ミノタウロスは何処( 'ω')?9
掲示板への書き込みに、返信しつつ十五階層へ戻る。
今度はミノタウロスを避けて、休憩スペースへ直行した。
スレ民達の書き込みで1番多かったのは、
【何故水筒ですぐに反撃しなかったのか?】
というものだ。
「正直に書くべきか、否か」
悩みつつ、ガチャを回す。
ポーション類が手に入った。
「なんの話です?」
華灯が聞いてくる。
陽祐は携帯端末を見せた。
書き込まれた疑問を読む。
「たしかに!
なんで水筒を投げつけなかったんですか??」
「いや、その……」
竹刀、もしくは手持ちの鉄パイプや鉄の剣に、火魔法を付与して倒したかった、と素直に白状する。
だから、エリーとオリヴィアにも様子見しててくれと頼んだのだ。
この二人は、陽祐がやられるとすぐに14階層の休憩スペースにまで戻ってきてくれた。
「あー、男の子の夢ってやつですか??」
「まぁ、うん」
「わからなくはないですけど。
いま、掲示板実況ですよね?
配信と違って、撮れ高とか気にしなくていいんだから、見栄えとか考えなくて良くないですか?」
カッコつけより、効率を考えてさっさとミノタウロスを倒した方がいいだろう、というのが華灯の考えだった。
「まぁ、うん、そうなんだけどさ」
どうせなら、かっこいい技を使って倒したい、という気持ちの方が勝ってしまったのは事実だ。
たまにはそんな気持ちになる時だってある。
「なんちゃって……私も人の事いえないですけどねぇ」
ミノタウロスの背後をとって、ひたすらケツ穴に鉄パイプを突き刺そうとしていたのは、他ならない華灯である。
そこに拘ったがために、負けてしまったのだか。
「えっと、華灯はなんで執拗に、その、穴ばかり狙うの?」
「え、それ聞きます??」
「まぁ、うん、なんか気になって」
というか、見ていておしりがキュッとなるのだ。
「いやぁ、とある映画の影響でして」
「映画??」
「はい、古い所謂B級映画、になるんですけど。
SF映画で、エイリアンを倒す話でして。
倒し方がエイリアンの穴に、ホースだったかな?
それをつっこんで、弱点のシャンプーだったかリンスだったかを流し込んで倒すんです。
いつかエイリアンと戦うことがあったら、やってみたいなぁって思ってたんですよ」
どんな理由だ、それは。
陽祐は思わず言いかけて、言葉を飲み込む。
「こんな事に巻き込まれて、チュートリアルの時にふとその映画のことを思い出したんです。
シャンプーは無いけど、ガチャで手に入れた鉄パイプはあったんで、それをガーゴイルの穴に、試しにぶち込んだら一撃で倒せたので」
ガーゴイルよ……。
石像だけど、おしりの穴、あったのかお前。
これには陽祐だけではなく、エリーとオリヴィアも引きつった笑みを浮かべてしまう。
「で、ほかのモンスターでもその倒し方をしたんです。
そしたらレベル低くても、やっぱり一撃で倒せたのでこれはイケる、となって、まぁ、その繰り返してたんです。
この戦闘スタイル」
襲撃者達に対しても、同じことをしたらしい。
しかし、モンスターと違って人を殺した事なんてないので、浅めにぶっ刺していたら反撃されてしまった、というのが真相らしい。
とんだケツ〇トラーもいたものである。




