【ダンジョン】クエスト受注しないと天罰くだるらしいから、やってくよ(´;ω;`)【配信】9.
気を取り直して、コンビニへ入る。
すると、数字が表示された。
【2:00】
と表示されている。
「なんだ、これ?」
疑問を口にすると、その数字が【1:59】と減る。
《タイマーかな?》
《かもな》
《これ、ゼロになると爆発したりしない??》
そこで、エリーが補足説明をする。
「閉店までのカウントですよ。
爆発はしません」
「じゃあ、約二時間買い物できるってことか?」
「そうです。
コンビニはダンジョン内にいる人間が誰かひとり見つけることが出来れば二時間ほどその場に存在し、その後消滅します」
《へぇー》
《なるほどなぁ》
陽祐はキョロキョロと店内を見回す。
見慣れた店内だ。
店内をくまなくドローンで撮影する。
《ふつうだな》
《普通のコンビニだ》
《並んでるのも、なんかどっかで見たことあるような商品ばっかり》
パッと見は、普通のカップ麺や菓子パン、衛生用品に見える。
しかし商品をよくよく見ると【攻撃力UP】とか【技能回数回復効果有り】とかなんかそういう説明が記載されていた。
【回復治癒菓子パン チョコ味】なんてのもある。
【あの特級ポーションがチョコ味の菓子パンになって登場!!】という煽り文のPOPがある。
気になりすぎる。
本来なら、ネットで使えるギフトカードが吊り下げられてる場所には様々な武器や防具のカードがあった。
カードには、必要なメダルの枚数が記載されバーコードがくっついている。
さらに目立つ位置には、メダル用のカードが吊るされていた。
「なんでメダル用??」
説明書きを読もうとする前に、エリーから説明がはいる。
「何枚もメダルを数えて支払うのが億劫な人向けのカードです。
えーと、電子マネーのカードだと考えてください。
チャージは、最初の1回はレジでできます。
それ以降は、このカードを持っていればご自分でチャージ出来ますよ。
やり方は簡単で、手に入れたメダルをカードにかざすか、カードにもステータス画面が出るのでそちらの設定項目から自動チャージに設定できます。
つまり、キャッシュレス決済ができます」
《ダンジョン内でキャッシュレス決済www》
《なんでそう微妙にハイテクなのwww》
《うーん、このwww》
色々つっこみたいが、視聴者が全部言ってくれたので陽祐は黙っていた。
そのかわり、キョロキョロと店内を改めて見回す。
ちゃんとトイレも完備されている。
そういえば、ここまで催さなかったので気づかなかったが、休憩スペースにはトイレは無かったように思う。
「それにしても、他に人の気配は無し、か」
商品棚を見るのもそこそに、何気にレジのほう見れば無人レジがあった。
脇にはタッチ決済用の、よく見る機械まで設置されている。
《無人レジか》
《もしかしたら店員さんがいるのかもとか思ったが、いないのか》
《使い方は、パッと見よくあるタッチパネル式か》
《スレ主ー、試しになんか買ってみてー》
《あのレジでメダル用カードへのチャージもできるのか》
「言われなくても買うよ」
それが今回のクエストである。
「エリーの分も」
っと、二枚カードを手にしようとして、他ならないエリーに止められた。
「お助けキャラの手に入れたメダルも主が管理するので、私には不要です」
「えー、いいのかなぁ」
「いいんです。
そう決まっていますから」
強く言われてしまう。
そういうことなら仕方ない。
試しに、メダル用カードを手にしてレジへ持っていく。
操作方法は、視聴者もコメントで書き込んでいたがよく知ってるタイプのものだ。
タッチパネルを操作して、メダル用カードをレジに通す。
そういえば値段を見ていなかった。
表示された金額は、
【必要なメダル枚数:0】
であった。
《え、無料?!》
《マジかー》
《動画もどして確認してみた、たしかに表示価格ゼロになってる》
《すげー、太っ腹》
続いてタッチパネルの画面に、
【メダルをチャージしますか?】
【はい】【いいえ】
という表示が出た。
「チャージしておこう」
【はい】を押す。
すると、やはりよく見るタッチ決済とかができる機械にカードをかざすよう指示が出た。
指示通りにカードをかざす。
すると今度は、
【現在お客様のメダル所持枚数:125枚】
【全てのメダルをチャージする】
【チャージするメダル枚数を指定する】
という選択肢が出た。
めんどくさいので、全部チャージする。
ちゃらりらりん♪
そんな音とともにチャージが完了した。
カードに触れると、ステータス画面が表示される。
しかし、表示内容は至ってシンプルだった。
現在所持してるメダル枚数だけが表示されていた。
続いて、自分のステータス画面も確認する。
「あれ?
クエストクリアしてない」
《まじ?》
「まじまじ」
陽祐はステータス画面をドローンで映す。
まだクエストは進行中となっていた。
《じゃあ、なんか別に買わなきゃいけないんか》
そういうことなのだろう。
陽祐は店内を見回す。
何を買おうか。
しかし、買いすぎるのも抵抗がある。
ふと、さっき見つけた菓子パンが目に入った。
【回復治癒菓子パン チョコ味】
棚の前までいき、その商品を手に取る。
「これにしよ」
お試しなのだ。
どうせなら好きな味のものを食べたい。
それをレジに通し、購入する。
それからステータス画面を確認した。
クエストクリアとなっていた。
「おわったぁぁあ!!」
《おつかれー!》
《お疲れ様ー》
《終わったなぁ》
労いのコメントが書き込まれる。
そんな中、
《なぁ、ちょっと思ったんだけどさ》
《うん?》
《なになに??》
《いや、ほら、スレ主が竹刀装備しようとしたら【マイナス】表示だったじゃん?》
《あー、あったな》
《で、いま、カードにもステータス画面が出ることがわかったわけじゃん?》
《そうだな》
《それが??》
《さらに、ダンジョンの中に入ってる間、そこにいる人間は死んでも復活できる存在になってるわけじゃん?
これって別の存在になってるってことだよな?》
《うんうん》
《それが??》
《素人考えなんだけど、もしかしてダンジョンの外から持ち込んだ物も、そういう別の存在になってたりしないか??》
《だってスレ主、死んだら持ち物ごと休憩スペースに戻されてたわけだろ?
本来なら壊れてるハズの携帯端末も無事だったわけだし》
《あ》
《たしかに》
《そういうものかと思ってたわ》
《でさ、ちょっと思ったんだよね
スレ主の水筒、ただの水筒にしちゃなんか異常じゃないかって
まるで武器っぽい感じになってるなって
で、竹刀の件があったから、もしかしてさ、水筒が武器として認定、装備扱いになってたりしない??
つーか、水筒にもステータス画面でたりしないか?》
《えーwww》
《ないないwww》
《そんなトンチキなwww》
《でも、ガーゴイル倒せてるんだよな、あの水筒》
《2回、倒せてるね、ガーゴイル》
「ち、ちょっと調べてみる」
戸惑いつつも、陽祐は水筒に触れステータス画面が出ないか試してみた。
すると、
―――――――――
【名称】水筒
○Lv:88
○装備時攻撃力:+20
○単体時攻撃力:+500
―――――――――
「ステータス画面、出ちゃった」
《そうか、出ちゃったか》
《攻撃力高くて草》
《そりゃ、ガーゴイル倒せるわwww》
《でも、そうすると竹刀もそこそこ強いってことか攻撃力》
《装備時と単体時の攻撃力がわざわざ表示されとる》
《つまり、投げつける等の攻撃の時は、攻撃力500になるってことか??》
《相手の防御力にも左右されるんだろうが、まぁ、そういう事になる、のか??》
戸惑う陽祐、大草原の配信画面。
その横で、
「わ、私より、レベル高い」
エリーがめちゃくちゃショックを受けていた。
こうして、最初の動画配信は終わったのだった。
最終的にこの配信は、同接数十億を突破し、世界最速のダンジョン配信攻略動画として語り継がれることとなる。
さて、クエストをクリアすると、また別のクエストが神から配信された。
そのことに陽祐が気づくのは、翌日のバイトが終わった後である。
ちなみに次のクエストは、
【技能を取得し使ってみよう(*>ω<)b】
である。
これを見た陽祐の反応はというと、
「クソがぁぁあ!!!!」
さすがに口汚く罵ることしかできなかった。




