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陰陽師の末裔  作者: ゆめ
3/3

放課後

「よし、それじゃあ今日も1日お疲れ様。解散っ。あ、掃除当番はちゃんとやってけよ。じゃあ、俺はちょっと用事あるから。」

そういって小田が出ていくと、みんなは机を後ろに下げて出ていき、掃除当番がほうきで床をはきはじめた。

(じゃ、私もかーえろっと。)

そう思い教室をでていく花瑓かれん。すると、後ろから足音が聞こえてくる。振り返ると晴明はるあきが立っていた。

「北條さん、わかんないことあったらきいてっていってたよね?」

「う、うん。」

「まだ引っ越してきたばかりでこの辺のことよくわかんないんだ。もし時間があれば案内…とかしてもらえたらなって。」

「べ、別にいいけど。」

「よかった。」

にこりと微笑む晴明に花瑓は少し目をそらせながら、

「じゃあ、まずは商店街から案内するね。行こう!」

と昇降口から飛び出す。すると、

「ねえ、転校生って…。」

とシルクが鞄から顔を出す。

「あ、シルク。あの人よ。」

花瑓が目をやった先には靴を履き替えて出てくる晴明の姿がある。

「ねぇ、シルクあの人昨日の人に似てない?」

うーん、と考え込むシルク。

「ちょっと待ってよ、北條さんったら速いよ。」

と晴明が花瑓に追いつく。

「そんなことないない。じゃあ、行こっか。」

と悪戯げに笑う花瑓に晴明は思わず見惚れてしまう。


10分くらい歩くと商店街が見えてきた。

「あ、あそこが商店街だよ。」

「へぇー、松葉牡丹商店街?」

「そう、昔ここにはたくさんの松葉牡丹が咲いてたかららしいの。」

アーチをくぐると、どこか懐かしさを感じさせる店々が並んでいる。

「あのね、ここのお肉屋さんのコロッケがとっても美味しいの。」

「でね、こっちのパン屋さんの一押しはクリームパン。自家製カスタードクリームが病みつきになるのよ。」

「自家製?食べてみたいな〜。」

「食べなきゃ、損よ。それからね〜」

…と笑顔で案内してくれる花瑓に、楽しそうな晴明。

… 「これでおしまい。」

夕日を背にくるりと振り返る花瑓。

「ありがとう。とっても楽しかったよ。」

「よかった。…あの、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

「何?」

まじまじと花瑓の目を見つめる。

「えっと…」

目をそらす。

「お家どの辺かなーって。遠くなっちゃってたら申し訳ないなって。」

「あ、家?大丈夫。たぶん遠くなってないと思うし。」

「そっか。よかった。私はあっちの方なんだけど…」

「ほんとに?僕もたぶんあっちの方だと思うんだ。じゃあ、一緒に帰ろうか?」

うん、と頷く花瑓。そして2人は歩きだしたのだった。

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