配信事故で、また億バズした件8
「ご迷惑とお手数をおかけしました」
改めて深々と、東雲優奈とその仲間達は陽祐達へ頭を下げた。
「いえ、そんなお気になさらず」
自分より年下のはずだが、大人びている。
そんな彼女達に、【魔素中毒】の説明をする。
説明をしている最中に、オリヴィアによって引導を渡され、蘇生させられた華灯が目覚めた。
東雲と華灯の視線が交差する。
「あー、その、色々ごめんなさい」
華灯が起き上がり、東雲へ謝罪を口にする。
「あ、いえ、こちらこそ、本当にすみませんでした」
華灯にも暴走状態時の記憶があるらしい。
と、そこでオリヴィアがちょんちょんと陽祐の肩を指で叩いた。
「?」
コソッと、オリヴィアが陽祐へ耳打ちする。
「エリーは勘違いしてるみたいだから、主には言っておくわね」
「なにを?」
「華灯さんね、東雲さんを倒した所までは魔素中毒じゃなかったの。
素よ、あれ。
魔素中毒になったのは、その後。
エリーに襲いかかったとき」
「へ?」
「つまりね、東雲さんを相手にしていた時は、ミィを倒されて頭に血が上ってただけ」
「う~わぁ……」
世間的な評価と、実際のところの実力者はイコールにはならない、ということだろう。
あと、華灯のことは何があっても絶対に怒らせないようにしようと、陽祐は誓った。
ちなみに、ミィは気絶してるだけであった。
オリヴィアが回復させたらすぐ目覚めていた。
謝罪諸々はそこそこに、その日は解散となった。
その翌日のことだ。
冒険者全員へ、神からメッセージがおくられた。
内容を要約すると、
【ダンジョンのメンテナンスをするよ!
暫く時間がかかるから、ゆっくり休んでね!
メンテナンス終わったら、相応の詫び石ならぬ詫びコインと、全員にお助けキャラを配布するよ!!】
というものだった。
さすがに、度重なるバグを放っておけなくなったのだろう。
最初の1日だけ、混乱があったものの2日目からはいつメンテナンスが明けるのかわからないので、世間がザワついていた。
メンテナンスが終わったのは三日目だった。
魔素中毒は改善されず、【魔素中毒回復ポーション】が10本ほど冒険者全員に配布された。
同じようにデッドゾーンに関しても改善されなかった。
そのため、オリヴィアを手に入れていない冒険者全員に、彼女が配布された。
すでにオリヴィアを手に入れていた冒険者には、ガタイのいいオッサンお助けキャラが配布されたのだった。
突撃槍を持ち、全身鎧をまとった戦士職のキャラである。
配布された日、玄関のブザーを鳴らして現れたので、さすがに陽祐は腰を抜かした。
突撃槍という、武器を携え全身鎧の巨体が玄関先に立ってたら、誰だって驚く。
「お初にお目にかかる、我が主。
我が名は、ゲイン。
前衛は任せてくれ」
「あ、はい。
よろしくお願いします」
ちなみに詫びコイン配布もあった。
しかし、ゲインの登場によって深刻な問題が生じてしまった。
部屋数が足りないのである。
しかも、ゲインは鎧を脱いでも巨大なので、実家では手狭なのだ。
お助けキャラとともに、家族会議を開いた結果。
父親が半分家賃を出すからどこかにお助けキャラ達のために、部屋を借りようということになった。
「この際だし、陽祐も実家を出てみたらいいかも」
そんなわけで、陽祐は家を出ることになり、さらにお助けキャラという家族を養う大黒柱に急遽昇格してしまったのだった。




