【ダンジョン】クエスト受注しないと天罰くだるらしいから、やってくよ(´;ω;`)【配信】7
休憩スペースには、イスとテーブルも用意されている。
そこに持ってきた重箱とおやつの入ったタッパーを取り出して広げる。
取り分けのための紙皿と割り箸も用意してある。
「それじゃ、いただきます」
陽祐が手を合わせる。
それに倣って、エリーも【いただきます】をした。
エリー曰く、国ごとのマナーもしっかりインプットされているらしい。
そのため、今日までの数日間、生活していて不便はなかったらしい。
《エリーちゃん、箸の持ち方綺麗だな》
《作法もインプットされてるの?》
「えぇ、いちおう。
あ、この卵焼き美味しいです、主」
「そう?
口にあったのなら良かった」
《おにぎりもギチギチに詰まっとる》
《おにぎりの中身なに??》
「ん?
梅と、冷蔵庫にあったキュウリのわさび漬け刻んだやつと、あとは塩おにぎりだ」
陽祐が言った横で、エリーが飛び上がる。
「っっっ〜〜〜!!」
「あ、それだよ、わさび漬け」
《鼻にツーンと来たか》
《からし漬けでもなるやつ、俺はなった》
そんな感じで、弁当を食べ終える。
エリーの食べっぷりの良さに、陽祐も満足していた。
《それでどうするの?》
《配信続けるの?それともここで終わり??》
「とりあえず、ここまで来たし。
次の七階層行って、コンビニが無ければ休憩スペースでガチャして終わる。
明日はバイトあるし、帰って寝たい」
《まぁ、それが妥当か》
《それがいいかもな》
《バイトのシフト、なんとかなったんか》
「店長と、先輩バイトさん達に代わってもらった。
明日以降は、休みをなんとかやりくりしてクエストしていくしかない。
ただ寝て過ごしてた、俺の休日……」
《ドンマイ》
《どんまい、としか言えねぇ》
《そういえば、ダンジョンのアイテムって換金できるんじゃないっけ??》
《そういやそんなこと、スレでエリーちゃんが言ってたな》
《換金ってどうやるんだろ??》
そのコメントを受けて、エリーが答える。
「売店で出来ますよ」
《コンビニで出来るんだ》
《そうか、出来るのか(´・ω・`)》
《でもさ、魔法袋があるからってメダル何枚も現金とやり取りするのダルくない?》
「それについては、とりあえずなんとかなる、とだけは言えます。
詳しくはネタバレになってしまうので、それらを説明する権限が与えられていないこともあり、なので言えないです」
《ネタバレ》
《そうか、ネタバレか》
《ネタバレとかあるんだ》
《同時多発的にダンジョンに挑戦&配信させておいて、神側からのネタバレはダメなんか(´・ω・`)》
《とにかく、コンビニさえ見つければ換金できるわけだな!》
「そういうことです」
そんなこんなで弁当を食べ終え、デザートも綺麗に平らげた二人は、七階層へと出発した。
階段をのぼり、地図を確認する。
すると、
「あ!!」
《お?》
《嬉しそうな声だな》
《もしやあったか??》
「あった!!」
陽祐がステータス画面の地図を、ドローンを使って映す。
七階層の片隅に休憩スペースとは別で、【売店】の表記がある。
《よっしゃ!!》
《スレ主、はやくはやく!!》
《コンビニ見たいんだぞ!!》
《これでよく知ってる店構えのコンビニだったら笑うしかない》
陽祐は駆け出した。
さっさとクエストをクリアして帰りたかったからだ。
売店で買い物もしなければならないので、どんな商品が置いてあるか、というのも気にはなった。
気にはなったが、それよりも帰りたい欲の方が強かった。
そんな陽祐にエリーがつづく。
幸い、というべきか。
モンスターと遭遇しなかった。
その事に違和感も持たなかった。
そのため、
《スレ主ー!!!!止まれー!!》
そんなコメントが書き込まれたことに、陽祐は気づけなかった。
目の前に休憩スペースとは別の、店の姿が見えた。
一発でコンビニだとわかる店構えだ。
「や、やった、やっとかえれ」
そう言いかけて、上から衝撃があった。
ぷっつりと、陽祐の意識がブラックアウトする。
そして気づくと、六階層の休憩スペースのテーブルに突っ伏していた。
ガバッと上半身を起こす。
「ナンデェ!!???」
わけがわからず、陽祐は叫んだ。




