表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/24

8.交際宣言?

 ガタリっ


 席を立ったジオが、険しい顔をして


「……誰と!?」


 と言い出した。強い視線に目が反らせない。


「ヴェレーノ先生よ。薬学の授業で、手を添えて教えてもらったときと言うか」

「……そうか」


 椅子を戻して、あからさまにホッとした顔をするものだから、ミネアが騒ぎ出した。


「どゆこと? どういうことなの?」


 洗いざらい、話せるわけないじゃないの! 困っていたらジオが爆弾を投下した。


「俺たち、付き合うことにしたんだ」

「い、いつそんな話になったのよ!?」

「きゃーー、ラーラったら教えてくれても良かったじゃない」


 聞き耳を立ててる周りも含めて騒然である。

 ジオさんや、フォローになってないし、何なら事態が悪化してないかしら。


「だから、ラーラに危害を加えるやつがいたら、侯爵家が許さない」


 静かなのに遠くまで響く声だった。

 そうして、なし崩し的に、私達は公認の仲になった、らしい。

 

「責任は取らなくていいって言ったのに。」


 誰にも聞こえないように悪態をついた。




 放課後、ジオに誘われて学園の外のカフェに向かった。木枯らしが吹いていて、すっかり冬だった。学園はドーム型に薄く結界が張られていて、割と快適だったから季節を強く感じて感慨深い。結界は悪意のある人が出入りできなくなっている。


 カフェに行く前には、雑貨店でショールをプレゼントしてもらった。カフェは白い建物の可愛いお店で、個室が予約されていた。

 いつの間に!?


「ケーキにする? それとも今日もパフェ?」

「なんだか迷うわね」

「じゃあオススメをいくつか見繕ってもらおう」


 その選び方がもう、お貴族様よね、と思ったけれど奢ってくれるものは食べようと気合を入れた。


 しばらくして、紅茶と小さめのケーキが3個と小さめのゼリーとベリーソースの掛かったアイスクリームがバランス良く乗ったプレートがテーブルに置かれた。


「か、かわいい! 美味しそう」


 ジオの前にはコーヒーとサンドイッチ。甘いものは苦手なのかしら? こんなに美味しいのに、人生損しているわね。

 溶けてはもったいないとばかりに、私はアイスクリームから手を付けた。


「ん〜、幸せ」

「そりゃ良かった」


 緊張が溶けた顔でジオは穏やかに笑っていた。


「それで、ヴェレーノ先生の心が読めたって?」

「そんなすごいことじゃないわ、緊張してるとか嬉しそう、みたいな感情がほんのり伝わって来ただけよ」

「今までからそんなことが?」

「前にミネアと手を繋いだときは、そんなことなかったから練度があがったんだと思う。

 このまま、もっと練度があがるとしたらどうなるのかしら」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ