双子だから苦手も一緒
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わたしたちは０・４パーセントの確率で出来た一卵性双生児で、母親の泉が言うには、
「『一絨毛膜一羊膜だったから胎盤が一つと羊膜も一つ』とか変態な医者が言っててさー、マジ無理ゲーじゃねー、とか想っていたんだけどー、人の股を覗いた変態な医者が
『一つの胎盤を二人の胎児で共有する』とかで『栄養や酸素が均等に行き渡らない』って、人の股法に守られているからって調子こいて覗く医者が言ってて、さらに胎児追い込むなよー、あたいって想っていたんだけど、
あたいとあんたたちを裏切った人妻大好き夫が優しさパワーであたいと由美と真理を守ってくれてー、
マジどうなってんの人間の身体不思議なんですけど？ と毎日あんたたちが生まれてくるの楽しみにしながら声かけて腹を撫でていたら腹を蹴ってきてさー、可愛かったなー、いまも可愛いけどね？ でもさらに変態股のぞき魔の医者が言うにはー、
『その影響で胎児の成長が偏ってしまうことがある』とかないとか言っていてその場合成長に差が出てしまうので慎重な管理が必要だったのー、由美と真理元気な身体で生まれて来てマジ感謝！」
とお母さんの泉が、朝食のマグロの兜焼きを焼きながら話してくれた。
人妻大好きのお父さんは、お母さんに出会う前まではいわゆる草食系男子だったのだが、お母さんに襲われてそういう行為が、好きになって不倫を何度もした挙げ句にヤクザの人妻に手を出していまは、日々マグロと格闘しながら慰謝料を支払っているとかないとか。
このマグロの兜焼きは、離婚したのに『再婚しよう』と熱烈な求婚をする元草食系男子のお父さんが、送った贈り物だ。
マグロの頭と一緒に、『お父さんからの海の幸ギフト。いっぱい食べて大きくなれよ！』と漁師たちと撮った一枚の写真と手紙を添えて送りつけられてきた。
由美と真理のお父さんってこんな顔をしているんだー、と思うぐらい感動だった。写真でしか見ていないが、お父さんの顔・・・・・・。黒いダイヤの大間マグロと写真を撮っていたお父さんの顔は、日焼けしていて黒大豆よりも黒かった。
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