第一走 終わりと始まり
何でも、"始まり”というのは、いつも突然だ。
夢も憧れも、出会いも。
恋をした事はあるだろうか。
恋をした者だけが偉いわけでも無く、必須でも無い。でも時に訪ずれる。そんな物語である。
始まりは寒い冬の日だった。もう十二月も後半。
夢のため専門学校に通って、早一年経とうとしていた。
俺は好きだった女性に『彼氏ができた』という事実を知り、また何も言えずに負けた。
でもこれも偶然か、たまたま授業が一緒だったその女性とペアを組むことになり、隣で気まずくて、あまり上手く課題は進まなかった。
課題の発表を聞いていた時、突然後ろから話しかけられた。
それが"あの人"との出会いだった。
「すごい詳しいね!?鉄道好きなの?」
と。女性にしては少し低くめの声。
髪も肩ぐらいまでで、金髪がよく似合っていた。
金髪ってことは、陽キャの匂い。
それにいくら半年同じ授業を受けてても、クラスが別で接点もゼロ。
少し話をした。
「幼い頃から電車が好きだったからね」
「あそこまで詳しいのは凄いよ!」
と。割とを気に入られたのか、あの人は俺を見かけると、指を刺しながらフルネームで毎回呼んでくれるようになった。まるで問題を解くように。
ある日。帰りの電車を待っていると、あの人もホームに現れた。また少し考えて、間違えず、俺のフルネームを当てる。
正直俺はあの人の名前を聞いていなかったから、返すこともできない。直接聞けばいいのに、少しばかりの失恋を抱える俺には、荷が重かった。
年度は変わり、季節も巡り、クラス替え。
俺の学校は二年生のクラスは講師で決めるため、
自分で一番合ってる・成長できると思う先生を選ぶ。
俺は、あの人と同じクラスにならないかなと、淡い期待をしていた。
するとホームルームをする教室に、
あの人が入って来たのである。




