水の妖精の遺した奇跡
橘美咲は、女子大生アスリートとしての輝かしい未来を約束されていた。
彼女は小学生の頃から競泳の才能を発揮し、ジュニアオリンピックで4連覇を達成した。
その姿はまるで水の妖精のようで、長身でアスリート体型ながらも、豊満な胸と愛くるしい童顔が周囲の視線を集めていた。
美しい黒髪が水面に映えるたび、彼女はアイドル的存在として多くの人々に愛されていた。
そのルックスと確かな実力から期待は高く、オリンピック金メダル最有力候補とまで言われた。
しかし、オリンピックを翌年に控えた大学2年の春、彼女の運命は一変する。
両乳房が急激に真っ赤に腫れ上がり、病院での診断は「炎症性乳がん末期」。
美咲は両胸を切除し、リンパ節の郭清を受けることになった。
抗がん剤治療の影響で、彼女の美しい黒髪は次第に抜け落ちていった。
1年間に及ぶ厳しい治療を経て、彼女は復帰を果たしたが、その矢先に再発が告げられた。
激しい咳と血痰が続き、MRIの結果は最悪だった。
両肺に再発し、さらには骨転移も確認された。
両肺の切除を余儀なくされ、腰骨や骨盤の骨折により、彼女は車椅子生活を余儀なくされた。
アスリートとしての復帰は絶望的だったが、美咲はそれでも笑顔を絶やさなかった。 中学時代からの恋人との間に奇跡の妊娠が発覚し、周囲の反対を押し切って出産を果たす。 しかし、癌の悪化は止まらなかった。 娘の名前は「美沙」。
美咲は最期まで笑顔を絶やさず、美沙が3歳の時に癌による多臓器不全で息を引き取った。彼女の笑顔は、周囲の人々に深い感動を与えた。
美沙は母の遺志を受け継ぎ、周囲に愛されながら成長した。
母に似た愛くるしい顔立ちと豊満な胸を持ちながら、唯一異なるのは美しい天然の銀髪だった。
美咲の才能と夢を背負い、彼女はまずジュニアオリンピックを目指すことを決意する。
美沙は母を超えるため、ジュニアオリンピックで完全制覇を果たし、インターミドルで3連覇を達成した。
しかし、19歳の時、母と同じく若年性乳がんが発覚。
母以上にたちの悪い進行性の葉状性腫瘍で、両乳房の切除手術を受けることになった。
それでも、美咲が最期まで笑顔を絶やさなかったように、美沙もまたその自慢の豊満な胸を失っても笑顔を絶やさなかった。
抗がん剤治療を経て、辛い日々を乗り越えた美沙は再び水の中へ戻った。
オリンピック選考会での完全復活を果たし、母が得意とした平泳ぎでオリンピック連覇を達成する。
さらに、地元での五輪では同一五輪全距離完全制覇という偉業を成し遂げた。
その後、美沙は経過観察を経て乳房再建手術を受け、結婚し、出産を果たす。
それにより世界水泳平泳ぎ完全制覇を置き土産に彼女は引退をした。
競泳オリンピック3連覇は世界でも貴重無だけに惜しまれつつら産まれた子供に幸せそうな笑顔をむける美沙を見て ファンは納得するのだった。
彼女の娘の名前は「美咲」。
美沙の母と同じ名前を持つ娘は、母の強さと優しさ、そして祖母の想いを受け継いでいる。
美咲と美沙の物語は、ただの悲劇ではなく、希望と愛の物語でもあった。
彼女たちの笑顔は、どんな困難にも負けない力を持っていた。
美咲の精神は美沙に受け継がれ、彼女たちの絆は永遠に続いていくのだろう。
ちょっとした実験作です