【新クエスト】技能を取得しろってさ(´;ω;`)【やってくよ】4
ダンジョンは違えど、出てくるモンスターは基本同じだった。
スライムである。
竹刀の攻撃力の謎は解けたので、とりあえず今回は竹刀を装備、使用している。
階層を進む事に、陽祐はモンスターを倒し、新たに手に入れたメダルでガチャを回した。
なぜわざわざモンスターを倒して、改めてメダルを手に入れたかというと、
「まさか、一度チャージするとメダルに戻せないとは思わなかった」
そう、一度チャージしたメダルはキャッシュレス決済用にしか使えなくなってしまうことを知ったからだ。
ガチャは基本、メダルを投入して回すものしかない。
「ゲーセンにあるガチャだって、キャッシュレス決済可能になってるのに、なんでそこはハイテクじゃないんだよォ」
「あぁ、それは。
自分でメダルを入れて回す、という動作が楽しいから、という理由です。
娯楽の神はこちらの世界のガチャガチャで実際に遊び、キャッシュレス決済よりも昔からの方法の方を気に入ったので」
《そんな理由なんか》
現在は、四階層の休憩スペースでガチャをまわしている。
相変わらず竹刀ばかり出ている。
「なかなか、【剣】って出ないのなー」
《まぁ、確率だからなぁ》
《普通のガチャで、特撮のグッズ同じの10回出た俺が通りますよ
さすがに管理してるゲーセンの人にクレーム言ったわ》
《10回連続で同じの出るとかあるんだ》
《←ガチャ置いてある飲食店店員だけど、たまにあるよ
ガチャ屋さんの方でも中身ちゃんと混ぜて持ってきてるけど、こればっかりはほんと運だから(実話)》
なかなか欲しい武器はこない。
【木の棒】や【鉄パイプ】は来た。
しかし、あとは【竹刀】ばかりである。
陽祐はガチャをほどほどで切り上げた。
順番待ちをしている者達がいたからだ。
その者達に順番をゆずる。
『なかなか剣は出ない』と呟いた横で、陽祐のあとにガチャを回した者が、
「あ!!やったー!!
双剣でた!!」
嬉しそうに声を上げた。
「え!?
すごーい!!」
「めっちゃ運いいじゃん!」
と、一緒にクエスト挑戦中らしい者たちが騒ぐ。
エリーと同い年くらい、つまり10代半ばの少年少女達だ。
少年一人、少女二人の組み合わせである。
「いいなー」
小さく陽祐は言葉を漏らした。
《スレ主、乙www》
《運だから仕方ないよ》
《ほら、スレ主はエリーちゃんを引き当ててるんだからさ》
《エリーちゃんで、運を全部使い切ってる説》
《←それな( ´-ω-)σ》
《それはそうと、その三人映りこんでるけど大丈夫?》
《大丈夫大丈夫》
《平気平気》
《ダンジョン配信に関しては、まだルールが定まってないから》
《でも、事前に断りをいれる、とか、配信前にその場の人達に一声かける、みたいなローカルルールは出来つつある》
《そうなんだ》
《暗黙の了解ともいう》
《いま、ほかの人の動画見てきたけど普通に映り込みとかしてるし大丈夫じゃね?》
《この子達は配信してないんだな》
《そういえばそうだな》
《もう終わったか、これからするかのどっちかだろ》
《それな( ´-ω-)σ》
コメントが流れていく中、話題にされている三人が陽祐とエリーに気づく。
三人の顔に驚きの表情が同時に浮かんだかと思うと、
「水筒の人と、エリーさんダァァア!!!!」
少年が叫んだ。
《声でかwww》
《音割れしてるwww》
《音量注意》
《水筒の人www》
《スレ主、水筒の人言われとるwww》
「うわぁ、うっわぁ!
本物だ!!」
「ほ、ほんとだ!」
「あ、あの、握手してください!」
女の子の片方が手を突き出してくる。
「あ!ずりぃ!!
俺もお願いします!!」
少年も興奮気味に言って、手を突き出してきた。
「ちょ、二人とも?!
ご迷惑だよ!!
恥ずかしいし、やめなよ!!」
もう一人の女の子が、本当に恥ずかしそうにやめるよう、他の二人を宥める。
《ちょwwwスレ主www有名人じゃんwww》
視聴者達はおもしろがる。
一方当人たちは、顔を見合せるのだった。
作中でガチャの中身が10回連続で同じものが出た話がありますが、実話です。
こんなことねーよ、嘘乙とか言われそうですが、あるんです。
ごくごく稀ですが、本当にあるんですよこういうこと。
職場にガチャが置いてあり、それを管理する仕事(両替とか、不良品が出てきた時の返金とか他諸々)してるとね、あるんですよこういうこと。




