この手を掴め!
股間クラッシャー愛生。再臨。
「寂しい言うてもやなっ! 愛生が死んだら雫さんも俺らも悲しむんやでっ!?」
「愛生が死んで誰も幸せになれやんねんっ!?」
「生き残ったんやから死んだもんのためにも!? 自分のためにも!? みんなのためにも命を大切にせえっ!?」
「愛生が死んだら、一番俺が寂しいんやぞ・・・・・・っ!?」
愛生は、窓際に歩いて行き窓の外に指さして涙を流しながら笑い、
「じゃあ、一緒に天国行ってくれる・・・・・・?」
「行くわけ無いやろっ!? 馬鹿野郎っ!?」
「辛くても一緒に生きなあかんのやっ!? こんな腐った世界でもな? 誰かが辛いのを背負ったら半分こにして支え合い生きていかなあかんのやっ!?」
「苦しいのは分るけどな!? 死んで何もかも終わらせようとするなっ!? そんなのは何も解決してないしこれから起こるかもしれん幸せを全部蹴って、雫さんがお腹を痛めてこの世に産み落としてくれた命を絶とうとするのは命がもったいないと思わんのかいっ!?」
「一度死ねば二度と帰ってこーへん命を簡単に殺す言う事はな? 手に掴むはずやった幸せを二度と手にすることが出来ずに永遠に後悔する言う事なんやぞっ!?」
「いま苦しくても今日を乗り越えて明日の暖かい日差しを浴びて、いまを生き抜き幸せになるのがお腹を痛めて愛生を産んだ雫さんへの恩返しなんやぞっ!? 命を粗末にするなっ!? 二度とそんな事を言わせんからなっ!?」
「でもっ!? 愛生はこの先どうすればいいのっ!? 親もいないし親戚全員『引き取れ無い』って言っていたしおばあちゃんは生活するだけで精一杯で面倒をかけたくないのっ!? この世界でたった独りぼっちっでどうすればいいのっ!?」
窓の前で蹲り泣き出した彼女に、
「寂しい思いをさせへんよーに側にいたろやないかいっ!」
手を彼女に差し出した俺は、
「寂しくて怖くて立ち上がれずに泣いている愛生に手を差し出してやるからこの手を掴めっ! 優しさで心の傷を埋めて欲しいと愛生が願うなら俺は愛生の手を強く! 握りしめたるっ! 生涯側におるんは俺やからなっ! 逃げんなよっ!
俺は愛生の期待に応えて一生分の優しさくれてやるさかい覚悟せえっ!」
「――っ!」
「結太の手を握りしめて生涯側にいていいの?」
「ああ。ええよ! 側にいたろやないかいっ!」
「うん、うん・・・・・・!」
愛生は微笑み俺の手を、強く握りしめたので俺も彼女の手を、強く握りしめた。
二人笑顔で恥ずかしそうに笑い、病室に暖かい日差しが差し込んだ。
「なんで生涯側にいて優しさくれるの・・・・・・? なんでそこまでしてくれるの・・・・・・?」
「愛生が――」
顔を伏せて恥ずかしそうに笑った俺に、彼女は顔を覗き込んで、
「愛生が・・・・・・?」
「分ったよ! ・・・・・・愛生が大切やからや!」
「大切・・・・・・? どういう意味で・・・・・・?」
「そりゃあもちろん」
「もちろん・・・・・・?」
「んんっ・・・・・・? あれえ・・・・・・?」
「友達と、してやで? あれ、なんか勘違いしてません・・・・・・? って!? 痛いっ!? 金玉握り潰そうとするなっ!? ――」
「浮気男になる前に――」
「――ふんっ!?」
「――っ!?」
「ぎゃあああああぁ!?」
その後、金玉を押さえて泡を吹いている俺が、看護師に発見されて愛生は、股間を守りながら震えている先生たちに説教されたらしい。
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いい夜を!
いい明日を!
良き未来をっ!
ではでは~!