いのか。



なんて、僕にはわからなかったけど。


その国を代表する、とても有名な貴族だと言っていた。





もともと、国でもそれなりの一族ではあった、らしい。



創造主かみがこの世界を作られた当初から、

この国にあったと記録されている。



つまり、創造主かみが自ら作られた、全てのものの一部であった、と。



あるとき一族は、王族の姫を守る第一の騎士を輩出はいしゅつした。


彼の名は”ルベウス”。


”ルベウス・サフィニア”と記録されていった。

その絵姿えすがたも残っている。



燃えるような深紅しんくの瞳。

赤みを帯びたブロンド。

そして、バランスよく鍛え上げられた肢体からだ



青色系統の瞳に、ブロンド。


そんな一族の中に生まれたのに、彼がしいたげられることはなかった。


彼の瞳が赤かったのは、別の地域の血を引いたから。

自国内くに同種族きぞくのみと婚姻こんいんを繰り返してきた一族が、

それなりの事情で遠方のたこくの血を受け入れた結果だったからだ。


彼は幼い頃から王宮に上がり、力をつけ姫の騎士になったという。


その当時に争っていた非友好的な多国(がいてき)を討ち滅ぼし、王族を守った。

彼の行いで、一族はますます栄えたらしい。



それからの一族は、それなりに国外の貴族とも縁を結んだようで、

紅い瞳の子供もときおり生まれるようになった。


・・・でも、僕の瞳は。



藍でもない。

そして紅もない。


オレンジ色に近いピンク。


一族の落胆≪らくたん≫と、今まで以上の侮蔑≪ぶべつ≫。


藍でないことは生まれた時からわかっていた。

感じていた、ほかの兄弟との少しの差別。


しかし、紅でないことは数年前まではっきりしていなかった。

そこからはいないものとして扱われた。



偶然出会ったあの人だけは、『綺麗ね』とほほ笑んでくれた。


こうもいってくれた。

内緒の話よ?って。


「同じ石なのに、紅い色だけが特別。

だから別の名前で呼ばれている石があるの。

藍い色の石が代表的でね、紅い色以外をまとめて同じ名前で呼ぶの。」


まるで僕の一族のような石だと思った。


貴女はさらに微笑で言葉を続けた。

僕の感情を読み取ってようで、ドキッとした。


「でも実はね。その石の中で紅とオレンジの中間・・・そうちょうどあなたの瞳のような色も特別でね。」


微笑みは優しくって、いたずらっぽくって。


「紅い石よりもずっと希少価値が高いのよ?

パパラチアと言ってね、蓮の花っていう意味なのよ。」


「蓮の花はね、きれいな水だと小さい花しか咲かなくって、

泥の中でこそ美しい花を咲かすのよ。

人も苦労したほうが、大きく美しく咲く(生きる)ことができるってことね。」


貴女の言葉で、微笑みで、

ただ貴女と一緒に居れるだけで、僕の心は暖かくなる。


生きているんだっと実感した。


もう気が付いたかな?

まだ気付いていないといいな。


あなたのために死ねるなら、僕が生まれた意味はある。

あなたのために死ねるこの瞬間を、僕がいとう訳がない。


僕があなたのために死んだこと。

あなたが気づかなければ・・・いい、けど。


・・・むりなのか、な。

こんなはずじなかったのに。

こんなイベント・・・じゃ。

彼の純粋さを表現するのが、こんなイベントだなんてorz


わかる人には題材となった宝石がわかりますね。

ええ、そのとおりコランダムの・・・。


あ、一人だけ名前が出てきてますが、彼の話もいずれお目見えします。


誰も見てないと思うから、直した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ