私は未来の息子と会った事もない息子の父親である男性と会う事が出来た!
私は未来の息子と会った事もない息子の父親である男性と会う事が出来た!
たまに私はこんな事を考える、、、?
”時間とは? 未来から過去に進んでいるのではないのか?”
もしそうなら、私の未来はどうなっているのだろう。
そんな事を考えていたら? 目の前からステキな男性が歩いて来て、
私に急に声をかけて来たわ!
『ママ! やっぱり若いママだー!』
『“ママって? まだ私は19歳よ、貴方は誰? 私と同じぐらいの歳
ぐらいに見えるけど? 意味が分かんないわ!”』
『“僕は未来からやって来た、貴女の息子だよ。”』
『えぇ!? だ、だとしたら? 私は誰と結婚したの?』
『ママは誰とも結婚してないよ!』
『・・・で、でも? 貴方が産まれてきたなら、』
『“精子バンクだよ。”』
『せ、精子バンク?』
『誰かの精子を使って、僕が産まれたらしいんだ! だからね、僕も
パパを知りたいと思ってこの時代まで来たんだよ。』
『“でもそれって、調べれば分かるんじゃないの?”』
『そうだね、でもパパは既に僕が産まれる前に亡くなっているんだよ。』
『・・・な、亡くなっている?』
『この時代まで遡らないと僕のパパは生きていないと分かったんだ!』
『“なんでそんな男性の精子を私が、”』
『確かに、ママは20歳で僕を産んだみたいだし!』
『未来の私は貴方をちゃんと育てたのよね?』
『ううん、僕が産まれた後、ママも亡くなったんだよ、だから僕は施設で
育てられたんだ。』
『”・・・わ、私は亡くなってるの?”』
『うん!』
『・・・そ、そんな、』
『“だから僕はママに今、会えて凄く嬉しいよ。”』
『わ、私が、亡くなっている、』
『ごめんね、それ以上はママに何も言えない! 未来が変わっちゃうから。』
『・・・で、でも、パパは誰なのか分かっているの?』
『勿論! ”瀬戸内一馬という男性だよ! この時代では今、30歳
ぐらいだと思う。”』
『・・・し、仕事は? なんの仕事をしてるの?』
『”物理学者らしいよ。ママも一緒にパパに会いに行こう!”』
『・・・・・・』
・・・私は、なんだか不思議な気分だった。
隣でニコニコ笑っている男の子は?
”今日! 初めて会ったにも関わらず安心感があって私は穏やかな
気持ちになっていたからだ。”
確かに? 彼の言う通り、今居る彼は、”私の息子なのかもしれない!”
それにどこか私に似ているような、鼻や目元とか。
しかし? 私は彼氏も一度も作った事がないし、男性と体の関係も
持った事がないのに、私の隣には私と同じ歳ぐらいの男の子が居る!
しかも? ”私の息子だと彼は言うの。”
それに、この男の子の父親も気になる!
私のお腹の中でスクスクこの子が育ったのもその男性の
おかげでもあるし。
私は凄くその男性に会ってみたいと思っていた。
*
『“あぁ! あの男性が僕のパパだよ!”』
『えぇ!? あ、あの男性が、、、?』
『うん、直接会って話してみよう。』
『・・・えぇ!? う、嘘でしょ? 本当に行くの?』
『勿論だよ! 僕のパパなんだし!』
『・・・・・・』
男の子は気楽に、その男性に声をかけたわ。
男性も何事かと、少しオドオドしながらも男の子の話を真剣に
聞いていた。
そして私の所に男性を連れて来て、男性にこう言ったの!
『”彼女が僕のママだよ!”』
『えぇ!? じゃあ、僕達はそういう関係なのか!?』
『違うよ! ”ママは精子バンクでパパを見つけたんだ。”』
『“精子バンク? 俺が?”』
『そう、心当たりない?』
『・・・あ、あるよ、俺は病気で、もうそんなに長く生きられない!
そこで病院の先生に、精子バンクの話を聞かされていて、そうか、
俺は自分の精子を病院に預けていたんだ!』
『パパ!』
『俺の子供が居るなんて、信じられないよ!』
『私もです、私に子供が居るなんて、信じられない!』
『“生きてる間に、君に会えて良かった。”』
『私も!』
『“僕もパパとママに会えて良かったよ。”』
『“・・・お、俺の家族と、まさか死ぬ前にこんな幸せなことはない!”』
『私も自分の家族に会えて嬉しいわ。』
『“二人共、今日はありがとう! 僕もこんな幸せなことはないよ。”』
『あぁ、』
『僕は幸せだと知れて良かった。』
『“アナタは私達に、心から愛されているわ!”』
『“そうだ! 俺はお前を愛している、俺の息子よ!”』
『・・・ほ、本当に今日会いに来て良かったよ。』
『・・・・・・』
『うん。』
*
・・・短い間だったけど? 私は自分の大きくなった息子と私に精子を
くれた男性に会えて良かった。
”紛れもなくあの時の私達は、ひとつの家族だったわ!”
そして、私の息子には申し訳ないのだけど、、、?
”少し未来を変えてみようと思う!”
【ウギャーウギャーウギャーウギャーウギャー】
『男の子が産まれましたよ。元気な男の子です!』
『ありがとう~!』
『名前は決まってるんですか?』
『彼の名前を一文字取って、和斗です。』
『和斗くんか、いい名前ですね。』
『えぇ!』
*
私達の息子である! あの男の子が未来に帰った後、、、。
私と男性は、”一から恋をして籍を入れたの。”
そう! 本当の夫婦になったのよ。
そして、精子バンクではなく! 男性との子供を私は身ごもる事が
出来たわ。
本当に愛し合って、”未来の彼が産まれたのよ。”
未来の彼は、どう感じているのか分からないけど、、、?
私は今は幸せよ! 男性はその後、病気で亡くなってしまったけど、
私は男性との間で、あの子を身ごもりそして無事に産む事もできたから!
未来から来た息子のおかげで、私と男性は出会う事が出来て愛し合った。
そして彼が産まれて、それだけで私はもう幸せだわ。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。