【新クエスト】技能を取得しろってさ(´;ω;`)【やってくよ】8.
「でも、せっかくだし、技能ガチャ一回だけやってみよう」
《何が出るかな♪何が出るかな♪》
《そういや、今更だけどスレ主、戦闘時の動きがよくなってないか?》
《あ、それ俺も思ったー》
そのコメントを受けて、陽佑はちらりとエリーを見た。
「とても優秀でスパルタな家庭教師がいるからさ」
《あ、なるほどエリーちゃんに鍛えてもらったんか》
《エリーちゃんから手ほどき受けたな》
《チクショー、可愛い子と家でアレコレしてもらうとか羨ましすぎる》
「あははは、言ったろスパルタだって」
クエストをするのは、というかダンジョンでモンスターと戦うのは怖い。
死への恐怖も、怪我の痛みもそんなに感じないのに、戦闘は怖いのだ。
だから、本当ならやりたくない。
しかし、やらなければ天罰がくだる。
なら、こちらも考えを改めるしかないと腹を括っただけだ。
実際、エリーの家庭教師ぶりはスパルタだった。
しかし、少しわかったこともある。
まず、お助けキャラの能力はダンジョンの外でもそのままであること。
それは、ダンジョンから持ち帰ったアイテムに関しても同様だった。
たまたま母が包丁で指を切った時、ふと思いついてポーションをかけたら綺麗に治ったのだ。
ほかにも、父が不注意で階段から滑って落ちたことがあった。
落ち方が悪かったらしく、足首の骨が折れてしまった。
そこにポーションをかけたら、治ったのだ。
これらのことは、政府に報告済みである。
おそらく他のもの達からも同様の報告が上がっていて、近々国民にも公表することになっている。
しかし、それよりも噂の方がはやい。
すでにこの事は広まりつつあった。
そのため、
《まぁ、ポーションが手元にあるならスパルタ授業でも、それ使って回復してればいいもんな》
と、コメントする者がいたからだ。
「そういうこと」
《そんなことより、早くガチャやって!》
《( ゜∀゜)o彡°ガチャ!ガチャ!》
《どんな技能来るか楽しみー》
「はいはい」
苦笑しつつ、陽佑はメダルを十枚つかう。
そして、ガチャを回した。
出てきたカプセルを手に取り、開ける。
煙と共に、手のひらへ現れたのは、
《ん?》
《なんだこれ??》
《飴?》
《飴玉っぽいな》
「あ、レモン味だって。
よかったー、ハッカ味苦手だから」
《味の問題か?》
《それで何の技能なん?》
飴玉は包装紙に包まれていて、そこに味と技能が記載されていた。
「技能は、【付与】って書いてある」
《付与?》
《付与って、なんの付与ができるんだ??》
「えーっと??
んー、自分の魔法を無機物に付与できる、としか書いてない」
《シンプルwww》
「とりあえず、いただきまーす」
《抵抗なく口に入れたwww》
《まぁ、飴玉ならな》
コロコロと飴玉を口の中で転がす。
しかし、バリ、ゴキ、バキバキっという噛み砕く音に変わった。
《おいwww》
《飴玉なら舐めろよwww》
《噛み砕いとるwww》
そして、ごくんと飲み込んで、
「昔からずっと舐めてるのダルくて、よく噛むんだよなぁ」
陽佑は呟いた。
そして、ステータス画面を確認する。
―――――――――
【ステータス】
○名前:山田 陽祐
○状態:ふつう
○職業:アルバイト 冒険者
○Lv:20
○技能:[火魔法1/1][付与5/5]
○特殊:[魔法袋]
○現在進行中クエスト:なし
―――――――――
「おおー、たしかに増えてる」
《でも、これどうやって使うんだ??》
「とりあえず、付与!
……あ、付与する魔法と対象の無機物選ばなくちゃなのか。
現時点だと、火魔法を、鉄パイプや竹刀、鉄の剣に付与出来るっぽい」
《か〇ん斬りできんじゃんwww》
《〇炎〇軍剣できんじゃんwww》
《やってみせてー(ノシ 'ω')ノシ バンバン》
「ようやく、ようやくふつうの攻撃が出来る!」
《そんなに普通じゃなかったっけ?》
《他の奴らが普通の武器でモンスター倒す中、スレ主は水筒を投げつける、水筒でぶん殴る、竹刀を叩きつける、しかしてないから》
《エリーちゃんがいるから余計に、ネタ道具のキャラがたっていってたからなぁ》
「それじゃ、ちょっとお試しで。
鉄の剣に火魔法を付与!!」
《おおおー!》
《漫画で見るやつだ!》
《アニメで見たことあるやつだ!!》
コメントは大盛り上がりであった。
ひとしきり盛り上がったあと、陽佑は残りのメダルで五枚のガチャを一回、三枚のガチャを一回、残りのメダルは全部一枚のガチャを回すのに使った。
結果的に、武器は【竹刀】を、他は【ポーション】、【技能回復ポーション】、【上級聖水】、【中級ポーション】がそれぞれ数個ずつ当たったのだった。
それらを魔法袋へ片付け、例のギザギザの印がある部屋へと向かう。
部屋の前まで来て、陽佑は絶句した。
なんと、カイトたち含め、ほかの冒険者達が呪われて死に瀕していたからである。




