【ダンジョン】クエスト受注しないと天罰くだるらしいから、やってくよ(´;ω;`)【配信】1
「思い切って生配信にしてみたけど、視聴者数は見事にゼロかぁ」
と、その青年が呟いた時だ。
視聴者が1人増えた。
なんなら、コメントも書かれる。
《一コメ》
《あ、ここかぁ》
《やっほー、スレ主!》
《おや、顔出し配信とは思い切ったなぁ》
視聴者数が一気に増えた。
なんと30人もの人が、この生配信を見ているらしい。
生配信の主は、いわゆる目隠れ男子と言うやつでかなり地味で大人しそうな印象を受ける。
その生配信動画は、青年の頭上から撮影しているらしく、ちょっと変な構図となっている。
《エリーちゃんは?》
《エリーちゃん目的で来た件》
《エリーちゃんplease》
「あー、うん。
エリー、視聴者さん達がお呼びだぞー」
スレ主が言うと、エリーが映し出される。
「えーと、エリーです。
よろしくお願いします!」
ぺこり、とエリーが頭を下げる。
《美少女だ》
《お助けキャラかぁ》
《噂のお助けキャラが出てる生配信はこちらですか??》
エリーの登場で、同接数が一気に1万を超えた。
「エリー、大人気だなぁ」
と、スレ主は小さく呟く。
ちなみにスレ主は視聴者数と同接者数は違うものらしい、と配信までに学んでいた。
視聴者数は累計で、同接者数は瞬間的なものらしい。
もちろん、彼女の可愛さ美しさだけで数字が増えた訳ではないことは理解していた。
みんな、気になるのだ。
世界中が気になっているのだ。
【お助けキャラ】という存在が。
《そりゃ人気だろう》
《今のところ誰も、お助けキャラが出てないからな》
《他にもいるらしいが、まだ誰もガチャで当ててないし》
《それはそうと、撮影ってもしかしてドローン使ってる??》
「うん」
最初は自撮り棒を買ってきて、携帯端末を使ってスレ主とエリーの戦闘の様子を交互に撮影して編集し、投稿するつもりだった。
しかし、クエストを受注した翌日。
枕元に、綺麗にラッピングされたプレゼントが置かれていて、開けてみると撮影用ドローンが出てきたのである。
神様からのプレゼントであった。
なんなら説明のためのメッセージ付きであった。
そのことを説明すると、
《サンタクロース??》
《神様じゃなくて、サンタさんが来た?》
《やってることサンタクロースじゃん》
《サンタクロースは実在した??》
《やっぱり、やっぱりサンタさんはいるんだ!!
ウチのお父さんじゃなかったんだ!!》
《誰かの夢も守ってて草》
《あ、他の人たちも配信始めてるな》
《なんか、スレ主がいつもちと早く動いてる感じしない??》
《今回はみんな、様子伺ってるんだろ》
《それだな》
《それな( ´-ω-)σ》
《まず誰かが生贄になって、上手くいってるようだったら追従するのはあるある》
《それはそうと、スレ主、顔出し配信大丈夫??》
「HAHAHA。
だって、とっくに顔晒されてんだもん」
ダンジョンから脱出出来て、病院に入院したその当日にはすでにマスコミへ、小、中、高校の卒業文集やら修学旅行等での集合写真なんかが流れていて、報道ではモザイク処理をされて公開されていた。
しかし、インターネットではすでにモザイク無しの画像が出回っているし、本名まで拡散されている始末だ。
ちなみに、彼の本名は【山田陽祐】である。
「もう、それならこっちから顔出しして活動するしかないじゃん」
《これだからマスゴミは》
《仕方ないよ、だって世間は知りたいんだもん》
《諦めからかぁ、顔出しは》
「まぁ、そういうこと。
と、まぁ、身の上話をグチグチ言っても始まらないから。
クエストやってく。
あ、ちなみにこのクエストについて政府は把握してるから、普通にダンジョンに入れた、と説明しておく」
《おう》
《頑張れ!》
《頑張れー》
《たのしみー》
《あ、そっか今出入口は自衛隊が監視してるんだよな》
《無謀なやつは今のところ出てないが、時間の問題だろうなぁ》
《噂じゃ、そのうちダンジョンを管理する部署だか組織が作られる予定らしいぞー》
ちなみにこの時点で、同接数は5万を超えていた。
こうして、世界中が注目するなか配信は始まったのである。
後に【伝説の始まり】と動画にタグ付けされ、呼称されることとなる配信である。




