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第七話

「えっと……」

オレは相手の不思議な発言に戸惑っている。事故で助けてもらったよく分からない男に「一緒に行動しませんか?」という言葉を発する少女がこの世界にいていいのだろうか。まぁ犯罪者に仕立て上げられる青年もいていいのかと言われればよくないだろう。世も末だ。

「やめたほうがいいじゃないか?オレも厄介事がいろいろとあるし。」

「そうですか……。」

少女が落ち込んだような素振りをする。人嫌いのオレとはいえ、他人を落ち込ませたり傷つけたりすることに全く躊躇いが無い訳ではない。ただ犯罪者と一緒に行動して少女に何らかの被害が及ぶのではないかという不安があった。さっきの男もそうだ。きっとオレの人嫌いはそういう他人が自分のせいで不幸になるという不安、罪悪感、恐怖心から逃げるために作りあげたものなのだろう。おそらくオレの人嫌いはオレが死ぬか、記憶を失うかしないと治らないだろう。

「……。」

気まずい沈黙が続く。

「なーにやってんだ、そこの少年少女。」

突然背後から聞き覚えのある男の声が聞こえた。振り返るとあの30代ぐらいの男が立っていた。

「あんた……」

「三回目だな、少年」

相変わらず前と同じ飄々とした口調。

「あの……こんばんは……」

少女は見るからに戸惑っている。突然知らない男に「少女」と呼ばれたら当然かもしれないが。……三回目?

「三回目じゃない。二回目だよ。」

「何言ってんだ?工場で一回目、駅で二回目、それと今が三回目だろ?」

駅?そんなところでこの男に出会ったことはないはずだ。

「人間違いじゃないか?」

「いや、そんなわきゃねぇよ。」


何かが起きている。


オレは直感した。

しばらく時間が空いてしまいました。すいません。謎はどんどん深まりますよ(=・ω・)/

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